3Dプリンタでリチウムイオン電池を「印刷」する技術をハーバード大学が開発


本物の心臓一軒家など、3Dプリンタで「印刷」できないものはない時代になりつつありますが、ハーバード大学とイリノイ大学の研究チームが、髪の毛よりも細いサイズのリチウムイオンバッテリーを3Dプリンタで印刷する技術の開発に成功したことを発表しました。

Printing Tiny Batteries : Wyss Institute at Harvard
http://wyss.harvard.edu/viewpressrelease/114

微細加工技術の発達により、極小の医療機具や小型の虫形ロボット、メガネに埋め込み可能なカメラとマイクなどが開発されてきましたが、それらのデバイスへの電力供給は、固体材料を薄いフィルム状に成型された電極を用いることがほとんど。この方法だと、材料が非常に薄いためエネルギーを十分に蓄積できず、その結果、デバイスは小型化できてもバッテリーが大きいままになるという問題を抱えていました。

そのブレイクスルーとなったのが3Dプリンタを用いた微細成型技術でした。研究チームでは3Dプリンタの加工精度を高めると同時に、科学的、電気的に優れた機能的インクを開発することで高い性能を実現。微細な成型を行ってバッテリーとして動作させるためには、歯ミガキ粉がチューブから押し出されるようなやわらかさと、直後に硬化して形状を保つという特徴を持ち、電気的特性を備えてバッテリーの電極としての機能を果たすための特性が求められました。

以下のムービーでは、特殊インクを30ミクロン(0.03ミリ)という非常に細い状態でノズルの先端から射出して、くし状の電極を成型している様子を見ることができます。


イラストの左部分では、紫色のノズルから射出された特殊なインクが層状に印刷され、くし形の紫色と赤色に分かれた正負の電極を形成している様子が示されています。また右部分では、印刷された電極をケース(緑色)に収め、電解液を満たすことで電池として作動するイメージが表されています。


印刷されたリチウムイオン電池は非常に小さなものですが、「一般的に使用されている同種のバッテリーと変わらないチャージ性能およびエネルギー密度、寿命を備えている」と研究チームは語っています。研究成果はAdvanced Materials誌において発表されることになっており、体内埋め込み型の医療機器や次世代のマイクロロボット実現への大きな一歩となりそうです。

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