ハードウェア

PS4の原価は約3万8000円、半分以上を数枚の内蔵チップが占める


PlayStation 3は発売当初は製造コストが販売価格を上回る「逆ざや」状態でしたが、2010年にようやく製造コストが下がって正常に利益が出るようになりました。そんなPS3の次世代ハードにあたるPlayStation 4(以下、PS4)の製造コストが381ドル(約3万8000円)であることが判明。北米でのPS4の販売価格は399ドル(約4万円)で、その他の流通に必要なコストなどを考えると、今のところPS4本体を売ることでソニーが利益を出すというのはほとんど不可能な模様です。

Sony's PlayStation 4 Costs $381 to Build, Only $18 Under Retail Price - Arik Hesseldahl - Media - AllThingsD
http://allthingsd.com/20131119/teardown-shows-sonys-playstation-4-costs-381-to-build/


PS4の製造コストを割り出したのは調査会社のIHSで、AllThingsDで公表したPS4の分解調査の中でPS4の製造コストを明らかにしました。販売価格と製造コストの差額は18ドル(約2000円)で、家電製品ではこのような低い粗利益はまれなことのようです。AppleのiPad Air、16GBWi-Fiモデルは販売価格が499ドル(約5万円)で製造コストは274ドル(約2万7000円)となっているので、これと比較すればPS4の販売価格がいかに低く設定されているかが分かります。

PS4の内部で特徴的なパーツはAdvanced Micro Devices(以下、AMD)製の異常に大きなマイクロプロセッサで、このコストは約100ドル(約1万円)。さらに、PS4に搭載されている16ものメモリチップの合計コストが約86ドル(約8600円)となるので、これらのチップのコストだけでPS4の製造コストの半分以上を占めてしまうことになります。AMD製のマイクロプロセッサは28ナノメータープロセスで製造されており、サイズは350平方ミリメートル。「このAMD製のチップは異常な大きさで、これまでに見た28ナノメータープロセスで作られたチップの中で1番大きな物よりも約3倍ほど大きい」と言うのはIHSのアナリストであるAndrew Rassweiler氏。また、「チップが大きいということは製造時の欠陥に悩むことになるのでは」という発言もしています。


チップ以外のコストは、Seagate製のハードディスクドライブが37ドル(約3700円)、MarvellやSkyworksなどにより作られたワイヤレスチップは28ドル(約2800円)、コントローラーにはQualcomm製のBluetoothチップやWolfson Microelectroncs製のオーディオチップ、Bosch製のモーションセンサーチップなどが使用されており、コントローラー単体でのコストは18ドル(約1800円)となっています。


ソニーがPS4本体を売ることで得られる利益はほとんどないので、PS3同様にソフトウェアや周辺機器を売ることで利益をあげていくビジネスモデルを踏襲していくことになるようです。なお、PS4の国内販売日は2014年2月22日、価格は3万9980円となっています。

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in ハードウェア,   ゲーム, Posted by logu_ii

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