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世界最強の男マイク・タイソンの激闘の歴史を振り返るノックアウトムービー集


一昔前まで「世界最強の男は?」と聞かれれば、ボクシングの世界ヘビー級チャンピオンを答えるのが常でした。しかし、近年、総合格闘技人気の高まりに伴い、次第に世界最強の男はボクサーではなくなってきています。これは、世界最強の男と呼ばれた、おそらく最後のボクサーである「マイク・タイソン」の「栄光の軌跡」のほんの一部を集めたムービー集です。

Mike Tyson Best Knockouts Collection 1080p HD 2013 - YouTube


◆プロデビューから破竹の快進撃
ニューヨーク・ブルックリンで育ったマイク・タイソンは、少年院でボクシングと出会い、その才能を開花させます。このダイヤモンドの原石を見いだした名伯楽カス・ダマトは、タイソンの身元引受人となり、寝食を共にして自身のボクシング哲学をたたき込みます。ダマトの右腕であり名トレーナーのケビン・ルーニーとの二人三脚でめきめきと頭角を現したタイソンは、スター不在のヘビー級に現れた超新星として次第に全米中の注目を集めていきます。

リングでトレーニングするタイソンを奥で見つめるのがダマト氏。写真右はトレーナーのルーニー氏。


身長2メートルを超える大男がひしめくヘビー級で180センチメートルのタイソンは小柄なボクサーでしたが、他に類を見ないスピードと、抜群のヘッドスリップによる防御ならびに規格外のパンチ力で次々と相手をマットに沈めていきます。


鍛え上げられた肉体はまるで彫刻のよう。ついたニックネームは「鉄人」。


ヘビー級王者になるまでのノックアウト(KO)は、ほとんどがワンパンチ。


相手をロープまで飛ばす強烈な右フック。


左フックでもこの通り。


タイソンの代名詞となった「右ボディブロー」からの「右アッパーカット」。


一撃でKOされるのは運がいい方。倒れなければ、サンドバック状態に。


マットすれすれまで態勢を低くするダッキング。破壊力ばかりでなくディフェンス技術も一級品。


大男を次々になぎ倒し、無敗のまま、一気にヘビー級タイトルマッチまで駆け上がっていきます。


◆世界タイトル奪取から統一王者へ


27戦27勝25KO無敗で迎えた、第28戦。初めての世界ヘビー級タイトルマッチでタイソンは、トレバー・バービックを2RTKOで倒し、WBC世界ヘビー級タイトルを獲得。史上最年少(20歳5ヶ月)で世界ヘビー級王者となります。ちなみにそれまでの最年少記録は、ダマトの弟子であり、タイソンの兄弟子にあたるフロイド・パターソンの21歳11ヶ月でした。


世界ヘビー級チャンピオンになったタイソンは、当時、WBAWBCIBFの主要3団体に分かれていた世界ヘビー級タイトルを統一するべく新たな闘いを開始します。1987年3月7日、WBA世界ヘビー級チャンピオンのジェームス・スミスとのWBC・WBAのタイトルをかけた統一戦に12R判定勝ちし、WBAのタイトルも奪取。ここまでの戦績29戦29勝26KO無敗。

第30戦目では、元WBC世界ヘビー級王者のピンクロン・トーマスを6Rで沈めます。ここまでの戦績30戦30勝27KO無敗。


そして迎えた31戦目、IBF世界ヘビー級チャンピオントニー・タッカーとのWBA・WBC・IBFタイトルをかけた統一戦に12R判定勝ちし、ついに世界ヘビー級タイトルを統一します。ここまでの戦績31戦31勝27KO無敗。

32戦目では、ロサンゼルス五輪スーパーヘビー級金メダリストのタイレル・ビッグスを一蹴。ここまでの戦績32戦32勝28KO無敗。


◆伝説への挑戦


1960年代、70年代は、モハメド・アリ(カシアス・クレイ)、ジョー・フレージャージョージ・フォアマンケン・ノートンラリー・ホームズという通称「ビッグファイブ」によって、ヘビー級戦線は空前の人気を誇っていました。しかし、ホームズ以外のビッグファイブメンバーがリングから去ると、ボクシングファンの注目は、シュガー・レイ・レナードマービン・ハグラートーマス・ハーンズロベルト・デュランを擁するミドル級(通称「黄金のミドル級」)に移行していきます。

しかし、その圧倒的な強打で黄金のミドル級から再びボクシングファンの目をヘビー級に集めることに成功したタイソンは、33戦目にビッグファイブの"伝説"ラリー・ホームズとの一戦を迎えます。そして、7年にわたってヘビー級チャンピオンに君臨した元王者ホームズを、4Rに強烈な右ストレートでマットにたたきつけます。ここまでの戦績33戦33勝29KO無敗。


東京ドームのこけら落としに行われた一戦では、元WBA世界ヘビー級王者トニー・タッブスを2RでTKO。ここまでの戦績34戦34勝30KO無敗。


第35戦目は、ライトヘビー級タイトルをすべて統一し、当時のヘビー級王者ラリー・ホームズを下してヘビー級王者にもなった経験を持つライトヘビー級のスーパースターマイケル・スピンクスとの無敗同士の世紀の一戦。わずか91秒でKO勝ちし、パウンド・フォー・パウンドの座をゆるぎないものに。ここまでの戦績35戦35勝31KO無敗。


しかし、絶頂期を迎えるタイソンは、生前ダマトが接触を禁じた大物プロモータードン・キングとプロモート契約を締結し、お目付役のルーニーをはじめダマトの意志を継ぐチームタイソンのメンバーを次々と解雇し、次第に私生活が乱れ始め、このころから練習量も激減していきます。

第36戦目では、イギリスの期待を一身に背負うフランク・ブルーノを5RでKOするものの、パンチを浴びてぐらつかされるなど危ない場面も見られます。ここまでの戦績36戦36勝32KO無敗。


第37戦目では、アマチュア時代にタイソンをスパーリングで圧倒したことが自慢だったカール・ウィリアムスを1R93秒、左フック一発で倒します。ここまでの戦績37戦37勝33KO無敗。


◆落日


無敵を誇っていたタイソンに王者陥落の瞬間が訪れます。1990年2月11日、舞台は東京ドーム、ジェームス・ダグラスとの一戦。序盤からダグラスの左ストレートを浴び続けるタイソンは、8Rに起死回生の右アッパーカットを決めダウンを奪います。


10秒が過ぎても立ち上がれないダグラスに誰もがタイソンの逆転勝利かと思いましたが、なんとレフリーはダウンから約3秒後にカウントを開始。後に「ロングカウント事件」と呼ばれるこの出来事の後、10Rにダグラスの強烈なパンチを浴びたタイソンはついにマットに沈むことになりました。ここまでの戦績38戦37勝33KO1敗。

世界中に衝撃が走った敗北後初めての復帰戦で迎える相手は、ロサンゼルス五輪代表選考会決勝で負けたヘンリー・ティルマンでしたが、右フック一撃で1RTKO勝ちを納めます。


その後、タイソンは再びヘビー級王者に返り咲きますが、試合内容は次第に精彩を欠くことが増え、また、レイプ事件を起こして収監されたり暴行容疑で逮捕されたりと私生活が一層乱れていきます。さらに、イベンダー・ホリフィールドとの世界ヘビー級タイトルマッチでは相手の耳を噛みちぎり失格負けを喫するなど、ボクシングキャリアでも転落していきます。


そして、2005年6月12日、無名のケビン・マクブライドとの一戦で自ら試合を放棄し、ついにその波瀾万丈のボクシング人生にピリオドが打たれます。プロでの戦績は、58戦50勝44KO6敗2無効試合でした。

「鉄人」の愛称で世界中のボクシングファンから愛され自他共に認める世界最強の男のリングでの闘いの記録は、今後も多くの人を魅了し続け、末永く語り継がれていくものと思われます。

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in メモ,   動画, Posted by darkhorse_log

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