メモ

iPhoneのスヌーズ機能が「9分間隔」に固定されている、その理由とは?

By Brenderous

朝早く目覚ましのアラームに起こされても「あと10分……」と思ってスヌーズボタンを押してしまう人は多いと思いますが、iPhoneのスヌーズ機能が9分間隔に固定されていることに気づいた人は意外と少ないのではないでしょうか?「10分」でも「5分」でもなく、なぜ「9分」に固定されているのか、その理由とおぼしきものがアメリカの新聞で人気のQ&Aコーナー「The Straight Dope」で紹介されています。そこには、iPhoneよりもずっと古い機械式時計の時代からの「遺産」の影がチラホラと見えてきます。

The Straight Dope: Why does the alarm clock snooze button give you nine extra minutes, not ten?
http://www.straightdope.com/columns/read/1361/why-does-the-alarm-clock-snooze-button-give-you-nine-extra-minutes-not-ten

The Straight Dopeの回答者であるCecil Adamsと名乗る人物は、読者から寄せられた「9分のナゾ」について調査を行って以下のような回答を寄せています。
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質問者:毎朝、僕のルームメイトは目覚まし時計を鳴らしているのですが、すぐにスヌーズボタンを押してもう一度寝てしまいます。そこから彼が目を覚ますまで何度もスヌーズが繰り返されるのですが、なぜかその間隔は9分おきになっています。これまでに僕が見たアラーム時計でもスヌーズ間隔はすべて9分になっているのですが、これはそういうものなのでしょうか?だとしたら、いったい「9分」というのはどこから来たものなんですか?

By Anthony Armijo

回答(Cecil Adams):わかりました、時計メーカーや時計職人、そして熱狂的な時計マニアらに連絡を取って、なぜなのかという理由を聞き出し、その理由に対する私からのコメントをまとめてみました。(以下、「→」以降がAdams氏からのコメント)

◆1:消費者モニターへのアンケートで、「8分から12分がもっとも好ましい」という結果が出たから →なるほど、でもなぜ「10分」にはしなかったんでしょうね?


◆2:エンジニア連中に聞いてみたら、「ウチの上司が10分ごとに仕事をチェックしにやってくるから」と言うことだった →面白い!わははは!

◆3:生理学の先生に聞いてみたら、「起こされても『眠りたりない』と思っている人を9分以上放置しておくと再び深い眠りに落ちてしまうため」ということだった →なるほど。

◆4:5分じゃ短すぎるし、10分だと長すぎる。9分にすれば10分よりはマシだから、という人もいた →これは答えになってない!

◆5:古いタイプのLED式デジタル時計の場合、スヌーズ機能は最長60分間しか作動しなかった。この条件で、できるだけ長い間隔をキープしたまま60分間に収めるためには「スヌーズ間隔9分+ボタンを押すための余裕を数秒」というふうにするのが最適な設定だったから →「そんなはずはない」という職人のコメントもありましたが、ノーコメント。

By Joe Shlabotnik

◆6:こういう仮説を立てた人もいました。「おそらく、9分=540秒というのは、2進法でいう9ビットにあたる512に近い数字であるところから来ていると思われる。または、コンセントから供給される電源の周波数は60Hzであり、9分は60Hz×60秒×9分=32,400サイクルとなる。これは、同じく2進法の15ビットである32768に近似している」 →専門家からのコメント「よくがんばりました。でもハズレ。時計はそんな仕組みにはなってません」

◆7:60年代のデジタル時計に使われていたジェネラル・インスツルメンツ社製のチップに、9分遅延の回路が組み込まれていた。その後もその設定が変えられることなく残され続けた →なるほど、でもなぜそれが「9分か」という疑問は残ったままですね……。

◆8:デジタル時計の場合、右から1ケタ目の数字表示で得られる一番大きな数字が『9』だから →1ケタの表示にこだわる必要はあるんでしょうか?2ケタ目も使えばもっと長く設定できるはずですが……?

By SomeoneElseButMyself

◆9:古い機械式時計の時代にも既にスヌーズ間隔は「10分」が適切とされていたが、当時はさほど正確さは重要視されていなかった。なので職人はスヌーズ間隔を「9分プラスおまけ」というふうにした。その後、デジタル時計に移っていった際に「9分」という数字だけが残った。

最後のものは、かなり正解に近そうです。ここで、古いジェネラル・エレクトリック社製の時計を分解したJayさんからの意見を紹介しましょう。ごく初期のスヌーズボタンつきの時計を分解したJayさんは、スヌーズ機構のギヤがあまり正確ではなく、だいたい9分から10分の間で動作していたことを発見したそうです。Jayさんの仮説では、あまり精度を追求していなかった当時の技術者が「9分から10分ぐらい」でスヌーズを設定していたことが「9分のナゾ」の起源ではないかということです。これには現代のエンジニアからも賛成の声が上がっています。

By Lynn Kelley Author

以上から導き出された結論は、以下のとおりです。デジタル時計のマイクロチップが開発される時に、それ以前の古い機械式時計を分析したエンジニアが「スヌーズ間隔9分というのは、時計の神様により定められた間隔である」としてそのままチップに組み込みました。それから月日が流れた現代でも、我々はその呪縛にとらわれ続けているということでしょう。
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以上がCecil Adams氏からの回答です。すでに日本でも「9分のナゾ」に気づき、ネット上でもその理由を「Appleの思いやりだ」としたものや「だいたい10分ということでいいんじゃないか」という回答、さらには「わからないから理由を教えて!」といった多くのやりとりが寄せられていますが、実はアメリカでは「スヌーズ=9分」という図式がずっと以前からできあがっていたようです。もちろん自由に間隔を設定できる時計も存在していますが、金科玉条のごとく「9分」という伝統が生き続けてきたのにはこのような理由があったのかもしれません。

もうこれで「9分のナゾ」に悩まされずに、ぐっすりと眠ることができそうです……

By sean dreilinger

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in メモ, Posted by darkhorse_log

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