「金のなる木」ならぬ「金を含むユーカリ」がオーストラリアで発見される
By Mark Herpel
葉の形が硬貨に似ているため「金のなる木」と呼ばれている植物が存在しますが、オーストラリアで、ユーカリやアカシアを調べたところ、実際に葉や樹皮に金の粒子が含まれていることが研究から判明しました。
Natural gold particles in Eucalyptus leaves and their relevance to exploration for buried gold deposits : Nature Communications : Nature Publishing Group
http://www.nature.com/ncomms/2013/131022/ncomms3614/full/ncomms3614.html
オーストラリアの国立科学機関CISROを率いるMelvyn Lintern氏の研究チームは、以前にユーカリの葉から微細な金の粒子を発見しましたが、それが地下鉱脈からきたものなのか、それとも何か違う要因があったのか、はっきりと証明することはできませんでした。
By Donald Hobern
そこで研究チームはオーストラリア西部にあり、通常よりも多くの金脈が存在するFreddo Gold鉱脈地域に生息するユーカリを調査したところ、ユーカリの葉や樹皮から、地下の鉱脈に存在するものと同じ金の粒子を発見し、ユーカリが地下から金を吸い上げていることがわかったのです。
By nosha
ユーカリは乾期になると水分を含むミネラルを求めて地中深くまで根を伸ばす植物で、研究チームによると、ユーカリが地下35メートルまで根を伸ばしたところ、金の鉱脈に到達、根から吸収された金の粒子は毒性効果を減らすために葉や樹皮のほうまで追いやられたのではないか、とのこと。
葉に含まれる金の粒子は非常に小さく、金の指輪を作るためには500本のユーカリが必要になるそうで、ユーカリから金を精製することは現実的ではありません。しかしながら、ユーカリの葉を調べることで、その地域の鉱脈にどれほどの金が含まれているかの判断材料にはなります。過去数十年間で金脈の発見数は急激に減少しており、新しい金脈の探索には莫大な費用がかかるため、ユーカリが金脈探索に役立つかもしれないとのことです。
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