スマホのマルウェア対策の次なる一手、ウィルス探知機能つき充電器「Skorpion」
By starkej2
スマホの保有率が上がりいまや生活に欠かせないという人も多いと思いますが、そうなるとウィルスなどを含むマルウェアの感染が心配のタネになってきます。知らないうちに自分のスマホに侵入されて個人情報を抜かれたり、自分の知らないところで攻撃元になってしまう危険のあるマルウェア感染ですが、そんなリスク対策の新たな手法として、バッテリーを充電しながらウィルスを検知・駆除するというマルウェア対策充電器「Skorpion」が開発されています。
A Phone Charger That Also Scans for Malware | MIT Technology Review
http://www.technologyreview.com/news/519651/a-smartphone-charger-that-sniffs-for-malware/
このSkorpionを開発しているのは、セキュリティ関連の新興企業であるKaprica Security社です。この装置は2013年8月に開催されたコンピュータセキュリティの国際的なカンファレンス「Black Hat」において発表されたもので、スマホとは別の独立したハードウェアであるバッテリー充電器にウィルス診断機能を搭載したというものです。スマホとは別の独立したハードウェアからウィルス診断を行うという点がポイントとなっています。
スマホのセキュリティ対策としては、セキュリティソフトをインストールするというのが一般的ですが、もとのスマホが汚染されてしまっていては、そのソフトの効果も期待できないというもの。そんな死角を補うためにこのSkorpionが開発されています。同社のCEOで、以前に米ロッキード・マーティン社のセキュリティを請け負っていたこともあるDoug Britton氏は「Skorpionは、スマホのOSやメモリ、プロセッサなどのシステム上ではなく、別の独立した場所から検知を行います。システムそのものが汚染されていては、診断結果そのものが書き換えられてしまっている可能性もあるからです」と語ります。
使い方は一般の充電器とほぼ同じで、ケーブルをスマホにつないて充電するだけというもの。この状態で診断が開始され、問題がなければ緑のランプが点灯するようになっています。また、スマホのタイマー機能を活用して寝ている間に再起動するように設定しておけば、より詳細な診断を行うことも可能です。もし問題が発見された場合は赤色のランプが点灯して感染を知らせるようになっており、自動で感染前の元の状態にレストアさせるように設定することも可能です。定義ファイルのアップデートと診断結果の送信にはスマホのデータ通信を使用し、蓄積したデータをもとに各種レポートを作成することも可能です。
このSkorpionですが、2013年末から2014年初頭にかけ、まずは企業向けに販売を開始する予定になっており、本体価格は65ドル(約6500円)程度で、月々の更新費用は3ドルから4ドル(約300円から400円)を想定しているとのこと。同社ブランドではなく、スマホ周辺機器メーカーのBelkinなどからの販売を検討しているとのことです。
もはや「万能なマルウェア対策は無い」といわざるを得ない時代となってきている中で、セキュリティの新たな一手が出てくるのは心強いものです。
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