次世代マイコン「Tessel」はJavaScriptとNode.jsをサポートしWi-Fiからアップデート可能
電気製品を制御する半導体チップ「マイクロコントローラー(マイコン)」は、私たちの生活を便利にしている縁の下の力持ちというべき存在で、テレビのリモコン、炊飯器のタイマー、スマホのバッテリー表示などはすべてマイコンによって実現されています。そんな半導体のプログラムをこれまでよりももっと簡単かつお手軽に自作でき、しかもインターネットからWi-Fi経由でコントロール可能な次世代マイコンが「Tessel」です。
Tessel - Technical Machine
http://technical.io/
◆Wi-Fi機能
TesselにはWi-Fi機能が装備されており、Wi-Fi接続によりインターネットにアクセスできます。これにより、Wi-Fi経由でネット越しにマイコンプログラムのデバッグや機能の追加などのコーディングが可能。Wi-Fi接続でファームウェアのアップデートをするときは「tessel push」というコマンドだけで可能です。つまり、Wi-Fi環境があればマイコンのプログラム更新をワイヤレスで行うことができるというわけ。Wi-Fi環境がない場合でも、USB接続によってプログラムの更新は可能です。
◆モバイルアプリ
さらにTesselには、iOS・Androidアプリが用意されており、初期設定で用意されているユーザーインターフェースだけでなく、HTML/CSSによる自作も可能。加えて、モバイル端末からプログラムの更新が可能となっているため、プログラムの更新がお手軽にかつダイレクトに実現できます。
By lululemon athletica
◆プログラム
Tesselは、JavaScriptでプログラムが可能です。また、Node.jsにも対応しており、すでに1000個のNode.jsモジュールとの互換性が確認されています。また、各種トラフィック用のAPI、SNSへの投稿、自分で立てたサーバへの接続など、あらゆる「HTTP」経由でのサービスやAPIをバックエンド化することが可能。
By Nathanael Boehm
◆ベータ版テストとライブラリ
Tesselなら、プログラムのベータ版のテスティングも可能。追加機能を製品化前にテストしたい場合は、テストユーザーからのフィードバックを得られるようTechnical Machineでは専用のWebサイトが用意されており、ベータ版テスト用のファームウェアモジュール一式も提供してもらえます。また、ライブラリに蓄積されたデータから、マイコンがユーザーにどのように使われているかを調べることも可能です。
By Teague Labs
◆拡張性
加速度センサーなどの各種センサー、microSDカード、RFID、サウンド、Bluetooth、モーター制御、リレー、温度・湿度などのプラグアンドプレイによる拡張性も確保。加えて、Arduinoモジュールも実装されており自作のArduinoシステムを組み立てることも可能です。
次世代マイコンTesselを使えば、身の回りのあらゆる電子機器のアップデートがタイムリーにかつユーザーの手を借りることなく実行可能。自作のDIYによる電子機器工作がますますユーザーフレンドリーになっていき、「こういうのが作りたい」と思ったときに実現する手段がさらに増えていくことが期待できます。
なお、詳細なスペックは以下のようになっています。
・CPU:180mhz ARM Cortex-M3 LPC1830
・メモリ:32MB SDRAM
・ストレージ:32MB Flash
・Wi-Fi接続:TI CC3000 Wifi Radio
・拡張:16-pin GPIO bank for prototyping
・電源供給:Micro USB経由かバッテリー経由
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