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モンスターズ・ユニバーシティのスタッフから聞くピクサーの社内とは?


2013年7月6日に公開された「モンスターズ・ユニバーシティ」は、初週末2日間の興行収入が8億4751万円とかなり好調な滑り出しを見せており、モンスターズ・インクが公開されてから11年が経過していますが、今なお幅広い世代に受け入れられているようです。そんなヒット作を毎回世に送り出し続けるピクサー・アニメーション・スタジオについてモンスターズ・ユニバーシティの製作スタッフにインタビューしたムービーがYouTubeにて公開されています。

On The Verge: inside Pixar Animation Studios with Monsters University - YouTube


モンスターズ・ユニバーシティのゲートをくぐり抜けて、ピクサー・アニメーション・スタジオの内部へと進んで行きます。


モンスターズ・ユニバーシティのキャラクター・アニメーション・ディレクターを務めるJason Deamer氏は、モンスターズ・インクなどでも数々のモブキャラクターのデザインを手がけました。Deamer氏は、今回のモンスターズ・ユニバーシティではモブキャラクターを多く作成し、作品の世界をモンスターだらけにするように心がけたとのこと。


FUNGUS(菌類)やSLUG(ナメクジ)などをモチーフにして書かれたモブキャラクターたちがたくさんならんでいます。


このようなモブキャラクターたちが、モンスターズ・ユニバーシティの世界観を形成するのに一役買っているというわけ。


Deamer氏と一緒にモンスターズ・ユニバーシティのモブキャラクターデザインを手がけたRicky Nierva氏によれば、ピクサーのアニメーション製作において、通常モブキャラクターのデザインは製作工程の中でもかなり後の方に行う作業とのこと。しかしながら、モンスターズ・ユニバーシティでは映画製作のかなり初期の頃にモブキャラクターをデザインし、その後にストーリーを組み立てるという手法を取ったそうです。モブキャラクターを先にデザインすることで、キャラクターがストーリー製作に影響したとのこと。


こちらはピクサーの会長であった故スティーブ・ジョブズ氏を追悼して命名された「The Steave Jobs Building」


「The Steave Jobs Building」内部はこんな感じ。


オフィスには、デザイナーがキャラクターを考案している時に走り描きしたものが飾られています。


ピクサーで働く前にアニメーションの世界ですでに10年間働いていたストーリー・スーパーバイザーのKelsey Mann氏は、「10年間にいろいろな場所を転々としましたが、ピクサーで働き始めてからは移動することがなくなりずっと同じ場所で働いています。ピクサーの労働環境は仕事に集中できるし、アイデアに詰まった時には、新しいアイデアを生み出してくれるような場所なんです」と、語ります。


モンスターズ・ユニバーシティのKori Raeプロデューサーは、ピクサーのチーフ・クリエイティブオフィサーであり、モンスターズ・ユニバーシティのエグゼクティブ・プロデューサーでもあるJohn Lasseter氏の功績を特にたたえています。Raeプロデューサーによると、Lasseter氏は4~5年おきに新しい長編アニメーション映画を作り続け、また、2012年だけでも3本に及ぶ数々の短編アニメーションを作成しているとのこと。これほどまでに多くの作品を短期間に手がけるには、いくつか理由があり、1つは従業員に仕事を多く経験させて、できるだけ長くピクサーにいて欲しいというLasseter氏の思いがあるそうです。従業員がピクサーに長く勤務してくれるため、短期間にいくつもの映画を作成できたり、次々とヒット作を世に送り出す事が可能であるとのこと。


実際に、ピクサーでは従業員が10年や、20年勤務していることも珍しいことではありません。ピクサーでは従業員にいろいろなことに挑戦させるため、違う部署に異動することも少なくないようですが、従業員にとっては楽しみでもあるとのことです。


従業員が働くピクサーのオフィス内にはレゴで作られたトイ・ストーリーのキャラクターたちや……


アカデミー賞受賞の際に贈呈されるオスカー像が飾られています。


2013年から2019年までに6本ものアニメーションを作成予定のピクサーですが、「ピクサーが独自のアニメーションスタイルを確立させてしまっているから、短期間に多数の作品を作ることができるのです」とRae氏は言います。また、同じ従業員が長い間働いていることも、ピクサー作品の品質の一貫性に影響しています。


モンスターズ・ユニバーシティの監督であるDan Scanlon氏よれば、ピクサーの妥協を許さないアニメーションを作成する姿勢も、ピクサーの映画製作の秘訣であり、例えば、「制作途中のアニメーションをストップして初めから作り直すこともある。映画中に何か問題があれば、全員でその問題に取り組み、その問題が解決するまであきらめません。もし、公開日を遅らせるような事態を招いてしまっても、問題点をそのままにするなどの妥協は一切しない」とのことです。


なお、2013年7月6日に公開された「モンスターズ・ユニバーシティ」のオリジナル予告編は以下のムービーから確認できます。

「モンスターズ・ユニバーシティ」オリジナル予告編 - YouTube

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in 動画,   映画, Posted by darkhorse_log

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