OCRなどでのテキスト解析を困難にするフォント「ZXX」
極秘システム「PRISM」を用いてアメリカの情報機関が個人情報を参照していたことが発覚していますが、これらの情報機関にデータ収集されないようにOCRなどでのテキスト解析が困難なフォント「ZXX」、がロードアイランド・デザイン・スクールの卒業生であるSang Munさんにより製作されました。
Making Democracy Legible: A Defiant Typeface — The Gradient — Walker Art Center
http://blogs.walkerart.org/design/2013/06/20/sang-mun-defiant-typeface-nsa-privacy/
Introducing the NSA-Proof Font | Motherboard
http://motherboard.vice.com/blog/introducing-the-nsa-proof-font
Sangさんの製作したフォント「ZXX」は、NSA(国家安全保障局)のような個人情報を傍受している組織の情報収集を妨げるために作られました。ZXXにはSans・Bold・Camo・False・Noise・Xedという6つの異なるフォントがあり、これらを混合して使用することでOCRなどでのテキスト解析を妨害します。
実際にZXXがどのようなフォントなのかは、以下のムービーを見れば分かります。
Sans
Bold
SansとBoldはこんな感じで普通のフォント。
カモフラージュのような柄で文字を覆っている「Camo」
False
このフォントはくっきり見えている大きな文字部分はあくまでも飾りで、そこにくっついている小さな文字が本当に表示させたい文字になるので、法則を知らないとかなり読みづらい感じ。下の画像の場合、「TLYYOVWBTLLP」と書かれているように見えますが、表示させようと意図しているのは「GOBBLEDYGOOK」という文字列。
文字の上にまるでノイズのようにドットが散らされているのが「Noise」フォント。
「Xed」は文字の上にジグザグの線が重なって、読み取りづらくなっています。
実際にZXXを使うとどんな表記になるのか試した結果がこちら。「KEEP」という単語の場合……
個別のフォントがバラバラになって読みづらくなりました。
ちょっとした文章の場合は……
嫌がらせ状態です。
多くのハッカーはこのフォントが暗号化の方法としてはあまり役に立たないものであると指摘していますが、Sangさん自身もそのようなツールとしてこのZXXフォントが長期の間活躍するとは考えておらず、「このZXXフォントは、私たちが今直面している問題を完全に解決してはくれないだろうが、大きな問題提起にはなるでしょう」と書いています。
フォントはZXXのウェブサイトにて公開されており、Dropboxにアップされたファイルを直接ダウンロード可能です。
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