OperaがWebKit+V8エンジンに移行することを発表、18年の歴史に幕
全世界で3億人のユーザーを持ち、独自のHTMLレンダリングエンジン「Presto」を開発し続けていた「Opera」がGoogle ChromeやSafariと同じWebKitに移行することを発表しました。JavaScriptエンジンはV8になるとのことなので、見かけはOpera、中身はGoogle Chromeみたいな感じ(オープンソースのChromiumを使うため)になるようです。
Opera Developer News - 300 million users and move to WebKit
http://my.opera.com/ODIN/blog/300-million-users-and-move-to-webkit
この新生Operaの最初の製品として、モバイル向けのOperaが今月末のバルセロナで開催される「Mobile World Congress」にてデモが披露される予定になっており、デスクトップ版などはそれよりもあとになる、とのこと。
また、今回の変更はあくまでも「フードの下」の変更、要するに黒子に徹している部分の変更に過ぎないため、ユーザー体験・ブラウザとしての機能などにはほとんど変化はなく、むしろGoogle Chromeと同じエンジンを採用することによって、ちゃんと互換性のあるページを普通に見ることができるようになるはずだ、としています。
拡張機能については、既存のものを変換するコンバーターの開発に取り組んでおり、新しいChromiumベースのOperaでも動作するようにする予定だそうです。
なぜOperaがWebkit化するかという理由として、そもそもの開発当初である1995年にはNetscapeとInternetExplorerがウェブ標準を打ち立てようとしており、それに対抗するためにOperaを前進させ続ける必要性があったものの、「HTML5」の登場、そしてWebKitによってそういったもろもろの標準化が一気に進み、WebKitに既に実装されているものをOpera独自に実装するよりも、WebKitを発展させ続ける方がウェブの未来になると判断した、とのこと。例えばタブ機能・スピードダイアル機能・データを圧縮してページの読込速度をアップする手法などは幅広くコピーされ、この18年間の中でOperaによる標準化の仕事を通じて、ウェブは改善し続けてきた、としています。つまり、これからはOperaだけではなくWebKitを増強させることによって、WebKitを採用しているすべてのブラウザがウェブ標準に準拠して強化されていくのを支援していく、というわけです。
なお、今回の発表により、現状の主要HTMLレンダリングエンジンはInternet Explorerの「Trident」、Firefoxの「Gecko」、Safari・Google Chromeの「WebKit」の3つとなり、既に告知ページのコメント欄では「Prestoエンジンはオープンソース化されないのですか?」などの問い合わせも出始めています。
・つづき
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