遠隔地のHDD内のデータを自動同期、クラウドストレージより高速に使用可能な「トランスポーター」とは？

コンパクトかつオシャレな外観のカバーにHDDを内蔵し、電源とインターネットに接続するだけでどこからでも中のデータにアクセス可能にできるというNAS(Network Attached Storage)が「トランスポーター(Transporter)」です。

Transporter | Data Redefined
http://www.filetransporter.com/

この製品の特徴はネットワークに接続され、同期された「トランスポーター」が複数台ある場合はそれぞれにファイルのコピーが保存され同期される点で、一般的なNASのように1つのHDDに全員がアクセスしてデータを読み書きするのではなく、各地にあるそれぞれのHDDにあるデータをローカルファイルのように使用できるという点です。

◆解説ビデオ

製品の詳細を解説したムービーは以下から。

Transporter


開発を行っているオフィスの様子はこんな感じ。

このプロジェクトのリーダーはGeoff Barrall氏。

「トランスポーター」の外観は以下の通り。

彼らはこの製品を「ソーシャルストレージ」と呼んでおり、データファイルの送信やバックアップを世界中のどこからでもインターネットを通じて行える製品であると説明しています。

「クラウドサービスは高い」と率直な批判を行うBarrall氏。いかにも嫌そうな表情です。

500GBのデータを保存するのに年間499ドル(4万円1000円前後)を払わなくてはいけない、というのは高すぎるというのが彼の主張。

さらに、クラウドサービスでは自分のデータを他人(サービス提供事業者)にのぞき見される可能性を完全には否定できないとも指摘。

ところが、「トランスポーター」ならハードウェアを自分で設置するのでプライバシー面の不安が少ないとのこと。

ネットワーク経由でアタックされたり、自宅に泥棒が入ってストレージごと持ち去られる不安までは払拭できませんが、見知らぬ人が管理するサーバーに丸ごとデータをアップロードするよりは安心感がある、というのが彼の意見です。

こんな感じで家の中に置いておけば、インターネット経由でデータにアクセスしたりコピーを送信することが可能。

本体を購入した後は、月額使用料などは一切不要。

データを共有したい場合はメールで招待状を送信。

相手がそれを承認すれば、お互いが離れた場所に居ても同じファイルが使用可能になります。

実際にどんな感じでファイルの共有を行うのか？ というのは以下の別のムービーでデモが見られます。

Transporter Demo - YouTube


外付けのHDDドライブを持ち運ぶ必要はありません。

車のドアにHDDを入れて……

発車したらUSBケーブルがドアの下からプラーンと垂れ下がっている、なんて状況とはオサラバです。

「トランスポーター」ならデータを自動的に複数箇所に設置した端末に送信(バックアップ)してくれるので、物理的なドライブを持ち歩く必要はなくなります。

あたかも1つのHDDをみんなが使用しているような感覚で、離れた場所にいてもデータにアクセスすることが可能です。

ローカルストレージ並の速度で使用するには「トランスポーター」が必要ですが、インターネット経由でもファイルにアクセスすることは可能なので出先からも利用可能。

1度セットアップを済ませれば、後は放っておいてOK。自宅に1つセットして……

オフィスに別のものを用意しておけば、まるでHDDを持ってきたような感覚で素早くデータにアクセスできます。

というわけで、この製品の量産化を目指して、現在資金集め中とのこと。

179ドル(1万4678円前後)を出資すればドライブレスのトランスポーター1つを受け取る権利が得られ、269ドル(2万2058円前後)を出資した人は1TBのHDDを内蔵したモデルを1つもらうことができます。なお、このプロジェクトへの出資は日本時間で2013年1月11日(金)17:00が締切りです。