取材

白銀世界に間欠泉が噴き上がるアメリカのイエローストーン国立公園


温泉にでも行かない限り、「地球が熱い」という事実は太陽から受ける熱のことで忘れてしまいがち。でも、地球は生きていました。

世界初の国立公園として誕生したアメリカのイエローストーン国立公園では、周囲が白銀の世界に変わった中でも沸騰し続ける間欠泉があります。ボゴボゴ、グフグフ。時にはドーンッと心拍数のようなリズム。ダイナミックな地球の活動を直に感じることができました。これから冬となり、雪に閉ざされるイエローストーン国立公園の大部分は閉鎖されます。凍てつく寒さは人を受け付けない自然の厳しさなはずなのに、白銀に染まった世界は美しすぎて人を惹き付けてしまうのは何故なんでしょう?


こんにちは、自転車世界一周の周藤卓也@チャリダーマンです。寒波が来る度に凍えながら、アメリカ大陸を南下をしています。

イエローストーン国立公園はこちら。

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寒いので行くかどうか迷っていたイエローストーン国立公園。遠くから見えた美しい山々に引き寄せられました。そのまま山へ向けて走り出したはいいのですが、すぐに雪が降って立ち往生します。幸運にも山間部にホステルがあって、そこで寒波をやり過ごすことに。ベッドが二つあるドミトリー(相部屋)の小さなロッジに泊まったのですが、時期も時期なので誰も来るはずもなく、一人占めでした。場所も場所で、周りにはこの建物しかありません。手持ちの食料をやり繰りして3泊して走り出しました。暖かくなる……はずでした。

すぐにイエローストーン国立公園内に入ります。


山はうっすらと雪化粧。


「空も明るいし、これならこの先も大丈夫だろう」と、旅の間は自分に都合のいい解釈になりがちです。


ウエストイエローストーンの街で買出し。この辺りは国立公園が入り組んでいて街は国立公園の外になっていました。管理ゲートで入場料を払って改めてイエローストーン国立公園へ入ります。


そうしたら、路面がスケートリンク。


期待した青空は遠く……。寒さに凍えていました。


白銀の世界に自転車。


自転車の轍と足跡。


在る物を全部着込んで冬チャリダーに変身。


寒いので靴に防水カバー。特に手足の末端が冷えこんで大変でした。


間欠泉のエリアに差し掛かると、雪原に湯気と不思議な光景が広がります。近くを歩いてみると、流れてくる湯気からは硫黄の匂い。外は雪で真っ白なのに、間欠泉のエリアだけ温泉の澄み切った青だったり、温泉の熱で生きる藻の緑だったり、色が賑やかでした。(時間の都合で有名なオールド・フェイスフル・ガイザーには行ってません。)

雪原に湯気。


アスファルトが露出しているのは温度差があるのでしょうか。


真っ白な世界しかないですが……


間欠泉がある場所は賑やかです。


綺麗な温泉の色。


泥がブクブク。


こちらは赤茶色でボゴボゴと。


イエローストーン国立公園、赤茶色の温泉 - YouTube


勢いよく噴出しています。


大量の湯気。


大きな間欠泉は荒れ狂っていました。


イエローストーン国立公園、大きな間欠泉 - YouTube


別のエリアでみかけたオオカミ。


温泉から出たお湯が川に流れていってます。


川からも湯気が。


熱があるから生きていける温泉藻。


透き通った青い温泉。


いびつな形の穴から噴き出る温泉。


温泉が地表の形を変えています。


活動中。


エメラルドプール。


温泉が大きく飛び出してきます。


幻想的な光景。


空高く舞い上がる間欠泉の湯気。


イエローストーン国立公園、間欠泉群 - YouTube


間欠泉エリアを抜けて、国立公園を脱出します。氷点下を下回る気温ではアイスバーンは溶けません。そのおかげで、路面が溶けて濡れなくて済むのは助かりました。日中に気温が上がるとアイスバーンは溶けてドロドロになりますので。ただ、登坂しながらカーブに差し掛かると滑ってしまうのは困り物。そうすると、降りて押さないといけません。ダウンヒル中のブレーキも滑りますので気をつけましょう。

今回のルートでの最高地点。寒さのせいでフロントギアの切り替えが聞かず、ミドルギアで上り坂を越えていました。


約2550mの峠。


ルイス湖。


ずっと路面はこんな状態だったのですが、スイスイと自転車が進んでいました。


滝があるのですが、雪景色も水しぶきも真っ白で分かりにくい。


寒くないの?


静かに。


隣接するグランド・ティトン国立公園に入ります。どこかで聞いたことある名前は漫画「」で三歩がレスキュー隊として働いてたところですね。


寒さも緩んでアスファルトが出現。


除雪車が路面を綺麗にしてくれているのです。グランドティトン国立公園に入ってからは寒さも緩んでくれました。


どこかにグランド・ティトンの山があるのですが、この空模様で見えずじまい。


そのままジャクソンの街に入って、極限から脱出しました。


道中の厳しい寒さには参りました。テントの内部も凍ってしまうので、暖かい場所が寝袋の中しかありません。それでも寒いので体を丸めて、手を股にはさんで寝てました。あまりの寒さに何もかもが凍ります。

スポーツドリンクがカキ氷のように。


全部凍った水筒の水は凶器にしかなりません。


バナナの顔色が優れない。


一つ一つはこんなにも可愛い雪の華だというのに、大挙して押し寄せてくるので恐怖でした。


今回のイエローストーン国立公園は通り抜けるので精一杯で5つあるエリアの2つしか回れませんでした。総面積が四国の半分はある大きな国立公園です。もしこれから観光する方がいたらアメリカの大きさを、地球の大きさを体感して下さい。間欠泉も休むことなく活動し続けているでしょうから。

(文・写真:周藤卓也@チャリダーマン
自転車世界一周取材中 http://shuutak.com
)

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in 取材,   動画, Posted by logc_nt

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