食べ物の大きさを変えることで満腹感をもたらすダイエット装置
「満腹感」は現実の摂取量だけでなく見た目や周辺状況から総合的に判断される、ということが近年の研究によって分かってきましたが、それを元に、食べる量を調整するのではなく食べ物の大きさを変えることで視覚から満腹感を得ようというのが拡張満腹感の研究。カメラを通して食べ物を見ることで食べ物の大きさを自由に調整できるヘッドセットが開発されており、Digital Content Epo 2012で実際に使用している様子がYouTubeにアップされています。
Augmented Satiety
http://www.cyber.t.u-tokyo.ac.jp/~narumi/augmentedsatiety.html
Change the size of food and your appetite with AR system from Tokyo U. - DigInfo TV
http://www.diginfo.tv/v/12-0201-r-en.php
実際に装置を使っている様子は以下のムービーから見ることができます。
Change the size of food and your appetite with AR system from Tokyo U. #DigInfo - YouTube
スチャッとヘッドセットを装着しました。
手にはオレオ。
ヘッドセットの中に取り付けてあるカメラを通して見える映像は、隣にあるPC画面上に表示されます。
画面には手のひら大の大きさのオレオが映しだされています。
しかし、手に持っているのは相変わらず通常サイズのオレオ。これはAugmented Reality(現実拡張)システムと呼ばれるもので、人が知覚する現実環境をコンピュータにより拡張する技術。この他に、Googleの開発するメガネ型コンピューターProject Glassもその一つです。
これが通常サイズのオレオ。
段々大きくなっていきます。
反対に小さくすることも可能です。
こちらは研究を行っている東京大学大学院の鳴海拓志さん。近年の心理学等における研究によって、食事をとる量は皿やスプーンなどの食器の大きさや、盛りつけの量といった周辺の状況により間接的かつ無意識的に影響されていることがわかってきています。
鳴海さんら研究チームはこれを踏まえて、同量の食事から得られる満腹感を操作する「拡張満腹感」の実現を目指しているとのこと。
これまでに12名の被験者を用いて厳密な条件のもと実験を行ったところ、食べ物を拡大し1.5倍の大きさに見せると、食べる量が約10%減少するということがわかりました。反対に3分の2の大きさにすると、食べる量が15%ほどアップするそうです。
現在はブルーバックの背景を用いて行われていますが、今後、画像処理の技術を改良して一般家庭でも使えるようにする予定。
将来的には「食べるのを控えた方がいい」食べ物については大きく、反対に「もっと食べた方がいい」食べ物については小さくする、ということをコンピューターが自動的に行い、健康的な食生活を維持できるようにしたいとのことです。
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