取材

ルンバのiRobot社が作ったネット経由で診察ができる医療用ロボ「RP-VITA」フォトレポート


患者と医者が世界中どこに居てもインターネット経由で離れた場所から診察できる、そんなSF映画に出てきそうな医療用ロボットが「RP-VITA」です。この製品を開発したのは家庭用ロボット掃除機「ルンバ」を製造しているiRobot社で、2012年9月11日に行われた発表では、実際に診察のデモが行えるレベルの完成度に到達した実機が登場したので、その姿を隅々まで撮影してきました。

「RP-VITA(左)」と並んで歩くコリン・アングルCEO。


目測ではロボットの身長は170センチ前後と見られます。


以下のスライドの右下にある画像が「RP-VITA」がセンサーで補足している周囲の様子です。このように人がしゃがんでいることを認識できるので、人間の目線の高さに誰も居ないからといって足下にいる人や障害物に激突することはありません。


また、配備された建物の地図をインストールして置けば「3号室のスミス患者の所へ行け」と指示をするだけで自走させることが可能。


基本的なフォルムは円柱形ですが、人間の頭部にあたる高さにディスプレイがあったり、少しなで肩のフォルムであったりと威圧感を与えない姿になっています。


プレゼンテーション中のデモではアメリカのカリフォルニア州サンタバーバラにある同社の実験施設に居る患者役の人形と医者役のアングルCEOをロボットが仲介して診察をする様子が披露されました。

医者が使用する端末はiPadで、画面は写真左のようになっています。なお、このiPadとロボット、病院内の施設はすべてインターネット経由で接続されています。


患者の名前をタップするとその人の所まで障害物を避けながらロボットが向かいます。


ベッドに横たわるダミー人形の前に到着。


心電図なども画面上でチェック可能。


頭部をスキャンしたデータ。


ズームして行けばまつげの数が数えられるほど精細な映像を医者が見られます。


近くで見るとこんな感じの姿。


InTouch Health社との共同開発とのこと。


頭部にあるカメラはこんな感じ。


ロボットの「頭」にあたるディスプレイを側面から見るとこうなっています。


下段のセンサー。


タイヤかキャタピラで走行しているようですが、底面は見せてもらうことができませんでした。


操作を行うためのディスプレイは以下の通り。


背面。


側面。


デモを見る限りでは映像のコマ落ちや音声の遅れはあまりなく、カメラの解像度が高かったので遠隔地から患者の傷の状態や表情を判別することができそうです。というわけで、病院側の環境さえ整えば簡単な診察などにはすぐにでも導入できそうなレベルになっており、テレプレゼンスを利用した医療活動が普及する日もそう遠くないのかも、という印象を受けました。なお、このロボットの価格や発売時期は未定です。

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in 取材,   ハードウェア, Posted by darkhorse_log

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