取材

気晴らしとしてのゲームは人間にどのような影響を与えるか?


テレビゲームやソーシャルゲームは人間に良い影響を与えるという研究結果や、オンラインRPGは夫婦の結婚生活に悪影響を与えるという研究結果など、ゲームが人間に与える影響についてはさまざまな研究がありますが、CEDEC2012では「気晴らしとしてのゲームが感情と生理活動に与える影響」ということで、東京大学大学院学際情報学府修士課程の木村知宏さんがゲームは人間にどのような変化をもたらすのかについて講演しています。

タイトル | CEDEC 2012 | Computer Entertaintment Developers Conference
http://cedec.cesa.or.jp/2012/program/AC/C12_P0087.html

木村知宏(以下木村):
みなさん、こんにちは。東京大学の木村と申します。今日はよろしくお願いします。というわけで「気晴らしとしてのゲームが感情と生理活動に与える影響:ゲーム研究最前線 Todai Baba Game Lab」ということですが、まず自己紹介をさせて頂くと、私は東京大学の文学部で人類社会学を卒業して、去年より修士課程で在学しております。学部では心理学を専攻していまして、現在では心理学のツールを用いて、ゲームが心身に与える影響についての研究を進めております。


さて私の問題意識は「ゲームは私たちをどのように変化させるのか」ということです。当然ゲームと言えば背景にはそのユーザーがいるわけでして、ゲームはインタラクティブなメディアといわれるように、この二者間の関係が非常に重要になってくるわけですが、ここに、どのようにアプローチするのか、というのが一番の点であります。私が用いている指標は生理指標と心理指標の大きく2つにわかれます。生理指標と言ってもいろいろあるんですね。心拍とか、コルチゾールと、ここに書いたアミラーゼ、もしくはドーパミンとか。今回はアミラーゼに限ってお話したいと思いますけれども。もう一つ心理指標は心理学でよく使われる質問紙、アンケートのようなものなんですけれども、その二者を使った実験について、今日はお話したいと思います。

ここにHPA、SAMって出てきましたが。ちょっと専門的な話に入らせてもらいます。


あまり難しいお話はしないようにしたいと思いますけども。HPA系とSAM系っていうのは、専門的にはストレスの生理的反応経路で、大きく2つに分かれています。去年私の発表を聞かれた方が中にはいるかもしれません。インタラクティブセッションの方で発表をしたんですけども、その時にHPAの話をしたんですね。コルチゾールとゲームの関係を明かしました。今回はSAM系のお話をしたいということです。一応説明しますと、HPA系というのは視床下部に刺激が入ってから、最終的には副腎皮質の分泌物であるコルチゾールに至る、血液の介する回路なんですね。なので、ちょっと時間はかかる。それに対してSAM系になりますと、同じく視床下部から始まって副腎随質を用いた経路ですね。この間に何があるかというと、交感神経や副交感神経……いわゆる自律神経と呼ばれるものです。こちらは電気信号回路と言った方がいいのかもしれません。なので、反応が少し早いです。交感神経がよく働く時には唾液中にα-アミラーゼが分泌されると言われています。α-アミラーゼと言いますが、アルファは取ってもいいかもしれませんね。普通に唾液中アミラーゼで記憶しておいて下さい。


じゃあ、唾液中アミラーゼって一体なんですか?って話なんですが、簡単に申し上げるとストレスの生理指標であるものです。もう一つ、分泌が増加した時にはストレスを感じている。分泌減少でリラックスしているってことです。非常に簡単に説明しましたけれども、このように記憶して頂ければあとの話が分かりやすくなっております。


今、生理指標のお話をしましたけれども、次に感情経験、心理指標の話ですね。私の実験で用いているのはこちらです。この質問紙を見て、ただの紙じゃないか、と思われるかもしれないのですが、これがよく考えて作られていてですね。心理学では主観的感情を測定するための質問紙、正式名称は情動・覚醒質問紙というんですけど、織田先生と高野先生あたりが使っている資料です。他にも一般的に感情を測るための質問紙っていうのもあるんですけれども、私はこちらを用いています。

どんな質問紙か、と言いますと。短期的心理状態と長期的心理状態の両方を測る事ができます。


こちらに、「落ち着かない」から「エネルギッシュな」までの33項目がありまして、これは何を示しているかと言うと、恐怖であったり快であったり悲しみであったり、最後にエネルギー覚醒だの緊張覚醒だのという、こういう9つの感情の尺を表している形容詞や形容動詞ですね。「これだけで感情を測るのですか?」と思われるかもしれないのですが。一つここで大切なことを赤字で示しました。「信頼性と妥当性」とあります。信頼性って何かっていうと、心理学では、「何度測っても同じ結果が得られるかどうか」なんです。なので、これは適当に選んだものじゃなくてですね、同じ状況で何度測っても同じ点数が出るように配慮されているんです。妥当性って言うのは「測りたいものを測れるか」ということで、この2つが確認されているものを使用しなければ、科学的に心を測っているとは言えないんですね。ですから、ただのアンケートとはちょっと違っていて、私はこれを使っています。例えばこの中で「快」あるいは「喜び」を得点化するにはここから出てきた「楽しい」「さわやかな」「快い」「満ち足りた」という項目で得られた得点を12で割ってかける100をすれば得点が出る。


そうやって感情を量化できるんですね。ここに感情と感情経験って書いていますけども、感情と感情経験はちょっと違います。感情経験は主観的な感情という意味です。ですから、今、自分が「楽しい」自分が「楽しい」と思っているのが感情経験で、感情っていうのは生理活動まで大きく含めてもいいかもしれません。

じゃあ、次に行きます。実際に実験の中身にまで入っていくと、ゲームプレイの前後における唾液中アミラーゼと感情経験の測定を目的とした実験を行いました。手続きは非常に簡単に書きましたが、練習とゲームプレイの前後に2回、唾液アミラーゼ測定と質問紙の記入を実験参加者さんに行って頂きます。


ちょっと話は脇道に逸れますけれども、ここでゲームとユーザーのどちらに着目すべきか、という問題が生じて来るんですね。


先ほどのスライドをそのまま載せますけれども、感情と生理活動に大きな違いを及ぼすのはゲームの違いなのか、それともユーザーの差なのか、ということです。どちらに着目してもいいと思います。どっちも大切なんですね。ただ今日ご紹介したいのは、ユーザーの違いに着目したものです。なので、この実験では「SOULCALIBUR V」という対戦格闘を対人戦でプレイしてもらいます。


これは平均値では無く、個人のデータなんですけど、2名ペアで一組ずつ対戦してもらって、その時の唾液アミラーゼ活性値の変化をみました。で、ここで皆さんに考えて頂きたいのですが、左のグラフが対戦格闘経験があるのか、ないのか。一応ですね、対戦で勝ったか負けたか、ということで、2×2、4つの数値の変化を示していますが、どれがどれだか予想がつきますでしょうか。「負けたらストレスがたまるので、ゲーム後に数値が上昇するのではないのか」、というのがもっともらしい考え方ですよね。じゃあ、解答いきます。こうです。


よく見て頂くと、格闘ゲーム経験なし、が上の2本の線です。どちらも上昇していますよね。経験あり、対戦格闘ゲームに慣れている、やったことがある、かなりやっているっていう人たちは下の2本です。リラックスしていますよね。で、2者間の数値もかなり差があります。これは面白いな、と思いました。個人のデータなので一般化は難しいかもしれないんですけども、こういう傾向は他の人たちにも見られていまして、結構面白い結果が出たなあと思います。現在鋭意実験中なのですが。

一方、その人たちは何を考えたか、ということも質問紙で聞くんですね。そうするとどうなるかというと、前のやつと比べて頂きたいんですけど、傾向は同じなんですね。経験アリの方は赤と水色、こちらは「楽しかった」と、ゲーム後に上昇しています。それに対して格闘ゲーム経験が無かった人たちは横ばいか下がる。


この横ばいっていうのは、ちょっとだけしか下がっていない、という意味です。つまり、格闘ゲームを楽しめるのは格闘ゲームにある程度慣れている人、ということになります。格闘ゲームに慣れていればリラックスして楽しめる。それはそうですけどね。そういうことが生理指標と心理指標からもわかるわけです。また、先ほどご紹介した9つの感情を測る事ができるという質問紙を使いました。ここで、「他の感情はどうだったのか」という当然の疑問が生まれる事と思います。緊張覚醒とかエネルギー覚醒というものは、格闘ゲームをやればみんな上昇します。これは誰を測っても大体同じ結果です。他に、去年の発表でもやったんですけど、この覚醒感というのは、おそらくアクションゲーム、反応を求められるゲームはみんな上昇するんではないのか、と私は考えております。そうでないゲームは上昇しないけれど、反応速度を求められるゲームっていうのは覚醒感が上昇する。これは統計的有意差も出ていますね。で、今ユーザーの違いに着目しましたけれど、ゲームの違いにはどの程度影響するのか、ということです。現在進行中の実験では学生13名のデータを出しているんですが。どんなゲームを用いたかと言うと、「SOULCALIBUR Broken Destiny」、もう一つが「モンハン日記 ぽかぽかアイルー村」を選択しました。


この2者の違いは、プレイされた方はよくわかると思うんですけど、モンハン日記 ぽかぽかアイルー村というのは非常にのんびりとした感じです。去年コルチゾールに関して同じゲームを使ったデータを示したのですが、ぽかぽかアイルー村はのんびりとしたゲームで、一方ソウルキャリバーは反応速度を求められるゲームです。3つの条件がここに書いてあります。これは一応、ゲーム条件の違いも見ようかと思いまして。まず、格闘ゲームのスキルを覚えるモードというのがあるんですね、これが「スキル学習群」というものです。で、もう一つはただ対戦してもらうモード「対戦群」をやってもらいます。で、ぽかぽかアイルー村の場合はモードが一つしかないので、一つ、「統制群」。この三条件を比較したデータを今からお見せします。手続きは下に書きました。Pre2とPost1ってところの間がゲームです。なので、4箇所でアミラーゼを測っているんですけど、まず実験室に入ってもらってから、そしてちょっと休憩してもらってから測って、あとゲームをしてもらった後にもう一度測って、最後に休憩してもらった後に測って、終わり、と4箇所取るんです。あと、休憩時に「ただぼーっとしていて下さい」っていうのでは、それだけでストレスがたまるかもしれません。でもメールや他の作業をしてもらっていると、メールで嫌な内容とかが返ってきてしまった時に感情が動いてしまうので、何か同じ事をしてもらわなければならない。前の実験では雑誌を見ていてもらったんですけど、雑誌に悲しい記事があったりすると、また感情が動いちゃいますので、この実験ではセラピーDVDを見てもらいました。自然の映像が流れるものです。それで、どのくらい変わるか、ということを見てみたのですが、あまり変わりませんね。


これは平均値化したものなので、かなり信頼性が高くなっている、信用できるデータなんですが。このグラフを見る時に気をつけてもらいたいのが、青い線と緑の線と赤い線に結構、幅があるじゃないですか。これはあまり気にしないで頂きたいんですね。アミラーゼっていうのは高めの人と低めの人がいるんです。なので、たまたま高めの人がスキル学習条件の所に入っていたということで、群間の差はあまり見なくていいです。大切なのはどう変化したか、ということ。特に気をつけて頂きたいのが、Pre2とPost1でどう変わったか、ということです。あんまり変化はしてません。おそらくゲームの違いは、そんなに重要では無いのかもしれない、というのを最近ひしひしと感じていて、やっぱりユーザーの違いっていうのが非常に大きいのではないか、と思います。現在、いろいろと条件分けをして調べているところなんですけど。

この結論は去年申し上げたんですが、他の生理指標との比較ということで、一応去年のデータも持ってきたんですね。


コルチゾールを測ったのは左側、これもさっきと同じPre2とPost1の間を見て下さい。


あまり変わらないんですね。統計的有意差も実は出なかったので、それほど信用できるデータとは限らないんですけど、少なくともここでは30名連れてきたのですが、30名に関してはあまり変化しなかったということです。もしかしたら変化するかもしれないんですけど、変化しない可能性の方が高い気がします。右側は心拍ですね。


格闘ゲームをするとどきどきするんじゃないの?って思われるかもしれませんが、あまり変化はしていません。

ちなみに、これはゲーム経験の差でいろいろになるんじゃないか、っていうことなんですけど、一応初心者、初めてプレイする方にのみ参加して頂いています。なので全員初心者です。参加者を初心者にすることでコントロールしていって、ユーザーの違いではなくゲームの違いというものを純粋に見ることができていると思います。このデータに関してはCEDEC2011で一度発表しておりますので、そちらの方をご参照頂ければ、と思います。


話は大体こんなものなんですが、私が最後に目指しているところなんですけれども、ゲーム心理学というものを作りたいと思ってます。ゲームが私たちにどのような影響を与えるか、どう変化させるか。そしてゲームとはどういう遊びなのか、ということを常に考えております。どちらかというと、基礎的な内容の研究ですね。先ほどの「リハビリ用シリアスゲーム開発・運用・そしてビジネスへ -『樹立の森 リハビリウム1・2』制作、2年間の軌跡-」っていうものに関しましては、かなり効用的で、非常に素晴らしい研究だなあ、と思いながら話を聞かせてもらっていたんですけども。私の場合はどちらかと言うと基礎的なものになります。なので、どう応用できるかということをこれから考えていかねばいけません。これをどう利用できるかっていうのは今後の検討課題で、皆さんと一緒に考えていきたいと思います。

内容は以上です。ご静聴ありがとうございました。資料の方を先ほど配布させていただいたのですが、これほどの人数が来られるとは思わなくてですね、50部ほどしか刷ってこなかったので、手渡らなかった方には申し訳ないのですが……。後で資料の方はインターネット上で手に入ると思いますので、そちらを参考にして頂ければと思います。では、ご質問がございましたら是非聞いて頂きたいのですが。

質問者A:
質問よろしいでしょうか。大変面白いご講演ありがとうございました。今回は「気晴らしとしてのゲーム」というお話についてでしたが、例えば現在ではソーシャルゲーム、しっかり家に帰って家庭で遊ぶっていうゲームよりも、通勤時間内であったりだとか、そういった中でゲームを遊ばれている方って結構多いと思うんですけど、そちらに関するような考察というのも今後行っていくのでしょうか。

木村:
今後そういうものも測っていかなきゃいけない、と思っています。特に「気晴らし」と一言で言えばソーシャルゲームというものを思いつかれる方も多いでしょうし、私も思いつくものですので、今後の研究課題ではあります。このアミラーゼに関してはコルチゾールに比べると非常に測りやすいので、実験参加者様に来てもらえればすぐ測れます。今、いい機械がありますので。私もそれを利用しております。電車の中での気晴らしっていうのであれば、電車に乗る前に測ってもらって、あと電車を降りてもらったあとにもう一度測ってもらうことになります。ただ電車の中っていうことになれば、その電車がどういうものであったか、ということを統制しなければいけないので、実験としてはコントロールが難しいんですけども。余計なデータが入ってきてしまって。その場合、純粋に実験室でソーシャルゲームをやってもらえばいいじゃないか、という話になりますが、それも可能だと思います。


質問B:
お話ありがとうございました。ユーザーの違いの方がゲームの違いよりも大きいというお話だったのですが、ぽかぽかアイルー村に関してもユーザーの違いというのは出ましたでしょうか。つまり、生活シミュレーション系のゲームに遊び慣れているユーザーの方がやはり、リラックスするといった結果になったのか、ということをお聞きしたいんですけども……。

木村:
そうですね、ゲーム経験をいかに、どのように聞き取りするかっていうのは非常に難しい問題でして、一応最後に、内省報告というか、「どんなゲームをやってきましたか」とかっていうような簡単なアンケートをするんです。今回、ぽかぽかアイルー村をやったことがない人たちだけを選ぶことはできたんですが、その人たちがこれまでのんびり生活系の他のゲームをどれくらいやってきたか、っていうのは正確には測れていません。なので、ちょっとそこは明確にお答えすることが難しいんですが。私の推測になってしまうんですけど、おそらく差はそんなにないのかな、と。のんびり生活系をたくさんやってきた人と、そうでない人でリラックス度がどれくらい変わるかって言えば、そんなに変わらないのではないか、と思います。ただ、それも時間があれば手間を掛けて実験してみたいな、という内容ですね。

質問B:
楽しみにしています。ありがとうございました。

質問C:
なかなか興味深い話をありがとうございました。一つ見解を伺いたいな、と思ったのが、ゲームの違いごとにどの程度のアミラーゼの活性化が変化していくか、っていうことがスライドの最後から三番目あたりにあったと思うんですけども、個人的に気になったのが、Post1からPost2の間で、緑い色の線だけがポンとストレスが上がっているように見えるんです。他は下がっているのに、そこには何かがある、とお考えがあるんでしょうか。それともそれは誤差の範囲なんでしょうか。


木村:
非常に鋭いご指摘です。「こういうことが起きているのは、何でなのかなあ」ということを私も考えました。もうちょっと人数を増やしてみて、完全に統計的有意差が出るかどうかっていうことで、また話が変わってくるんですけど。もしこの緑の線のPost1からPost2までの上昇値が統計的有意差が出るとしたら、ぽかぽかアイルー村をやって、その後DVDを見てストレスがたまっているということになります。これはちょっと驚きですよね。格ゲーをやった後にDVDを見るとリラックスしているのに、ぽかぽかアイルー村やった後はストレスがちょっとたまっているということです。これは何を意味するかというと、やはり考察すべきことだと思うんですね。「ゲームが面白くなかったから」とか、もっと面白いゲームをやれると思って実験室に来たのに、DVDを見て「あ、もうこれで実験終わりなのか」っていう感情が出てるのかもしれません。明確にはお答えできない箇所ではありますけれど、ここで有意差が出たら面白いので、そういう考察ができると思いますけれど。こんな感じでいいでしょうか。


質問C:
ありがとうございました。

質問D:
この実験は学生の方に対してやったっていうお話ですけど、年齢とかって別々だったりするんですか。

木村:
はい。この実験に関しては学生に統制していますけど、年齢は変わりません。なので、30代、40代の人を連れて来て行った実験ではないので、広く全ての世界に一般化できる、ということはないと思います。ということで、この実験に関しては学生のみのデータになります。ただ、私が今行っている実験では学生以外の人たちにもアプローチしようという計画がありますので、今後は学生以外の人たちのデータも集まってくると思います。

質問E:
興味深い研究をありがとうございました。ここにはデータがないのですが、例えば練習をさせた場合とさせないで突然ゲームをやらせた場合との比較データというのは取られたことがございますか。

木村:
正直に申し上げますと、ないです。その差っていうのはかなり大きいとは思いますが。練習をさせないで格闘ゲームをさせると、ものすごいストレスがたまるかもしれないですね。なので、ちょっと確認はしてみたいと思います。ただ、練習をしないでとか、操作を覚えないで、とかいう状況が、現実には基本的にないと思うので。皆さん、○ボタンを押すと攻撃、×ボタンを押すと防御、っていうのを覚えてから普通はゲームを始めると思いますので、調べる価値はあると思いますが、基本的には練習、「操作はこんな感じだよ」っていうのを覚えて頂いてからゲームをお願いしています。私以外にも実験されている方はいっぱいいらっしゃいますけど、基本的にみなさんも練習させていますね。ということなので、それもまた同じような解答になるのですが、今後の研究課題としては面白いかな、ということです。


質問F:
そもそも、「このゲームをやって下さい」って言われた時の、被験者のモチベーションというか、期待値っていうのは捉えてられているのでしょうか。要は、モチベーション……「え、このゲームやるの?」という方と「このゲームやってみたかったんだよね」っていう人とで変化すると思うのですが、そこのところはどうなんでしょうか。

木村:
多分、そこは測っておかなければならないところかもしれないのですが……。実験室に来て頂いている皆さんの反応を見ますと、基本的には「なんだ、このゲームか」という風には言わなくて、最後に一つ感想を聞くんですけど、それぞれ「楽しかった」と言われるんですね。まあ、学生だからかもしれないんですけども、学生の方っていうのは心理学の実験を経験されている方が多くて、単純な刺激を10分くらい見せさせられる実験をされる方が多いんですけども、ゲームの実験っていうのは珍しがって来て頂けるので、皆さん「楽しかった」とは言ってくれますね。なので、どのゲームでもそんなに差はないかな、と思っています。ただ、このゲームで良かったですか?ということを段階的に質問用紙で聞いてみると面白いかな、とは思いますね。鋭いご指摘でした。


それでは時間も押してきているので、以上でよろしいでしょうか。ご静聴ありがとうございました。

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