月額1GBあたり1円以下で上限無制限に利用可能なオンラインストレージ「Amazon Glacier」
By Bank of England
オンラインストレージというと基本料金で使える容量は決まっていて、それ以上の容量については追加不可能か、追加料金が必要になるというサービスが多い中、Amazonが1GBあたりの料金が月額0.01ドル(約0.8円)で、データ量自体は無制限に利用可能なストレージ「Amazon Glacier」をリリースしました。
Amazon Glacier
http://aws.amazon.com/jp/glacier/
【AWS発表】 Glacier – 1GBあたり月額約1円で利用可能なアーカイブストレージが登場 - Amazon Web Services ブログ
手元にファイルを保管しておこうと思うとHDDやSSD、Blu-rayやDVDといった記憶媒体を保存したい容量分だけ用意しておき、足りなくなったら買ってこなければいけませんが、Amazon Glacierは利用に当たって事前の支払は不要。完全従量制で、料金は1GBあたり1ヶ月0.01ドル(約0.8円)で、継続的にかかる運用費用などはすべて料金に含まれています。なお、料金はリージョンによって微妙に異なり、アジアパシフィック(東京)リージョンだと1GBあたり0.012ドル(約0.95円)です。
データ転送は全てSSLで行われ、転送されたデータはAES256で暗号化されます。アップロードされたデータは多数のファイルをまとめて1つにしてアーカイブ保管されるほか、1つでもアーカイブ可能。それぞれのアーカイブは取り出し(ダウンロード)する時にはジョブを作成する必要があり、3時間30分から4時間30分かかるとのこと。
アーカイブの平均年間耐久性は99.999999999%になるように設計されており、アップされたデータは冗長化されて複数施設に保管され、それぞれの施設内では複数のデバイスに保管されています。アップロード時にはデータが複数の施設に格納されてから「アップロード完了」になるようになっていて、また、データ完全性チェックが定期的に実施され、ファイルの破損があっても自己修復が自動的に行われるようになっています。
1つのアーカイブは最大で40TBまで保存可能ですが、ストレージとしての容量については「保管できるデータ量の上限はありません」とのことで、ペタバイト単位であってもOK。データ量の増減に応じてストレージは自動的に拡大・縮小します。さらに規制やスループット、地理的冗長性などの状況に応じて東京、バージニア、オレゴンなど別々のリージョンにデータを保管するかを選択することもできます。
いずれのリージョンであっても、アップロード時には転送料金はかかりません。
ダウンロード時の転送料金はリージョンによって少し異なりますが、アジアパシフィック(東京)の場合、月に1GBまでは無料。そこから10TBまでは1GBあたり0.201ドル(約16円)、10TB~40TBは少し安くなって1GBあたり0.158ドル(約12.5円)、40TB~100TBは1GBあたり0.137ドル(約10.9円)、100TB~350TBは1GBあたり0.127ドル(約10円)、それ以上の転送については「お問い合わせ」とのこと。
たとえば写真を大量に撮るような人の場合、手元には撮影した写真データのうちJPEG画像を置いておいて、RAW画像はこのGlacierにアップしておき、必要なときにJPEGでチェックして「コレ!」という画像だけRAWをダウンロードしてくる、という使い方も可能です。
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