メモ

Amazonでの販売テクニック指南本をAppleがiBookStoreで取り扱い拒否

By Trace Meek

アメリカの作家Holly Lisleさんは「How To Think Sideways」という作家やフリーライター向けの講座を開いています。その第6弾は「いかにして自分の文章を扱ってくれるマーケットを見つけるか」という、例えばAmazonでいかにうまく本を売るかといった内容のもので、テキストはKindle向けのものがAmazonで買えたりするのですが、Appleが取り扱いを拒否したため、Lisleさんが自分の著作をiBook Storeから取り下げる事態になっています。

Apple Made Its Decision. My Turn. | Holly Lisle: Official Author Homepage



これは、Lisleさんが公式サイトで明らかにしたもの。

Lisleさんは「The Secret Texts」シリーズや「Fire in the Mist」などの著作があるアメリカの作家で、作家向けの指南書も書いています。


他の作家たちから「どうしてそんないろいろなジャンルのものを書いて、自分自身の名前で多言語展開しているのか?」と質問を受けたことをきっかけに、それまで17年間にわたってフルタイムの作家として、運ではなく実力で家族を扶養してきた自分がどういう答えを持ってやっているのかということを教えることを決意、2008年に120人の講座を開設しました。この講座にはジャーナリストや編集者、すでにデビュー済みの小説家や映画脚本家、プログラマから会計士、医者、専業主婦などが集まり、半年かけてLisleさんがいかに作家業をやってきたのかを講義しました。

その講義が「How to Think Sideways」で、テキストは講義代を含んでおり、12ヶ月版は455.40ドル(約3万6000円)、6ヶ月版は407.70ドル(約3万2000円)で販売されています。さらに、テキストだけ欲しいという人のために、AmazonではKindle版が4.99ドル(約400円)で販売されています。

How To Think Sideways Lesson 1: How to Break the Four Thinking Barriers to Your Writing Success (How To Think Sideways: Career Survival School for Writers): Holly Lisle: Amazon.com: Kindle Store



問題となっているのは、その第6弾である「How to Discover (or Create) Your Story's Market」。書いた本や文章の市場をどうやって見つけるか、あるいは作っていくかについて触れたテキストです。

How to Think Sideways Lesson 6: How to Discover (or Create) Your Story's Market (How To Think Sideways: Career Survival School for Writers): Holly Lisle: Amazon.com: Kindle Store



この本の中で、LisleさんはAmazonでの使える便利なソフトウェアの紹介や、書いた本の代替ジャンルを探す方法などを紹介しました。実際にLisleさんが「Talyn」や「Midnight Rain」のときに使ったテクニックもあるそうです。

しかし、この書籍はAppleのiBook Storeで取り扱いが拒否されることになりました。最初はiBook Storeの競合相手であるAmazonへのリンクがあるからかとも思い訂正したものの、再度の申請に対するAppleからの返答は「内容に問題があります。Amazonについて言及することはできません」というものでした。これは、自費出版している人にとって収入の90%を支えてくれている場において、Amazonについて言及することができないということを示しています。

「これがプロ市場でのプロの振る舞いか」とLisleさんは激怒し、iBookStoreにあった自分の書籍をすべて取り下げました。しかし、Lisleさんが自分で出版した本については取り扱いは停止したものの、Lisleさんが書いて出版社から出した本はいまも残っている状態です。

Lisleさんは「作家たちに販売代理店としてAppleを勧めることはもはやできない」と憤りをあらわにしています。もともと、競合サイトだからといってAmazonへのリンクを消すこと自体、Lisleさんにとっては承服しかねるものでしたが、講義に出られないがテキストは読みたいという人のためにもテキストを手に入れる手段を残しておきたいという考えから、ギリギリの折衷案としてリンクの削除はしました。しかし、それに加えて実際の講義内容すら削るというのは承諾できかねる、もはや検閲ではないか、というのがLisleさんの主張です。

いま、Lisleさんが自費出版者向けにオススメできる基準を満たした代理店はAmazonとBarnes&Noble.comの2つ。XinXii.comでは販売実績がないのでコメントできないものの、「ペイオンデマンド」という、販売閾値を越えると支払が行われる興味深いシステムがあるため、テストしてみるとのこと。

この記事のタイトルとURLをコピーする

・関連記事
レイプや近親相姦モノの書籍全削除をPaypalが電子書籍販売業者に要求 - GIGAZINE

Amazon.co.jpが電子書籍リーダーKindleの日本での近日発売を発表 - GIGAZINE

ユーザーが説明文をあまり読んでいないことが分かるヒートマップとその対策 - GIGAZINE

スタートアップ企業のためのメディア・ジャーナリスト対策14か条 - GIGAZINE

in メモ,   ネットサービス, Posted by logc_nt

You can read the machine translated English article here.