冷却効率・汚れ・騒音の3つの問題を一気に解決可能な次世代型ヒートシンク「Sandia Cooler」
アメリカのサンディア国立研究所がこれまでのヒートシンクの常識を覆す次世代型のヒートシンク「Sandia Cooler」を開発しました。新技術の開発によって実現したというわけではなく、なぜ今まで思いつかなかったのかというようなコロンブスの卵的発想で生み出されています。
Sandia National Laboratories : Licensing/Technology Transfer The Sandia Cooler
実際に動作しているムービーを見るとどんなシロモノなのかが一発で分かります。
Overview of the Sandia Cooler - YouTube
従来のCPU冷却はヒートシンクとファンで行われていて、どうしても騒音が避けられませんでした。また、PC内部がごちゃごちゃしてしまうことで、汚れも溜まりやすく、定期的な清掃をしないと本来の性能が発揮されないことも。
それを解決するために考えられたのがコレ、「Sandia Cooler」。
使用時はこのようにギュンギュン回転します。
左上が停止中の姿。ヒートシンク自体が回転することで、ファンなしでも適度な冷却性能を得られるというわけです。
従来タイプのヒートシンクを手にしているのは研究所のJeff Koplowさん。
「回転しているんだからヒートシンクではなくファンなのではないか?」と思ってしまいますが、裏側はこんな感じで間違いなくヒートシンク。
あくまで風を起こしてCPUを冷やしているわけではなく、ベースを通して伝わってくる熱を、上方から空気を集めて冷やしたフィンで周囲に排熱しているという仕組み。フィン上部は25度ぐらいで、ベース部分は40度ぐらいになります。
フィン部分の設計はこんな感じ。これに基づいたフィンの配置によって空冷効率を高めています。
Sandia Coolerを使用するのであれば、冷却関連に使用していたパーツの大きさをこれまでの1/10にすることができるとのこと。これがただ見せかけだけのイロモノだと困るわけですが、研究所によると、コスト面、耐久性、複雑さ(手入れの手間)など、実用的な観点から見ても問題なく使えるものになっているとのことです。
・関連記事
50センチ先にあるiPhoneを風圧で倒せる「マキタブロワ」でPCを掃除してみた - GIGAZINE
Intelの新CPU「Ivy Bridge」が高熱になる「ダブルグリスバーガー症候群」状態 - GIGAZINE
インテル公認でCPUを使ったギークな「インテル入ってる」アートを制作 - GIGAZINE
数百個のCPUを敷き詰めた、オシャレな机が出来上がるまで - GIGAZINE
・関連コンテンツ