インターネット使用禁止の条件でMegaupload創設者が保釈へ
by Andreas Bohnenstengel
1月に逮捕されたMegauploadの創設者、キム・ドットコムが保釈されました。1度目の保釈願いは逃亡の恐れがあるとして却下されましたが、今回の保釈では、国外逃亡できないように資金には手をつけないこと、そしてインターネットには接続しないことという条件で認められました。
Megaupload CEO Kim Dotcom Granted Bail in New Zealand, But Banned From Net | Threat Level | Wired.com
オンラインストレージサービス「Megaupload」の創設者だったキム・ドットコム(キム・シュミッツ)が逮捕されたのは1月下旬のこと。Megauploadは他にもMegavideoなど関連サイトを多数抱えており、Mega帝国と呼ばれるほどのシェアを誇った最大のファイル共有サービスでした。
今回の保釈条件の1つとして、ドットコムはオークランド近くのコーツヴィルへの常駐を命じられました。80km(50マイル)以上の移動は許されず、ヘリコプターの利用も認められません。これは、ヘリコプターで移動してプライベートジェットに乗り込み国外逃亡する恐れがあるためです。
アメリカ政府側の弁護人は、ドットコムが金融資源に手をつけどこかへ高飛びする恐れがあるとして保釈申請自体に反対していましたが、ノースショア地方裁判所のドーソン判事はドットコムが他に資産を隠しているとはいえず、彼が裕福だからという理由だけで疑うことはできないとして保釈を認めました。また、ドットコムはフィンランドとドイツのパスポートを所有していますが、いずれもアメリカと協定を結んでいて、もしドットコムが入国したらすぐに引き渡されることになるので、逃げることはないだろうとも指摘しています。
保釈条件の2つ目は、インターネットへの接続禁止。これはアメリカ政府弁護人が求めていたもので、ドーソン判事も「ドットコムにはインターネットを不適当な目的で使用するだけの能力があるので、使うべきではない」と認めました。一方、ドットコムの弁護人は、アメリカに居る弁護団と連絡を取るために必要だと反発しています。
ドットコムと同じく逮捕された4人の仲間たちはすでに保釈され、アメリカへ引き渡されるかどうかの審議が行われています。ドットコムについても、サーバーのあったヴァージニア州で裁くためアメリカ政府が引き渡しを求めています。
被害総額は5億ドル(約385億円)規模という大事件がどこへ着地するのか、まだ先は見えません。
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