メモ

全知識への普遍的なアクセスを目指す「Internet Archive」が寄付を募集中

by Joi

商用インターネットがスタートして20年ちょっとの間に生まれた数え切れないほどのウェブサイトやソフトウェア、動画などのデータを可能な範囲で記録している「Internet Archive」が、ユーザーへと寄付を呼びかけています。ちなみに、トップ画像は創業者のブリュースター・ケール氏。

Internet Archive: Digital Library of Free Books, Movies, Music & Wayback Machine
http://www.archive.org/



ケール氏は、現在の状況を以下のように語っています。

Please Donate to the Internet Archive | Internet Archive Blogs

デジタル図書館のサポーターの皆さん

昨年、インターネットアーカイブを利用したユーザーの数は1日に200万人にまで増加しました。また、収集した本や音楽、映像、ウェブページのデータは20~25%も増加しました。

これは素晴らしいことです。しかし、我々はいま乏しい予算でこれらを賄っています。

今年、我々には皆さんの協力が必要です。

仮想世界にいるとインターネットアーカイブのサービスを提供している160人の従業員と無数のボランティアの存在を感じるのは難しいかもしれません。しかし、我々は確かにここにいて、全てに対して開かれた無料のグローバル・ライブラリーを構築すべく力を注いでいます。

どうか寄付をお願いします。

あなたの継続的なサポートのおかげで、何百万人もの人々がライブラリを無料で利用できます。

ーブリュースター
創設者、そしてデジタル図書館の司書


インターネットアーカイブで特に知られているのは、過去のウェブサイトを保存してくれている「ウェイバックマシン」です。1996年から稼働しているこのサービスは40言語以上にわたって2億のウェブサイト、1500億以上のウェブキャプチャを保存。そのファイル容量は2ペタバイト以上になっています。

これまでに出版された書籍をウェブ上で公開している「Open Library」もインターネットアーカイブのプロジェクトの一つ。このライブラリには2000万冊以上が収録されており、そのうち100万冊以上で書籍全文とダウンロード可能なバージョンが用意されています。


リッチモンドにはインターネットアーカイブの“物理的”倉庫があります。インターネットアーカイブが所有するデジタルデータは膨大なものですが、現実にも多数の書籍を所有しています。

Why Preserve Books? The New Physical Archive of the Internet Archive | Internet Archive Blogs

Richmond, CA - Internet Archivist Seeks 1 Of Every Book Written -- VosIzNeias.com

壁面に思いっきり「Internet Archive」と書いてあるこれが倉庫。


この貨物コンテナ1つに4万冊の本が入っており、それが40個並んでいて、常に10℃~16℃に保たれています。


本はデータ化されていますが、ケール氏はあらゆるアクセスが可能でなければならないと、不足を感じています。


以下のリンク先では、サンフランシスコの公立図書館から13万冊の寄贈があった際の様子がムービーで見られます。

Thank you Friends of the SF Public Library for 130,000 books | Internet Archive Blogs

机をずらっと並べて目録作成、重複チェック、スキャンと長期保存の準備。


途中で日が暮れてまた日が昇り、2日目に突入。


どんどんと作業が進み、手前から机が片付けられていきます。


「BOOKS!」


最後はみんなで記念撮影。


がらーん


このほかには、これまでにNASAが撮影した宇宙や地球、宇宙飛行士たちの写真を公開している「NASA Images」もインターネットアーカイブのプロジェクトです。これはNASAとの協力によって行われている事業で、数学と科学の教育促進や奨学金の利便性向上、さらに宇宙探検や航空学、天文学への興味に興味を持ってもらうことを期待したもの。


ほかにもインターネットアーカイブは多くのプロジェクトを抱えています。

寄付ページはこちら。寄付額は25ドル、50ドル、100ドル、250ドル、1000ドル、その他から選べ、寄付手段はPaypalとBitcoinが用意されています。寄付したお金は、その88%がプログラムに、10%が管理に、2%がファンドレイジングに用いられます。

Internet Archive: Donate
http://www.archive.org/donate/index.php



インターネットアーカイブが目標としているのは「すべての知識への普遍的なアクセス」。本をデジタル化し、映像や音楽、ウェブサイトを集め、これらへ誰でも無料でアクセスできる環境を提供している現状も凄いのですが、目指しているところはもっと遙かな所でした。しかし、それこそがかつて描かれていた未来である気がします。

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in メモ, Posted by logc_nt

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