17才の女子高生がガンを殺すナノ粒子システムを考案して10万ドルゲット
シーメンスの数学・科学・技術コンクール(高校生の優れた才能を早期に見つけて表彰し、科学研究に挑戦する高校生の個々の成長を促進するためのコンクール)にて、モンタビスタ高校に通う17才の女子高生アンジェラ・チャンが優勝し、10万ドル(約777万円)の大学奨学金をゲットしました。
Siemens Foundation - 2011 Winners
17-year-old Cupertino student wins Siemens Competition and $100,000 - San Jose Mercury News
彼女が17才の女子高生アンジェラ・チャン
受賞して喜ぶアンジェラ・チャン
研究内容はフォトサーマルによってコントロールされた薬ががん幹細胞の治療用多機能ナノシステムを放出するためのイメージガイドシステムのデザインとなっています。
フォトサーマルとは何かというと、「ナノ粒子の創製と応用展開」が割と詳しく説明しています。
カリフォルニア大学サンフランシスコ校の生物工学と治療科学部門の教授であり、賞の審判員もつとめるTejal Desai博士によると「アンジェラはガン治療のスイスアーミーナイフ(十徳ナイフ、要するにいろいろ使える便利なもの、という意味)に似ているナノ粒子を作成しました」「彼女は非侵入性の画像診断を可能にする一方で腫瘍の部位で薬を放つためのトリガーにできるナノ粒子システムを設計する際に大きな創造性および発案を示しました。彼女の仕事は、ナノテクノロジーによる腫瘍を治療の目標とすることへの新しいアプローチを進展させることにおける重要な前進です」と述べており、事実、彼女の考案した金と酸化鉄に基づいたナノ粒子によるシステムはガン幹細胞の根絶を可能にするものであり、多機能ナノ粒子が治療と画像診断の両方を組み合わせて1つのプラットフォームにできるというもの。
わかりやすく例えると「ガン幹細胞を暗殺するために送り込まれた携帯電話を持った忍者が、その暗殺活動中にレポートしてきてくれるようなもの」だそうです。
さらにTejal Desai博士は「アンジェラの研究に対するコミットメントは本当に印象的でした」「彼女はナノ粒子の設計からそれらの効能を生体内で示すことまで、彼女のプロジェクトに関して調べた多数の方法についての深い理解を持っています」と述べており、かなり優秀な研究であることは間違いないようです。
事実、アンジェラはインテルによる国際学生科学フェア(Intel ISEF)において2011年と2010年の2度(つまり、16才と17才のとき)も最優秀賞を受賞しています。
そんな彼女の趣味はゴルフとピアノ、リラックスするためにカヤックをこぎ、愛読書はF・スコット・フィッツジェラルドの「This Side of Paradise(楽園のこちら側)」、化学か生物医学工学、あるいは物理学を専攻したいと考えており、研究によって教授になるのが将来の希望だそうです。
また、調べてみるとどうやら彼女の出身高校であるモンタビスタ高校はカリフォルニア州のクパチーノにあり、カリフォルニア州でもトップレベルの高校です。
English Vitamin Blog: アメリカで過ごす高校生活を成功に導くには
彼女の卒業するモンタビスタはカルフォルニア州でもトップの高校です。
Monta Vista High School http://www.mvhs.fuhsd.org/
同校のウエブサイトを見ると分かりますがモンタビスタは2008年度のAPI(Academic Performance Index、生徒の学力を示す指数)で924ポイントを獲得した高校です。最高点は1000ポイントです。
クパティーノの学区域はすばらしい学校があることで有名です。特にリンブルック高校、モンタビスタ高校はその中でもとても優れた高校ということで世界中から生徒が集まってきます。クパティーノの高校学区域や小、中学校の学区域を調べたい方はこちらのリンクをぜひご参考にどうぞ。
また、このクパチーノ自体も、アップル本社があるので有名であり、シリコンバレーの心臓部と言っても差し支えのない場所で、どうやら優れた人物や企業が多く集まりやすい場所のようです。
なお、電話インタビューで彼女は「これは私のような科学オタクにとってはまさにシンデレラになる瞬間です」と答えたそうです。
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