iPhone/iPad/iPodで同期できないデータを救出する方法

iPhone 4をiTunesで同期させようとしてもエラーが出て失敗し、純正アプリ「ボイスメモ」で録音したデータを取り出すことができなくなって困っていたのですが、あれこれと方法を試したところ、中のデータを一切失うことなくなんとか救出することができました。

ボイスメモに限らず、その他のいろいろなデータを救出可能なので万が一の事態に備えて覚えて置いて損はない方法です。

救出手順は以下から。
◆同期できないエラー
何が原因で発生するのかは不明ですが、iTunesで同期させようとするとこのように「不明なエラーが発生しました(13019)」というエラーが出てしまい、iPhoneの中身のデータにアクセスできないという事態に。

無理矢理同期させると、iPhoneの中身のデータが消える可能性が。というのも、まったく同期せずに運用していたため。まさに自業自得。

中でも特に困ったのがボイスメモ。

これが今回救出したい録音データ

しかしiTunesから見えるのはこれ。全然違います。つまり、ぶっ壊れているわけです。壊れている原因はまさにこのボイスメモで、Appleのサポートによると重複するボイスメモを削除すれば同期可能になるのですが、そのボイスメモを救出したいのでこのジレンマを乗り越える必要があります。

短時間の録音であれば、メールを使って8分ごとに切り出して送信するというのを繰り返せば手間はかかるものの、脱出させることは可能です。「送信」を選択。

「メール」を選択

録音時間が長いとそのままではファイルサイズの都合上添付できないので「OK」を選択

こんな感じで切り出す範囲を選んで「メールを送信」を選べばOK

ところが厄介なのが長時間の録音。まず選択するバーがこのように小さくなります、それもかなり。

実際に試してみればわかるのですが、8分ごとにタッチで選択するのが非常に難しく、指を離した途端に選択範囲がずれるわけです。この録音の場合、1時間49分あるので全部で109分、8分ごとに選択するなら14分割する必要があり、とてもではないのですが画面をタッチしてずらさず、繊細な操作をし続けるのは無理。

やはりなんとかして中身のデータにアクセスする必要がありそうです。

◆直接iPhone 4の中身をのぞいてみるが……
まずはフリーソフト「SharePod」を使ってみます。

が、なぜか見えるのはこんなデータ……iPhone 4で見えているものとは違います。試しに「Copy to computer」をクリックしてパソコンへコピーしてみるものの、やはり中身は違います。

これに類似するソフトをあれこれと試してみたのですが、やはりiPhoneの中身のデータはどのソフトから見てもぶっ壊れているように見えます。しかしiPhone上では普通にボイスメモが再生できます。うーん、どうすれば……。

◆バックアップデータから「iPhone Backup Extractor」で抽出
そこで考えついたのがこの方法。同期はできないのですが、実は「バックアップ」はできるのです。同期できないiPhoneをパソコンにUSBケーブルで接続。エラーが出ますがとりあえず無視し、まずはiPhoneの中身を全部バックアップ。

バックアップ作成中、ちょっと時間がかかりますがそのうち終わります。

次に「iPhone Backup Extractor」をこのページ下部からダウンロード。

解凍したら起動します。Windows以外でもMonoを使うことでMacやLinuxでも動作可能です。

最新のバックアップデータを選びます。

この「iPhone Backup Extractor」は有料ユーザー登録を行わない状態では「Free edition」となり、一度に2つずつしかファイルを取り出せないので、「Expert mode」をクリック

取り出したいファイルを選びます。

ボイスメモはこれ。2つ選んでチェックを入れます。

「Exract」をクリック

クリックして保存される場所を選択し、「OK」をクリック。今回はデスクトップにしました。

「OK」をクリック

あとは保存されるのを待つだけ。順番にアイコンが緑色になります。

成功しました。「OK」をクリック。

あとはこの手順を繰り返せば、1度に2つずつですが確実にデータを救出することが可能です。

なお、ほかにも住所録やカレンダーのデータなど、さまざまなiPhone/iPad/iPod内のデータ抽出が可能です。

また、住所録やカレンダーなどを別形式に変換して抽出することも可能なので、いろいろと応用できます。