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アナログレコードの売上高が前年比25%以上もアップすると予測されているアメリカの音楽市場

by Matthias Rhomberg

音楽商取引に携わっている「NARM社」が5月初旬にロサンゼルスで行ったプレゼンテーションによると、アメリカでは2011年度のアナログレコードの売上高が前年比で25%以上増加する見込みだそうです。

アナログレコードというと、日本国内ではCDに主役の座を奪われてからは店頭などでも見かけることが無くなり、とても売れているようには思えませんが、一体どのような理屈で売上高が増えているのでしょうか。


アメリカのレコード市場の詳細は以下から。Vinyl Projected to Grow More Than 25 Percent In 2011... - Digital Music News

The Vinyl Comeback, In Historical Perspective... - Digital Music News

こちらは近年のアメリカにおけるレコードの売上高を表したグラフです。グラフの単位は100万ドル(およそ8093万円)。


グラフを見ると、すでに十分CDが普及している1993年から2000年にかけてはジワジワと売上高を伸ばしていましたが、2000年をピークに、あとは細かく上がったり下がったりしつつ、なだらかに落ちていっています。


2006年から2007年にかけても特に変化はありませんが、2008年から急激にレコードの売上高が増加しているのがわかります。2011年には360万ドル(約2.9億円)に到達し、前年度比で28.6%の成長になるとみられています。とはいえ、CDなど業界全体のセールスの中に占めるレコードの割合はわずか1.6%とのこと。


こちらはアメリカにおけるレコードの出荷枚数の歴史を表したグラフです。ちなみに、1982年に世界初のCDプレーヤーが登場して1986年には販売枚数ベースでCDがLPを追い抜いたという歴史があり、グラフを見てもCDが普及し始めた80年代後半から一気に出荷枚数が減り始め、90年台に入るとほぼ出荷されなくなったようです。そしてこちらでも、2008年から出荷枚数が若干増えてきているのがわかります。


この2008年から始まったレコードの売上高の成長の背景には、リスナーが音楽を購入する際にiTunes Music Storeなどの音楽ダウンロード・配信サイトを利用したり、CDから音楽をパソコンに取り込んで聴くというケースが増えてきたことが考えられます。

音楽をMP3などのファイルで聞くことが主流になったことでCDに対して愛着が持てなくなり、「CDを購入した後はパソコンに中身を取り込み、その後は一切CDに触らない」という人もいるはず。そんな中でも「音楽を持っていたい」という所有欲を満たす存在として、簡単にパソコンへ取り込むことのできないアナログレコードが注目を集めることになり、その迫力のある巨大なジャケットと相まって一部の音楽愛好家たちが購入しているということです。

また、最近では新作のアナログレコードにMP3のダウンロードができるコードが封入されているスタイルが流行しており、「気軽に聴くときはMP3、じっくり聴くときはレコード」という選択肢があることがレコード購入のきっかけの一つなのかもしれません。

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in メモ, Posted by darkhorse_log

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