東北地方太平洋沖地震で経済的影響を受ける国々
By wirralwater (where to next?)
東北地方太平洋沖地震は、マグニチュード9.0という未曾有の大地震で、被害も甚大なものとなっていますが、その経済的な損失は世界銀行によると最大で約2350億ドル(約19兆円)にものぼるそうです。
しかし影響は、日本だけにとどまりません。日本への輸出が国内産業において重要な位置を占める国も多く存在しており、これらの国々は日本への輸出が滞ると経済に深刻なダメージを受ける可能性があると考えられます。以下に挙げる15の国々は、日本への輸出額がGDPに占める割合の高さから、東北地方太平洋沖地震が国内の産業に与えるインパクトが最も大きいと見られる国々です。
詳細は以下から。After the earthquake: Who relies on Japan? | The Economist
下の表は、日本への輸出額が国内のGDPに占める割合の高い順に国名を並べたもので、棒グラフがGDPに占める日本への輸出の割合、右端の白い囲みの中の数字が日本への輸出総額です。
ここでは純粋にGDPに対する日本への輸出額の割合で順位をつけていますが、各国にとっての影響は必ずしもマイナスに作用するものばかりとは限らず、例えばエネルギー資源などが主な輸出品目となっている国では、逆に需要が増加してプラスの影響が発生する可能性もあります。
1位:ブルネイ
GDP比約28% 輸出総額約30億ドル(約2428億円)
2位:カタール
GDP比約15% 輸出総額約145億ドル(約1兆1736億円)
3位:アラブ首長国連邦
GDP比約8% 輸出総額約207億ドル(約1兆6754億円)
4位:マレーシア
GDP比約8% 輸出総額約155億ドル(約1兆1255億円)
5位:クウェート
GDP比約7% 輸出総額約82億ドル(約6637億円)
6位:パプワニューギニア
GDP比約7% 輸出総額約6億ドル(約486億円)
7位:サウジアラビア
GDP比約7% 輸出総額約265億ドル(約2兆1449億円)
8位:ベトナム
GDP比約7% 輸出総額約63億ドル(約5099億円)
9位:シンガポール
GDP比約7% 輸出総額約123億ドル(約9955億円)
10位:香港
GDP比約7% 輸出総額約141億ドル(約1兆1412億円)
11位:オマーン
GDP比約7% 輸出総額約30億ドル(約2428億円)
12位:タイ
GDP比約6% 輸出総額約157億ドル(約1兆2707億円)
13位:赤道ギニア
GDP比約6% 輸出総額約7億ドル(567億円)
14位:モーリタニア
GDP比約4% 輸出総額約1億ドル(81億円)
15位:フィリピン
GDP比約4% 輸出総額約64億ドル(5180億円)
1位のブルネイはGDPの28%以上が日本への輸出によって占められていますが、ブルネイの輸出品目は石油や天然ガスなどで、日本の原子力産業へのダメージによって逆に恩恵を受ける可能性があるとのこと。同様に、カタール、アラブ首長国連邦、クウェート、サウジアラビアもエネルギー資源が輸出品目の中心となっているそうです。また、マレーシアの木材輸出も、復興のために需要が増すかも知れません。
これに対して、シンガポールとタイは、日本にかなりの輸出を行っている上に、製造部品の輸出が主な品目となっているとのことで、日本のメーカー系が冷え込むとダメージを受けることになりそうです。
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