サイエンス

ダイエットはストレスを増加させ、イライラして怒りっぽい状態になる

by Pink Sherbet Photography

ダイエット中の人はいつもイライラしているようなイメージを持っている人もいるかもしれませんが、それが単なるイメージではなく、ダイエットによって怒りやいらだちといった感情がかき立てられることが研究によって分かりました。

食欲を自制して何とかやり過ごそうとすることで、他人に対して攻撃的になり、暴力的な内容の映画などを見たくなるような気持ちになるとのこと。


ダイエットがストレスを増長するという実験の内容は以下から。Dieting is stressful and makes you irritable and angry - Telegraph

「the Journal of Consumer Research」誌上で発表された研究によると、ダイエットのために食欲を抑え込んでいると、攻撃的な気持ちになり、暴力的な内容の映画に対して興味を抱くようになる可能性があるということです。

最初に行われた実験では、被験者にチョコレートバーとリンゴのどちらを食べるかを選択させ、その後どんな映画が見たいか聞き出しました。高カロリーでダイエットの敵と思われがちなチョコレートバーではなく、ローカロリーなリンゴを選んだ人は、心穏やかな内容の映画よりも、怒りや報復をテーマにした映画を選ぶ可能性が高かったそうです。

次の実験では、2種類の商品券のどちらかを、金銭的に苦しい状態にある被験者に選択させ、その後悲しい表情と怒った表情を写した写真を見せ、どちらに興味を引かれるか尋ねました。食料品の購入に使える商品券を選んだ人は、温泉施設の入場チケットを選んだ人よりも、怒った顔の方に興味が引かれたと答えたとのことで、食べることに興味を強く引かれた人は、怒りの感情に引き寄せられやすいという結果となりました。

3番目の実験では、ダイエット中の被験者に公共政策のメッセージを見せ、どんな内容に好感を持ったか聞きました。すると、悲観的な内容のメッセージよりも、「警察官の養成費用が削られてしまったら、犯罪者の脱獄率が上昇する恐れがある」といった、受け取った側がどちらかと言うと怒りを覚えるような内容に対して好意的な評価を持ったことが分かりました。

一連の実験のラストには、まず被験者に健康的なスナックか、おいしいけれどあまり健康によくないスナックのどちらかを選択させてから、小売店のやや過激な宣伝文句を見せました。その結果、健康的なスナックを選んだ人の方が、健康にはよくないがおいしいスナックを選んだ人よりも、宣伝文句を見てイライラした気持ちになったと答えた割合が高かったそうです。この場合、健康的なスナックを選んだ人は、もう一方のおいしいスナックを我慢したために、外部からのストレスに敏感になっていたことが考えられます。


この実験を行ったシカゴ・Northwestern大学のDavid Galさんとカリフォルニアの大学のWendy Liuさんによると、「自制心を働かせた状態では、ほんのささいなことに対しても怒りの感情を引き起こすのではないか」という考えのもと、調査を行うことにしたとのこと。

「今回の調査において、自制心を働かせている人は、他者に対して攻撃的になる傾向を見せました。ダイエット中の人は短気で、すぐに怒り出すというイメージはよく知られていることと思いますが、まさにその通りの結果となりました」と、調査の結果についてほぼ予想だったことについてもコメントしています。

加えて、著者の2人は、公共政策のスローガンがかえって怒りやいらだちといった負の感情をかきたて逆効果になっていることにも言及し、「これまでのやり方の代わりに、長期的な目標に対して前向きな行動を促進するためにさまざまな方法を取った方が、公共政策が掲げる目標に近づきやすいと思います」と、スローガンを掲げるよりも前向きな行動を促すための行動を模索した方がいいと提言しています。

ダイエットについても、過剰に自制した食生活を送るよりも、持続的にダイエットを続けるために、適度にストレスを発散するための手立てをいろいろ講じる方が効果的かもしれません。

この記事のタイトルとURLをコピーする

・関連記事
ダイエットを続けるための5つのコツ - GIGAZINE

ダイエットに活用したい、減量の助けになる食べ物7種類 - GIGAZINE

成功のひけつはチョコレート、病的な肥満体から90キロ以上減量した男性 - GIGAZINE

女性がダイエットをするのに最も適した年齢は28歳 - GIGAZINE

in サイエンス, Posted by darkhorse_log

You can read the machine translated English article here.