サイエンス

中国ではロケットと小型トラックでどうやって雨を降らせているのか


中国では、農業地帯における深刻な干ばつ被害の影響を受けて、人工的に雨を降らせようという試みが行われています。

その方法は、小型トラックに積んだロケットを雲に向かって打ち込むというもの。雨を降らせてくれない雲に怒って拳を振り上げているようにも見える手法ですが、中国では実際に効果を上げているようです。一体どんな仕組みとなっているのでしょうか。


中国が小型トラックとロケットで雨を降らせている方法の詳細は以下から。How China controls the weather with rockets launched from pickups

中国のいくつかの農業地帯は、この60年間で最悪の干ばつに直面しています。これに対し、中国政府は全国でクラウドシーディングを実行しました。クラウドシーディングとは、ヨウ化銀の粒子を雲に打ち込み、雲の中で雨のもととなる雪の結晶が生成されるのを促進する手法のこと。

雨が降る仕組みは、低温の雲の中で氷の結晶が発生し、周囲の水蒸気を吸収しつつ雪のかけらとなって、雲の中を落下する間に成長しながら、溶けて雨となるというもの。そのためには、雲の中に雪の結晶の核となる粒子が入っている必要があるので、雪の結晶に構造がよく似たヨウ化銀を散布して結晶化を促進するのが、今回中国が使用したクラウドシーディングの手法です。

飛行機を使って散布する方法もありますが、中国ではよりコストの低い小型トラックとロケットを使った方法を採用。


日本やアメリカではあまり行われないクラウドシーディングですが、中国ではその利用に積極的です。過去数ヶ月間で、山東省のみでも約5800発ものロケットが発射され、地下水の潅漑を要求する声を軽減するキャンペーンの一環となっています。

結果としては、多くの干ばつ地域で2月下旬には雪や雨が降り、13億人に食料を提供する麦畑の壊滅に対する心配を和らげることとなっているとのこと。

下のムービーはアメリカで報道された中国の人工降雨の様子。実際にロケットが発射されるところが撮影されています。雨が降っている地域で発射していますが、クラウドシーディングを行うには、ある程度の規模の雲が発生している必要があり、ロケットを発射してすぐに雨を降らせるわけではなく、「シーディング」という名前の通り、雨の種をまくという感覚に近いようです。

YouTube - CLOUD-SEEDING EFFORT AGAINST DROUGHT CRISIS CCTV News

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in サイエンス, Posted by darkhorse_log

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