サイエンス

寒い時に鼻水が垂れてきてしまうのはどうして?

by dainee

1月も半ばに差し掛かろうとしていて、寒さもいよいよ本番を迎えつつあります。そんな時に屋外の冷たい空気にさらされていると、鼻水がひとりでにたらりと垂れてきて、ちょっと気まずい思いをしたことのある人もいるのではないでしょうか。

鼻水が垂れてくるのは生理現象ではあるのですが、その原理はなかなか合理的なもので、人間の体はよくできているものだと感心してしまいます。


寒い日に鼻が垂れる仕組みなどは以下から。Why Your Nose Gets Runny When It is Cold

人の鼻は1日に平均して約1クォート(約946ミリリットル)もの鼻水を分泌しています。そんなにたくさん出ているのにはなをかまずに済む場合もあるのは、分泌されたものの大部分はのどに流れていき、しばしば自分でも気づかないうちに飲み込んでいるからです。しかし、冬の冷たい空気の中で呼吸をすると、のどに流れずに鼻の穴からたらりと垂れてきたという経験のある人は多いのではないでしょうか。

その時体内で一体何が起こっているかというと、冷たい大気に反応して鼻への血液の供給が増加し、血流を増加させるために鼻の中の毛細血管が広げられているのです。

この反応のおかげで鼻は温かくなり、吸気が肺に入る前の段階で温められます。血流を増やすだけでは冷たい空気を完全に温めることはできませんが、同時に鼻水を分泌する腺により多くの血液が供給されます。

そして血流が増えたことによって平常時よりはるかに多い鼻水が分泌され、結果としてはなが垂れてくるというわけです。しかしこの状態はずっと続くわけではなく、室内などの温かい環境に戻れば、鼻の中の血管は収縮し、鼻水の分泌腺の働きは正常な範囲に戻ります。

また、風邪をひいたり何らかの病気を患ったりした時も、体内では寒い中にいる時と同様の反応が起こっています。ただし、この場合は吸気を温めるのではなく鼻水の分泌が主な目的で、それによって体からより多くの細菌を追い出そうとしているのです。花粉症を患うとはなが出るのは、体がアレルギー物質をウイルスだと判断して追い出そうとしているためです。

ちなみに、泣いている時にはなが止めどなく出てきてしまうのはこれまでの反応とはちょっと異なり、まぶたの外に流れ出なかった涙が鼻を通って伝い落ちて行き、鼻水と一緒になって出てくるからです。そのため、泣いている時の鼻水はかなり水っぽいものになります。

鼻水と一言で言ってもその働きや分泌の意味にはいろいろなものがあります。鼻が詰まると正直煩わしいですが、周辺環境の異変や体調不良を教えてくれるシグナルにもなる、頼もしい存在と考えてみてもよさそうです。

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in サイエンス, Posted by darkhorse_log

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