インタビュー

ホットトイズの超精密なフィギュアを実際に作っているキーメンバーにインタビューしてきました


超精密なフィギュアを提供しつづけるフィギュアメーカー「ホットトイズ」が、今年で設立10周年を迎え、これを記念するイベントを開催しました。すでに「アイアンマン」を東西のアーティストがカスタマイズする特別企画や、ゾンビになったマイケル・ジャクソンがバイオハザードの主人公に襲いかかる「マイケルハザード」などなどをお伝えしてきましたが、これらのフィギュアを実際に作っているホットトイズのキーメンバーにインタビューしてきました。

驚くべき造形の精密さと美麗な彩色のフィギュアは、いったどんな人たちによって作られているのでしょうか。

というわけで、ホットトイズキーメンバーへのインタビューの様子は以下から。株式会社ホットトイズジャパン
http://www.hottoys.jp

キーメンバーへのインタビューは、イベントを開催している東京国際フォーラムのすぐそば、フォーシーズンズホテル丸の内で、イベント直前準備の合間を縫って行われました。


フォーシーズンズ丸の内に到着。


今回はハイパーホビー週刊ファミ通、そしてGIGAZINEによる合同インタビューでした。

◆10周年の感想
ハイパーホビー:
10周年の率直な感想をお願いします。

ホットトイズ代表 ホワード・チャン氏(以下ホワード):
10周年に対する感想としては、とてもうれしいです。ただ初めてのことなので、準備がとても忙しいですね(笑) キャラクターが並んだところを見ると、うれしくてたまりません。


チーフ造形師 コウジュン氏(以下コウジュン):
これだけの数のフィギュアをひとつのところにまとめて発表するのは初めてです。これからも発展するだろうと思っています。たくさんの人に見てもらうということで、すごく緊張しています。


チーフ造形師 ユリ氏(以下ユリ):
これまで以上のリアリティを追求していきたいですね。イベントにすごく期待しています。


プロダクション・ディレクター ホン・ジン・チョル氏(以下J.C.):
入社して4年になりますが、これまで自分のしてきたことを振り返るよい機会になりました。何をしてるんだ、まだまだ何もできていないじゃないか、と自分を叱咤しています。


日本オフィスCEO フランク・デュボア氏(以下フランク):
このようなビッグイベントを開催できるというのはすごくうれしいです。日本のフィギュア文化で育った者としては、「海外でフィギュア文化がここまで育ったよ」ということをお知らせできるという意味でも、日本で開催できるというのは重要な意味があると思います。


◆10年を振り返って
ハイパーホビー:
これまでの10年を振り返ってみるといかがでしょうか。

ホワード:
ここまで成長できるとは、最初はまったく思っていませんでした。こんなに多くの版権が取れるとも思わなかったし、神様からの贈り物だと思っています。今後もホットトイズの発展に尽力したいとおもいます。

コウジュン:
入社する前からホットトイズのフィギュアを収集していて、あこがれの会社だったので、ホットトイズのみんなと仕事ができるのが楽しいですね。すごく満足しています。

ユリ:
4年前に入社しましたが、入社する前は海外にある大きな会社というイメージで、自分が入社できるような会社とは思っていませんでした。今、実際にホットトイズで働くことができて、すごくうれしいです。ホットトイズの今後の発展に力を尽くしたいと思います。

J.C.:
ぼろぼろのホテルでホワードと初めて話をした時に、彼ならば大きな仕事ができると思いました。そのころから、とても謙虚な人柄でありながら、すごく率直に話をする人でした。今でも強く尊敬しています。

フランク:
この10年は予想を超えていました。我々のチームワークの結果と思うとうれしいですが、びっくりしているというのが正直な感想です。5年前にライセンス商品がやりたいという相談を受けて私が加わったのですが、喫茶店で「エイリアン対プレデターのフィギュアが作りたい」という話をしました。その出会いに感謝しています。


◆キャラクターライセンス取得の基準
週刊ファミ通:
ライセンスを取得する基準はどんなものですか?

ホワード:
単純ですが、好きなキャラクターのライセンスを取ります。個人的にはアメリカ映画のキャラクターが好きですね。

フランク:
まずやりたいことを取ります。他社は「売れそうだから」とか「つきあいで」という部分があるようですが、ホットトイズでは、作品に対する愛情を感じて、自分が「このキャラクターのフィギュアが欲しい!」と思ったものを作るようにしています。あとはビジュアル的に凝っている物、フィギュア化がすごく難しそうなものは特に作ってみたくなりますね。

週刊ファミ通:
「METAL GEAR SOLID(メタルギアソリッド)」のスネークが発売予定と発表されましたが、どうしてスネークが選ばれたのでしょうか。

ホワード:
ゲームメーカーからのオファーがきっかけでした。非常に面白いゲームで、すぐに決定しました。

フランク:
ホットトイズとしてはずっとメタルギアはやりたい作品だったので、「待ってました」という感じですね。小島監督とお話した時、30秒で「やりましょう!」と答えました。ビデオゲームは今後も特に力を入れていきたい分野です。


◆ホットトイズの造形師になるには?
GIGAZINE:
ユリさんとコウジュンさんが造形師としてホットトイズに入社したのは、どんなことがきっかけだったのですか?

コウジュン:
J.C.からオファーを受けて入社しました。彼とは模型製作学校の先輩と後輩の関係で、その縁で声をかけてもらって入社となりました。

ユリ:
大学を卒業してから、最初はアルバイトとしてお手伝いしていたんです。その後、造形師として入社するかたちになりました。

J.C.:
私はもともとペインターでしたが、良いペインティングをするためには良い造形士が必要です。ユリはとても忍耐強く、何回も何回も修正をお願いしても、嫌な顔ひとつせずにやってくれる。コウジュンも非常に穏やかな人柄で、信頼のできる人物です。ホットトイズの造形士は、実力も当然ありますが、なにより人柄を重視して選んでいます。


◆今後のチャレンジ
ハイパーホビー:
眼球稼働システムやLEDをフィギュアに組み込むなど、色々なチャレンジをしていますが、これからどんなチャレンジをしていきたいと考えていますか?

ホワード:
難しい質問ですね。この数年間はキャラクターをリアルに作ることを目指してやってきました。今後チャレンジしたいこととしては、キャラクターの肌のクオリティを上昇させることです。「本物の毛や髪を使って作る」なんてこともやってみたいですね。


J.C.:
今まで、完全に失敗になってしまったということが無いんですね。「こうしたい」という希望を出すと、CEOがすぐに対応してくれる。クオリティを上げるための投資を惜しまない。工場の責任者も信頼できる人物で、大量に生産しても品質が落ちないように、日々努力してくれています。より安価に、より高品質なものをお届けしたいと思います。

フランク:
ホットトイズとしては、もっとリアルに近づけたいですね。しかしこれは終わりの無い闘いです。一生懸命がんばっていますが、まだ足りないところもあると思います。常にステップアップしていて、最新のものが最高のものになるよう、努力を続けています。J.C.が言うように、大量生産の中でもクオリティを高め、ユーザーが満足できる商品を、より手の届きやすい価格で提供していきたいと思います。

記者一同:
ありがとうございました。

今回のイベントで展示された「ゴッドファーザー ビト・コルレオーネ」。本物と見まごうほどの精密さですが、ホットトイズのキーメンバーはこれでもまだ足りないと言います。


映画「ゴッドファーザー」のDVDジャケット。上のフィギュアと比べると、恐ろしいほど似ていることが分かります。


こちらはブルース・リー。細かい表情から筋肉の形までそっくり。


なお、今回のイベント用のプロモーション映像は、ファンによって作成されたそうです。


コンペによって選ばれたプロモーション映像の作者には、「ホットトイズ1年分」が進呈されました。今後1年で発売されるホットトイズのフィギュアがすべて無料でプレゼントされるとのこと。


「玩具業界は元気ないなんて言われてますが、そんなことない! ホットトイズは元気です!」と参加者へのメッセージを叫ぶフランク。


イベントが終了して退場ゲートを抜けると、通路では「SPACE PIRATE CAPTAIN HARLOCK」の映像が流れていました。具体的にどのキャラクターがフィギュア化されるのかはまだ不明ですが、キャプテン・ハーロックから新作が登場することは間違いないようです。

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in レビュー,   インタビュー,   アート, Posted by darkhorse_log

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