言葉より強くタバコの危険を訴えかけるショッキングな警告画像入りのパッケージ、アメリカでも導入

日本でも数年前にタバコのパッケージに占める警告文の割合が大きくなりましたが、ブラジルやカナダ、ヨーロッパなどのタバコの箱には、より視覚的に訴えかけるショッキングな写真つきの警告が大きく表示されています。

アメリカでも若年者の喫煙を防止し喫煙者に禁煙を奨励するための政策の一環として、アメリカ保健社会福祉省（HHS）とアメリカ食品医薬品局（FDA）は、2012年9月からタバコのパッケージの前面・裏面の各50％を占める画像つきの警告文の表示を義務付けることを発表しました。9種の警告文にあわせた画像の候補36案も公開されています。

詳細は以下から。ショッキングな画像を含むので閲覧には注意が必要です。
HHS announces new tobacco strategy and proposed new warnings and graphics for cigarette packs and advertisements

Proposed Cigarette Product Warning Labels

アメリカでは1日に4000人の子ども・若者が「人生で初めての1本」を吸い、1000人は日常的にタバコを吸う喫煙者となります。一方で1日1200人もの喫煙者や元喫煙者がタバコと関連づけられる病気により死亡し、タバコの害による死者は年間で44万3000人にも達しているそうです。これは、防ぐことのできた「早死に」の原因としてはアメリカでもっとも多いとのこと。

2012年に義務付けられる警告表示はタバコのパッケージの前面・裏面の上部50％を占め、9種の警告文とそれに合ったイラストまたは写真から成ります。

「Cigarettes are addictive.」（タバコには依存性がある）という警告文用の画像の候補の一例。疾病によりのどにストーマをあけても、タバコを吸い続ける男性の写真。

タバコを麻薬依存者が使う注射器に見立てたイラスト。

タバコのあやつり人形となっている男性。

「Tobacco smoke can harm your children.」（タバコの煙は子どもに害を与える）という警告文用の画像。

タバコをパッケージから取り出すたびに少女からじっと見つめられたら、吸いにくくなるかもしれません。

「Cigarettes cause fatal lung disease.」（タバコは致命的な肺疾患の原因となります）という警告文用の画像。

告知を受けているところでしょうか。

霊安室で、足の指にタグをつけられた死体。

「Cigarettes cause cancer.」（タバコは癌の原因になります）という警告文用の画像。

喫煙により汚れた歯と、唇にできた腫瘍。

「Cigarettes cause strokes and heart disease.」（タバコは脳卒中や心臓病の原因となります）という警告文用の画像。

「Smoking during pregnancy can harm your baby.」（妊娠中の喫煙は胎児に害をおよぼします）という警告文用の画像。

「Smoking can kill you.」（タバコはあなたの死因となりえます）という警告文用の写真。

棺に入った女性のイラスト。

目を背けたくなるような写真の方が、タバコを取り出す回数が減ったり、タバコの購買意欲を失わせさせたりする効果が高いかもしれません。

「Tobacco smoke causes fatal lung disease in nonsmokers.」（タバコの煙は非喫煙者にとっても致命的な肺疾患の原因となります）という警告文用の画像。

「Quitting smoking now greatly reduces serious risks to your health.」（いまタバコをやめれば、深刻な健康リスクを大幅に減らすことができます）という警告文用の画像。

実際にタバコを流してはトイレが詰まってしまいますが、言いたいことは伝わるのではないでしょうか。

画像は36案が公開されていて、2010年11月12日から2011年1月11日までの期間国民から意見を募集したのち、2011年6月22日に最終案が発表されるとのこと。2012年9月22日に警告画像の表示を義務付ける法律が施行され、2012年10月22日以降、警告画像が表示されていないタバコはアメリカ国内では販売できなくなります。