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WordPressの有料テーマを販売した4ヶ月の売上グラフなどの記録を公開中


WordPressのテーマはいろいろなものが無料で出回っていますが、有料のテーマも数多く販売されており、中でも昨年11月にGPLライセンスでリリースされた「Basic Maths」はかなりシンプルでありながら印象的なデザインと優れた機能性を兼ね備えていたため、あちこちのブログで取り上げられ、海外では割と有名な有料テーマのひとつとなっていました。

そんな「Basic Maths」が実際にどれだけ売れたのかという貴重なデータが公開されていました。ネット上ではかなりクオリティの高いテーマが無料で手に入れられる中で有料テーマはどれぐらいの販売数を誇ったのか、また売る時のポイントはあるのかといったことが書かれています。

詳細は以下から。
Subtraction.com: Adding Up Basic Maths
http://www.subtraction.com/2010/03/31/adding-up-basic-maths


これがその有料テーマ、「Basic Maths」の販売ページです。割と凝っており、売るためにアピールすべき点として、マイクロフォーマット対応、多彩なカラーオプション、このテーマ専用のウィジェット、アーカイブとタグの柔軟なカスタマイズ、クリーンで十分にコメントの付加されたソースコードといった特徴を持っていることをきっちりアピールしているのがわかります。


実際に動作している様子を見せるデモページも用意されています。マウスカーソルが乗った部分は色が変わるようになっており、わかりやすい。


この有料テーマをリリース後、仲間や友達から「どれぐらい売れたんだ?」とよく聞かれるようになったことがこのエントリーを公開するきっかけになっており、結論から言うと「概ね健全な売れ行きだったがめざましいものではなく、収益には満足しているが、だからといって日々の仕事を辞めることができるほどではなかった」そうです。また、有料テーマを販売し始めてからわかったこととして、商用のこういった有料テーマを販売して成功しているものはほとんどいないことを理解し始めた、とのこと。

では実際にデータを見てみましょう。リリースされたのは2009年11月14日となっており、価格は45ドル(約4180円ぐらい)でした。以下が2009年11月から2010年3月まで、4ヶ月間の販売数をグラフ化したものです。


販売当初の目標として、少なくとも200個ほど売らないと、有料テーマについてこれだけ面倒なことをする価値はないことにしよう、と決めたとのこと。要するに45ドル×200個=9000ドル(約83万円)ぐらいの売上は欲しいよね、ということです。この金額はこのエントリーを書いた筆者と開発者合わせて2人分の注いだ努力をカバーできるぐらいの合理的な最小の売上とのこと。そのため、毎日1ダースずつぐらい売れればいいなと思っていたそうですが、現実にはそうはならず、しかし最終的には販売時期の後半と合わせると大体それに近い数字は達成できた、とのこと。

次に、日別に見たグラフがコレです。


グリーンとブルーのゾーンがありますが、このグリーンに色分けされた部分はクリスマス後から新年の元日までの間、期間限定で価格を45ドルから30ドルまで一時的に値下げした際の売れ行きを示しています。値下げした理由として、初期の段階で手に入れたいと思っていた人には既に販売されていると思っており、実際に値下げする前週あたりは非常に売れ行きが滞っていたため。値下げすることによっていろいろと失うモノがあるだろうと予測していたものの、実際にはその真逆で、多くのものを手に入れることができたとのこと。まず値下げした途端に猛烈な速度で売れ始め、1週間で90個も売れ、さらに大きな衝撃は値下げ期間の最終日、12月31日に山ほど売れたことだったそうです。これによって、期間限定の値下げセールというものがどれだけ大きな威力を持っているのかを思い知ったとのこと。

次に、これが週別に見た場合の販売数グラフ。


最初の出だしの勢いが非常にすごく、そこから段々とホリデーシーズンに向かって低下していき、期間限定値下げセールで再びどかんと跳ね上がり、そこからあとは通常レベルで横ばい、という感じです。

さらにこの上記グラフで注目すべき点はブルーのゾーン。これは何かというと、有料テーマの広告を出したときのもの。1月の最終週にかなり有名なアドネットワークを利用し、たくさんのブログに表示され、少数だが頻繁に使用されるデスクトップアプリケーションにも表示されるように広告を打ったわけです。しかし結果はグラフを見ればわかるとおり、ほとんど効果が出ませんでした。これは広告の出ている先では既にこの有料テーマを購入した人の割合が非常に高く、オーバーラップしすぎているか、あるいは広告のクリエイティブ(バナーなどのデザイン)が著しく悪かったか、もしくはコンバージョンのパフォーマンスがあまりにも悪いモノだったか、とにかくそういうことを示しています。広告を出していなければもっと悪い結果になっていたかも知れない、とのことです。

総売上は2万2000ドル(約204万円ほど)になり、さらにここから税金が引かれた分が残りの売上になる、とのことです。支払にはPaypalを利用しており、Paypal側はおそらく手数料だけで800ドル(約7万4000円)ほど収益を得ており、あらためてプラットフォームを持つ者が儲けられることがわかります。なお、大体平均値で考えると、2010年11月、つまりリリースから1年が経過する段階で総売上は4万ドル(約372万円)になればいいなあ、と期待しているとのことです。

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in メモ, Posted by darkhorse

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