政治家は顔が命、有権者は無意識にルックスが良い候補を優遇することが明らかに
上の画像の2人の男性は別人のようですが、どちらもイギリスの保守党党首デービッド・キャメロン氏の顔写真。右のものはエアブラシなどで修整をかけたもので、このポスターが現在なにかと物議を醸しています。
タレントでもない政治家がなぜ写真加工を……と思いますが、政治家の容姿を良く見せるため写真を加工することは実は理にかなった戦略だったようです。最新の大規模な調査により、有権者の判断は候補の容姿に影響されることが裏付けられました。
詳細は以下から。Voters 'prefer attractive politicians' - Telegraph
Journal of Public Economics誌に発表されたヘルシンキ大学経済学部による研究では、有権者は男女共に外見が良い候補者に「信頼できる」「知性的」「好感が持てる」「能力がある」といった印象を抱く傾向が明らかになりました。
調査ではフィンランドのさまざまな選挙の候補者1992人の写真を用意し、1万0011人の被験者に候補者の容姿を評価してもらったのち、政治家に必要とされるさまざまな資質(知性など)についても写真から受ける印象で評価してもらいました。被験者の大部分(6303人)はフィンランド人でないため、候補者の政治的信念や人柄などについては全く知りません。
その結果、容姿が魅力的と評価された候補ほど「知性」「能力」「好感度」「信用性」なども高く評価されることが明らかになりました。
被験者の一部は候補者に見覚えがあったかもしれませんが、同じ政策をかかげる同じ政党の候補者でも外見が高く評価された人ほど政治家としての資質も高く評価されたため、「知っている政治家」の場合でも容姿が印象に与える影響は変わらないとのことです。
その後、候補者の写真に学歴と職業を添えて同様に外見と政治家としての資質を評価してもらったところ、結果に写真だけの場合との違いは見られなかったそうです。
論文の著者たちは「外見に恵まれていることは政治の世界で有利に働くでしょうか?容姿が良い人々は説得力が有り、社会的交流の中で良い扱いを受け、仕事で成功しやすいとすれば、政治でも成功しやすいと言えるかもしれません」と語っています。一般的に容姿の優れた人々は「やり手」「成功者」という印象を持たれやすいとのこと。
もちろん実際の選挙では外見さえ良ければ誰でも当選するということははなく、また見た目が悪い候補者が当選できないということもありませんが、特に地方選挙などでは候補者の顔写真と簡単なプロフィールだけで判断するという有権者も少なくないと思われ、ルックスの良さがプラスに働くことは間違いないようです。
なお、容姿の良さとそのほかの要素の評価が比例するという結果は男性候補・女性候補ともに当てはまるそうです。
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