八百屋でお馴染みのものからそんじょそこいらでは見られないものまで、卸売市場ならではの多種多様な野菜いろいろ

これまで大阪市中央卸売市場の水産売場、マグロ卸売場と解体の様子を紹介してきましたが、卸売市場で扱われているのは水産物だけではありません。その一つが「野菜」です。
野菜と一口に言っても、ジャガイモ、にんじん、タマネギなどカレーの材料としていつもスーパーや八百屋で見かけるようなものだけではなく、いったいどこへ行けばこんなもの売っているんだというような見知らぬ野菜までいろいろと取り扱われていました。
詳細は以下から。
闇の中に浮かび上がる野菜売場。


まだ5時台ですが、すでに商品を並べています。


頻繁にターレットが行き交い、商品を輸送しています。

取材に協力いただいたのは岩本商店さん。

積み上げられた野菜たち。


これはタケノコ、中国産。

そしてこちらは日本産、JAあいらの早採りたけのこ。


見た目もけっこう違いますが「食べると本当に違いがあるよ」とのこと。

若ごぼうは今年この日が初入荷だったそうです。やはり旬のものを食べるのがイイですね。

こちらは新ごぼう。

プチトマト「キャロルセブン」。どうやら北海道の余市産らしい。


よくスーパーで見るものよりも赤色が深い。

皮が張っておらず柔らかめで、味も甘味が強い、まるでフルーツみたいなトマトです。

「わさびなリーフ」。わさびっぽいリーフの意味ではなく、「わさび菜」「リーフ」のようです。

爽やかな辛みが特徴。


「メキャベツ」。芽キャベツとも書かれたりしますが、キャベツが芽のうちに摘んでいるわけではなく、こういう品種です。


「ラーメンちんげん」。ちょっとサイズが小さい青梗菜で、わざわざカットしなくてもラーメンにそのまま使えるという便利な品です。

「Baby奈菜」。奈良県産の娃々菜(ベビー白菜)です。


野菜の小型化が進んでいるみたいですね。

「ちぢみほうれん草」。寒じめ栽培により、葉の表面が引き締まって縮んでいるので「ちぢみ」。

肉厚なシイタケ「飛騨やまっこ」。


JAひだの生産品です。

こちらは徳島県産「じいじいのきのこ」。

総勢15名の美馬しい茸協同組合が生産しており、社長が”じいじい”なのでこの名前がついているそうです。変わった商品名にはそれなりの由来があるものですね。

そらまめ。

鹿児島県指宿市の特産品だそうです。

ちなみに、サイズはこれでもM。


こちらは和歌山県、JAみなべいなみの品。

白神の山うど。

「アピオス」は青森県七戸町が主要生産地。JAとうほく天間がPR中。


ニンニクっぽい外見ですがタマネギです。「サラダオニオン(白玉葱)」。

韓国では焼肉のときに肉を包んで食べるのに使うサンチュ。

徳島県上勝のゆず。ゆずといえば高知県北部(馬路村や北川村)のものが有名で、徳島はすだちというイメージですが、実際は高知県が全国生産量の40%で国内第1位なのに対して徳島県も30%で国内第2位の出荷量を誇っています。

ムラサキキャベツが大量に並んでいるとちょっと不気味です……


ちょっと紫色をしている博多サラダ菜。「売ってる者が言うのもなんやけれど、変わってるよね」と、いつも野菜を扱っているプロでもこれは変わった品だと思っているそうです。


大分県産「スティックセニョール」。イカした名前の茎ブロッコリーです。

すでに商品は並んでいるので、これからセリに向かいます。


積み上げられた黄色い段ボールはすべて鳴門金時「松茂美人」。

こちらには「黒むすめ」も。

同じく鳴門金時の「甘姫」。どのような違いがあるのでしょうか。

名前は京都っぽいですが、静岡県浜松市にある生産農家・京丸園が作っている「京丸姫ねぎ」。全長9cmぐらいで、香り高く、椀種や握り寿司のネタに使われるそうです。

「はなひらたけ」。コリコリシャキシャキした新食感きのこだそうです。


北村山葵は毎週金曜日入荷だそうです。

栃木県からはごぼうが到着。

段ボールからはみ出そうなカボチャ。

大葉。

キャベツなど、セリを待つ商品は山盛りです。




適当に積まれているわけではないようです。ここは雪国マイタケの置き場。

野菜に混じってお米の姿も。

山ほど段ボールを運んだあとなのか、それとも今から使われるのか、積み上げられたパレット。

水産物と同じように「入荷数量等表示装置」がありました。これは野菜の上場数量。

「時間前取引禁止品目」が表示されています。指定されていないものはいつ取引してもいいのでしょうか。

ここがセリのスペース。

セリに参加する仲卸(買受人)はここにずらりと並びます。


品はこのレール上をどんどん転がされていくわけですね。

もう一つのスペースではすでに品がぎっしり並べられていました。

南天

ゆずりは

ふきのとう

つばき

もみじ

梅。料理の横に添える葉っぱ類もれっきとした商品です。

あちこちに「着帽」「禁煙」のお知らせが出ています。


食べ物を扱っている場所なので、ポイ捨てなどもってのほかです。

予冷庫についてのお知らせ。

こちらは台に乗らずに取引中。マグロのセリに近いかも。

セリ場などには、各地の野菜をアピールするポスターが張られています。高知県は野菜を擬人化しています。

「高知百菜」だそうで、みょうがのミョーちゃん、オクラのくらちゃん、なすのナコちゃん、きゅうりのキューコさん、ししとうのシシトくん、こねぎのネギコちゃん、ピーマンのピーくん、しょうがのしょうたくん、メロンのメロさん、米ナスのナスコ夫人、にらのニラコさんが勢揃い。

徳島は「新鮮王国とくしま」。

先ほど箱が積まれていた甘姫はこういうイモだったようです。

同じサツマイモに見えますが、こちらは宮崎県JA串間大東の「やまだいかんしょ」。

愛媛県は落第忍者乱太郎を使用。

野菜売場と水産売場のあいだ、2階には食事処などがあるようです。もちろん、働く人のために早朝でも営業しています。

野菜売場などのある市場東棟から出て、次は市場西棟に向かいます。水産売場の方を振り返ってみると、真っ暗な中、まだまだ仕事を続ける人々の姿が。

高級ブランドいちご「ももいちご」や注目の高級メロン「エメラルドメロン」など、彩り豊かなフルーツいろいろに続く。
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