取材

サッカーボールを時速200キロ超で蹴飛ばす「カストロール1号」の強烈キックを体感してきた


エンジンオイルメーカー「カストロールジャパン」が企画し、鉄アーティストの倉田光吾郎(くらた こうごろう)さんが製作を手がけたフリーキックマシン「カストロール1号」を見るために、倉田さんの工房まで行ってきました。

カストロール1号」は、車にエンジンではなく猿人を搭載した「ENJIN BEATBOX」を作ったことでも知られるカストロール社がワールドカップの公式スポンサーに就任したことをきっかけに、エンジン駆動によってフリーキックを行うマシンを作ることを計画、その打診に倉田さんが応えたことで開発が実現したとのこと。しかしながら倉田さんの工房にたどり着いた編集部員を迎えたのは、フリーキックという言葉からはとても想像できない重厚感を持った、モンスターマシンと呼ぶにふさわしいものでした。

フリーキックの様子は以下から。カストロール1号 | Castrol Ichi-GO

高速道路を東へと爆走、倉田さんの工房へ向かいます。


工房に到着。さっそく倉田さんに乗り込んでもらい、「カストロール1号」の蹴りを見せてもらうことに。到着段階では自走モードだったため、まずは軽く走らせてもらいました。
YouTube - 自走する「カストロール1号」


マシンを立ち上がらせてフリーキックができる状態にしてもらうことに。


電気駆動でぐいぐいと体を持ち上げています。
YouTube - 電気駆動で立ち上がる「カストロール1号」


いろいろと細かい調整をしています。


ボールのセットが完了しました。


蹴り足を振り上げて構えの状態。その力強い挙動に現場に緊張感が走ります。何度も実験に立ち会っているスタッフの方でも、毎回気分が張り詰めてしまうとのこと。


YouTube - 「カストロール1号」による、時速200キロ超の強烈キック


かろうじて球を写真に収めることに成功しましたが、ものすごい速度で肉眼ではなにが起こったか確認できないほど。轟音が響いたと思ったら、いつの間にかボールが飛んでいた、という感覚です。


ハイスピードカメラで撮影した映像はこのようになっていました。
YouTube - 「カストロール1号」強烈キックのスローモーション映像


蹴られる瞬間、ボールは大きくたわみ凹んでいます。


先ほどのキックで蹴られたサッカーボールの早さは時速208km。どんな剛速球投手でも投げられない、恐るべきスピードです。


とんでもない蹴りを繰り出すマシンの細部を見せていただきました。これはコックピットの内部。操縦桿などはすべてお手製ですが、とてもボールを蹴るマシンのコックピットとは思えません。


この画面を見て、キックする位置などを定めます。


走行速度が確認できるようになっています。


ライトもついているなど、ほとんど自動車同然の設備。


手を添えて操作できるキーボードが配置されたコントローラー。


車輪で「カストロール1号」を動かすためのコントローラ-。乗った状態では周りが見えにくいため、降りてコントローラを持って動かすこともできるようになっています。ちなみにコントローラーはすべて自作とのこと。


足回りの駆動系統はフォークリフトをベースとしているため、ゆっくり進むためのカメのボタンがつけられていました。


蹴るときはブレーキのペダルを踏みます。


この内部にはフライホイールが入っていてブレーキとつながっており、エンジンを回転させておいてブレーキを踏むことで一気に力がホイールへ伝わり、キックの動力に変わるというわけ。また、ブレーキでもあるので、キック後には停止するという一挙両得な構造です。


蹴り足を外側から見たところ。


内側はこんな感じ。重厚な造りです。


移動中に蹴り足を水平に上げておくためのストッパー。


エンジン部分。強烈なキックはここから生み出されます。エンジン自体は自動車のものを転用。ちなみに取材時のこの状態はまだ調整段階で、来週1月25日(月)に完成状態でのお披露目が行われるそうです。


工房の中には、マシンのほかにも興味深い物がたくさんありました。これは実験段階で破裂してしまったというサッカーボール。これはごく一部で、もっとたくさんあるとのこと。ピンポイントで高速打撃を受けるため、ボール自体が耐えきれないことが多かったようです。



半年前の試し蹴りでバウンドし、鉄骨に挟まってしまったボール。記念としてそのまま放置してあるそうです。


いつ部品が飛んだりして事故が起こるかわからないので、しっかり安全祈願を行っています。


カストロール1号プロジェクトに取り組む倉田さんの挑戦に感銘を受けたレッドブル・ジャパン株式会社から専用の冷蔵庫が到着。中には100本以上のRed Bullが詰まっていたそうです。


やはり体力勝負の現場だからでしょうか、がんがん消費されているようです。冷蔵庫の電源はつないでいないものの、工房自体がかなり冷えるので天然の冷蔵庫状態になっているとのこと。夜に飲んでみたところ、中身が凍ってシャーベット状になっていたこともあったとか……。過酷な製作状況がうかがえます。


ボールがかすっただけで破裂してしまったマネキンの残がいも一緒に置かれていました。


ひとしきり工房内を探検させてもらった後、倉田光吾郎さんへのインタビューを敢行しました。

この記事のタイトルとURLをコピーする

・関連記事
スポーツマンらしからぬ作戦でフリーキックのゴールを決めたプロ選手 - GIGAZINE

なぜ大事な場面に限ってPKを決められないのか?イングランドの科学者が解明 - GIGAZINE

サッカーできないサッカー場 - GIGAZINE

火を噴きながら回転する自家製絶叫マシン - GIGAZINE

in 取材,   乗り物,   動画, Posted by darkhorse_log

You can read the machine translated English article here.