全世界で送られたメールの97%以上がスパムメールであることが判明
増え続けるスパムメールに対して、昨年5月に日本でも受信者の同意があらかじめ必要な「オプトイン方式」の導入や罰金の大幅増を盛り込んだ「特定電子メール送信適正化法」の改正案が可決されましたが、マイクロソフトの最新の調査でインターネット上で送信されているメールの97%以上がスパムメールであることが明らかになりました。
また、スパムメールによって生じる被害を最小限に食い止める方法なども解説されているため、参考にしてみるのもいいかもしれません。
詳細は以下の通り。
BBC NEWS | Technology | Spam overwhelms e-mail messages
この記事によると、インターネット上で送信された全ての電子メールの97%以上は不必要なスパムメールであることがマイクロソフトのセキュリティレポートによって明かされたそうです。そしてスパムメールの大半はドラッグや一般製品の広告で占められており、しばしば悪意あるファイルが添付されているとのこと。
また、悪質なスパイウェアなどに感染したパソコンは感染していないパソコン1000台に対して8.6台の割合で存在しており、スパムメールを送信する業者は主にMicrosoft OfficeやAdobeのPDFにあるセキュリティホールを利用して、悪意のあるソフトウェアを埋め込んだものを添付したスパムメールを送信しているとしています。
ちなみにMicrosoft Officeのセキュリティホールを利用した攻撃の91%以上は、2年以上前にアップデートで対策されているはずのセキュリティホールを用いているため、適性にアップデートを行っていれば防げるものであったほか、PDFファイルのセキュリティホールもAdobeが提供している最新版では修正されているため、スパムメールによって生じる被害を最小限に抑えるためには、ソフトウェアを常に最新の状態にしておくことが非常に重要であるようです。
なお、スパムメールが数年前よりも激増している背景として、従来よりも高速化されたブロードバンドの普及や安定したOS、そしてさらにスペックが向上したパソコンが普及したことで、今まででは送信できなかった数十億通規模のスパムメールを送信することが容易になったことが挙げられています。
また、マイクロソフトのセキュリティレポートで示された97%以上というスパムメールの割合に対して、e-mail security firm Message Labsの上級アナリストであるPaul Wood氏は、自身が行った分析では81%ほどであるとした上で、スパムメールを送るためにコンピューターを乗っ取られたユーザーが多い国がロシア、ブラジル、トルコ、セルビア、モンテネグロであると述べています。
これがコンピューターを乗っ取られたユーザーが多い国です。ロシアやブラジルが抜きん出ているのに対して、日本は乗っ取られたユーザーが0%~2%と、非常に少なくなっています。
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