2010年に勧告される「HTML5」は「HTML4」と何が違うのか?
現在、ネットで一般的に使用されているHTML言語は「HTML 4」であり、1997年12月18日にW3C勧告として仕様が発表されたものです。これが実に10年以上の月日を経て、バージョンアップと言っても差し支えない「HTML 5」になるとのこと。最終版が登場するのは2010年9月頃の予定。
というわけで、来たるべき「HTML 5」時代に向けて、一体何がどう変わったのか、何が便利になるのかを見てみましょう。
HTML 5
HTML 5 differences from HTML 4
HTML 5 における HTML 4 からの変更点
面白いのがブログや記事向けの「article」要素や、画像やビデオなどの埋め込み内容に説明文やキャプションを付加する「figure」要素、マルチメディアのための「audio」および「video」要素、さらに新しい属性としてリンクをたどるときにpingされるリソースを示す「ping」、フォームコントロールに対して自動的にフォーカスを与える「autofocus」などが新しく加わります。
さらにAPIとして、新しいcanvas要素にて使用可能な2D描画API、ビデオやオーディオ再生のAPI、オフラインアプリケーションを可能にするAPI、ドラッグ&ドロップAPIなどなど、かなりすさまじい変化が起きる予感がします。
一応、後方互換性は確保されているので、早急に乗り換えないとダメというようなものでもないのですが、今までだとかなり苦労しなくてはならなかったことが簡単にできるようになりそうです。
例として、既にIBMがHTML 5の新要素についてかなり具体的な解説を行っています。
HTML 5 の新要素
なお、上記に書いてあるビデオとオーディオについて、「一体どういうものを想定しているのだろうか?」と疑問に感じるかもしれませんが、以下のような話が実際にはありました。
スラッシュドット ジャパン | HTML5策定におけるOgg Vorbis/TheoraとDRMの扱いを巡る攻防
当初はフリーな音声/動画フォーマットとして知られるOgg Vorbis/TheoraをHTML5の基本ビデオコーデック標準として採用していたようですが、AppleとNokiaの強硬な反対に遭い、現在の草稿から削られてしまったようです。
先に挙げたIBMのページにも、この件について興味深い記述があります。
どれか 1 つのフォーマットとコーデックを優先するかどうかについては、まだ議論が行われています。おそらく、少なくとも Ogg Theora をサポートすることが、(必須ではなくても) 強く推奨されるでしょう。QuickTime などの独自フォーマットや、特許で縛られた MPEG-4 などのフォーマットはオプションとなるでしょう。最も可能性が高いシナリオとして、img 要素に対して BMP や X-Bitmap、JPEG 2000 などの競争相手よりも GIF や JPEG、PNG などが好まれるフォーマットになったになったのと同じように、実際のフォーマットは市場で決定されることでしょう。
実際、どれぐらい簡単にできるのかというと、以下に具体的事例があります。
A call for video on the web - Opera
ほかの要素についても、割と直感的に使用できることがわかっています。
Opera The Fastest Browser on Earth: HTML5 input type="date" と canvas
あるSEのつぶやき: HTML5.JPのJavaScriptグラフライブラリがすばらしい
HTML5のプレビュー : WEBデザイン&AJAX
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