ハードディスクの物理障害、果たして本当に復旧できるのか?~完結編~
次々と発覚する新事実に打ちのめされながらも、ついにある1つの決断をしました。まずは代理店であるアイティフォーに電話をかけ、そして「オントラック」から無事にハードディスクを返してもらうこと。それから、前回に電話をした中では最も価格が安かった株式会社ブレイバーの「データサルベージ」に無料見積もりを依頼しよう、と。もしもオントラックが分解していればどこに出しても復旧は絶望的であるため、見積もりだけであれば送料以外のお金はかからない「データサルベージ」を選んだというわけ。
また、サイトの説明によると、他社の見積書を添付すればさらに10%を値引きしてくれるとのこと。つまり、こうなるわけです。安すぎ。まさかここまで安くなるとは……。
・初期診断
オントラック 15,000円
ブレイバー 0円
・復旧費用
オントラック 1,017,870円
ブレイバー 184,500円 ×90%(10%引き)=166,050円
・復旧容量
オントラック Dドライブのみ(23GB)
ブレイバー C+Dドライブすべて(40GB)
さて、ちゃんと無傷でオントラックから戻ってくるのでしょうか……?では、どうぞ。
■オントラックからハードディスクが帰還、果たして中身は?
まずはアイティフォーに「高額すぎて払えないので、お金が確保できたらまた送り直す予定。なので、とりあえず返して欲しい」と電話。返却の手続きを開始。
そして3月13日(火)、これが戻ってきた実際の箱。
中には検収書が入っています
ハードディスクはこのようにして上と下からビニールで挟まれて浮いた状態になっており、衝撃が加わらないように保護されています。さすが、「値段は高いが技術力も一番」という業界におけるリーダー的存在「オントラック」、やってくれます。
ちゃんとプチプチで包んであります
こうなってます
ここで株式会社ブレイバーに電話。分解されたかどうかは上記写真下部にある「CAUTION」の部分のシールがはがされているかどうかでわかるそうです。見たところ、はがした形跡や破れた形跡がないため、おそらく分解していないだろうという判断。早速、梱包し直してブレイバーに送付しました。ちゃんと復旧できるのでしょうか……?
■見積もり完了、結果やいかに
3月15日(木)、ついにブレイバーから診断終了との電話。結果、データは復旧可能であるとのこと。それどころか、なんとブレイバーに到着した時点で普通に動作していたそうです……あれ?確かに異音を発して壊れていたはずなのに…?まさかオントラックで診断されただけで修復できたとでも言うのか……?オントラックの技術力はそこまで桁違いだとでも言うのか……?
ブレイバーによると、実は年に1件あるかないかぐらいの割合ではあるものの、移動中に加えられた何かの衝撃によって、ずれてしまったベアリングの位置が元に戻り、普通に稼働してしまうようになった……という事例が過去にも存在しているそうです。その極めて希有な例にどうやら今回は当てはまってしまった模様。最初はブレイバー側も「わざと故障していないハードディスクを送りつけてきたのだろうか?」と思ってガクガクブルブルしていたそうですが。
というわけで、結局おいくらになるのかと思ったら、壊れていないものに対して費用を取るわけにはいかないと言うことなので、ブレイバーに対する修復費用はこの時点ではゼロ円。しかし、再度輸送中にベアリングがずれてしまって、やはりこちらでは読み込めないというケースも考えられるので、とりあえずブレイバー側で中身をすべて吸い出してもらってからハードディスクをこちらに送付してもらい、改めてこちらで読み込めない場合にはあらかじめ吸い出してもらったデータを有料で送ってもらう、ということにしました。
■帰ってきたハードディスク
そして週明けの月曜日、3月19日、ついにハードディスクが生き返って戻ってきました。これがそのムービー。確かにあの異音が消えている…。でもなんかちょっと音がヘン……。とは言うものの、中身も全部無事でした。もちろん速攻で別のハードディスクに全部移しました。
なるほど、これでオントラックが「100%復旧できます」と断言した理由もうなずけます。おそらくはオントラックに到着した時点か、あるいは診断中に直ってしまったというわけです。もしくは、ブレイバーへの輸送中に衝撃で直ったのかもしれません……。しかし、もしオントラックに到着した時点で直っていたのだとすれば、あの莫大な金額の請求書は一体、どういうことなのでしょうか?謎は深まるばかり。
とりあえず今回の件でわかったことは、ちゃんと毎日バックアップしましょうということもさることながら、やはり何事もあきらめずにあちこち聞いてみるものだなぁということ。特に今回のようなハードディスクが読み取れない、しかも物理障害だ!というようなケースの場合は気が動転したり、一刻の猶予もならない場合であったり、とにもかくにも「緊急事態」である場合が多いはず。こういう緊急の際には常日頃からある程度の知識を蓄えていないと、妥当な判断を下すどころか、適切な判断材料をそろえることすらできません。
結果:オントラックへの診断代金と送料、それからブレイバーへの送料だけで約2週間後、勝手に自然治癒してしまいました、すいません。
ほかにも、「ここの業者は技術も確かで値段も安い」とか「ここの業者は最悪だった」という事例をご存じでしたら、ご一報をお願いします。
・関連記事
ハードディスクの物理障害、果たして本当に復旧できるのか?~前編~ - GIGAZINE
ハードディスクの物理障害、果たして本当に復旧できるのか?~後編~ - GIGAZINE
Googleによると、ハードディスクは温度や使用頻度に関係なく故障する - GIGAZINE
使用不能になったハードディスクを復活させる「HDD Regenerator」 - GIGAZINE
ハードディスクに関する4つの都市伝説 - GIGAZINE
コピペ中のハードディスクの中は一体どうなっているのか? - GIGAZINE
ハードディスク診断ソフト「Data Advisor」の使い方 - GIGAZINE
ハードディスクの使用量を調べるフリーソフトいろいろ - GIGAZINE
・関連コンテンツ