無料で近くにスマートグラスがあるかどうかを教えてくれるアプリ「Nearby Glasses」

スマートグラスはメガネのような形状をしたウェアラブルデバイスですが、徐々に普及が広がる一方で動画撮影機能によるプライバシー侵害への懸念が生じています。「Nearby Glasses」は周囲のスマートグラスを検出し、ユーザーに警告を発することを目的としたオープンソースのAndroidおよびiOSアプリケーションです。
GitHub - yjeanrenaud/yj_nearbyglasses: attempting to detect smart glasses nearby and warn you · GitHub
https://github.com/yjeanrenaud/yj_nearbyglasses
開発者のイヴ・ジャンルノー氏はスマートグラスを「同意を無視した耐え難い侵害であり、不快なコンテンツの作成に使われている恐ろしいテクノロジー」であると糾弾しており、顔認識の悪用やプライバシー侵害の可能性を強く指摘しています。一部のスマートグラスには録画中であることを示すLEDがありますが、容易に無効化できるためメーカーの責任回避のためにしか役立っていないことから、本アプリをスマートグラスの監視技術に対する防御策として位置づけています。
「Nearby Glasses」はBluetooth Low Energy(BLE)デバイスが発する企業IDをスキャンすることでスマートグラスを検出します。具体的には、Bluetooth SIGによって割り当てられた番号リポジトリに基づき、Meta Platforms(旧Facebook)・Luxottica Group(Meta Ray-Bans)・Snapchat(SNAP Spectacles)・Zhuhai Jieli Technology(Rogbird VisionPro・Rollme VistaView)などの企業IDを検出対象としています。
ただし、これらの企業IDを持つデバイスはVRヘッドセットなども該当するため、スマートグラスではないデバイスを誤検出する可能性が指摘されています。誤検出を軽減するため、アプリはデバイス名(例:"rayban"・"ray-ban"・"HeyCyan")や特定のスマートグラスに紐づくプライマリUUID(例:7905FFF0-B5CE-4E99-A40F-4B1E122D00D0)もスキャン対象に含めて検出精度を高めています。
「Nearby Glasses」はBLEデバイスが一定の信号強度(Received Signal Strength Indicator:RSSI)以上の場合にアラートを発します。デフォルトの閾値は-75dBmで、目安としてオープンスペースなら約10~15メートル、屋内や混雑した場所で約3~10メートルの距離に相当します。ただしRSSIは送信電力・アンテナ設計・障害物・人体による信号吸収・反射・干渉・デバイスの向きなど、多くの要因に影響される点には注意が必要です。
「Nearby Glasses」は、Android版はGoogle Playストア・F-Droid・Accrescent・GitHubのリリースセクションから入手可能です。iOS版はApple App Storeで提供されています。Google Playストアの場合、「Nearby Glasses」を検索して表示されたページで「インストール」ボタンをタップします。

インストールが完了すると現れる「開く」ボタンをタップすると「Nearby Glasses」アプリが起動します。

「Nearby Glasses」の画面で「Start Scanning」ボタンをタップするとスマートグラスのスキャンを開始します。

デフォルトは「カナリアモード」となっており、スキャン中は画面中央に黄色いカナリアが表示され左右を確認します。

スマートグラスを検出するとカナリアが「かくれんぼ」のポーズになり、周囲がトラテープ状の枠で囲まれます。

設定画面を表示するには画面右上の歯車アイコンをタップします。

設定項目は以下の通りです。
・フォアグラウンドサービスを有効にする:Androidによるアプリの一時停止を防ぎ継続的なアラートを保証する
・RSSI閾値:デバイスを検出対象とするRSSIの閾値を設定(デフォルト:-75dBm)
・言語:記事作成時点ではシステムデフォルトに加え英語・ドイツ語・スイスドイツ語・フランス語・スペイン語・中国語・イタリア語・ポルトガル語・ロシア語・トルコ語を選択可能
・通知の有効化:システム通知の有効/無効切り替え(カナリアモードと排他・iOS不可)
・カナリアモード:システム通知の代わりにスマートグラスがないことを示す「カナリア」を表示するモードの有効/無効切り替え(デフォルトで有効・システム通知と排他)
・通知・カナリアのクールダウン:近くにスマートグラスが見つかったというシステム通知・カナリア表示の最小間隔(デフォルト:10000ms)
・無視するMACアドレス:検出対象外とするデバイスのMACアドレスをCSV形式で指定
・ログ表示:ログの表示の有効/無効切り替え(カナリアモード時無効)
・デバッグ:詳細なBLEフレーム情報をログに表示(カナリアモード時無効)
・ログ最大行数:ログの表示最大行数を設定
・BLE ADVのみ:ログからアドバタイズ以外のBLEフレームを除外(カナリアモード時無効)
・企業IDの上書き:デフォルトの企業IDを上書きしてスキャン対象外のデバイスを検出可能にする

なおジャンルノー氏はアプリが完璧ではなく誤検知の可能性があることを繰り返し強調しています。また、スマートグラスを装着していると思われる人物に対して嫌がらせ行為を行うことは犯罪行為になりうるため、絶対に行わないよう強く警告しています。
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