ハードウェア

AIデバイス「rabbit r1」を買ったら「その機能は準備中」を連発する詐欺的製品だっという報告


rabbit r1」はカメラや音声入出力機能を搭載したAIデバイスで、「食事の配達依頼」「メールの送信」「音楽再生」など多様な操作をAI処理でこなせるとアピールされています。しかし、rabbit r1を実際に入手した詐欺撲滅系YouTuberのCoffeezilla氏は、rabbit r1が詐欺的商品であると非難しています。

$30,000,000 AI Is Hiding a Scam - YouTube


rabbit r1の見た目はこんな感じ。ディスプレイと前方後方両対応カメラと操作ホイールを搭載したシンプルな外観が特徴です。


rabbit r1の発表時にはAIを用いて「会話しながらメニューを決めて食品配達サービスに注文」「好みの音楽を伝えて再生」といった操作が可能なことがアピールされていました。


しかし、rabbit r1を実際に入手したユーザーからは「AIの応答の品質が低い」「配達を依頼しても『その機能は準備中』と言われる」といった完成度の低さを嘆く声が集まることとなりました。以下のムービーの59秒頃からはCoffeezilla氏が実際にrabbit r1を使う様子を確認できますが、「朝ご飯を注文して」と頼んでも「ドアダシュラビット(デリバリー注文機能)はメンテナンス中です」と返答されたり、「みんなに少し遅れるって伝えて」と頼んでも「直接自分で連絡することを推奨します」と言い放ったりと、AIアシスタントとしてまったく使えない状態であることが分かります。

Rabbit Gaslit Me, So I Dug Deeper - YouTube


また、rabbit r1の開発チームは「rabbit r1にはLarge Action Model(大規模行動モデル)が搭載されている。このため、ウェブページのボタン配置などを理解して、宿の予約などを自動的に実行できる」とアピールしていました。しかし、実際にはブラウザ操作自動化アプリ「Playwright」を内部で実行しているだけで、「AIによってウェブページのボタン配置を認識」という機能は実行されていなかったとのこと。また、Playwrightのスクリプトは本体にハードコーディングされているだけなので、対応ウェブサイトのレイアウトが少しでも変わると機能しなくなることも明らかになりました。


Coffeezilla氏は、上記の状況を踏まえて、rabbit r1を詐欺的製品だと非難しているというわけです。

なお、rabbit r1を販売している「rabbit inc.」は、もともと「Cyber Manufacture Co.」という名前で活動していた企業です。「Cyber Manufacture Co.」は主にNFTを扱う会社で、NFTベースのゲーム「GAMA」を開発するという名目で資金を調達していたこともあります。ただし、GAMAは最終的に製品化に至らずプロジェクトを終了したようです。

この記事のタイトルとURLをコピーする

・関連記事
ウェアラブルAIデバイス「Ai Pin」不振でHumaneが身売り先を探しているとの報道 - GIGAZINE

「NFTは犯罪に利用されやすい」とアメリカの財務省がリスク評価、マネーロンダリングと戦うための管理体制に問題があるとの指摘 - GIGAZINE

元Appleデザイナーのジョナサン・アイブとOpenAIのサム・アルトマンが「AI駆動のパーソナルデバイス」開発に向けて1500億円の資金調達を計画中との報道 - GIGAZINE

日常会話を録音して要約できるペンダント型AIガジェット「Pendant」が登場 - GIGAZINE

in ソフトウェア,   ハードウェア,   動画, Posted by log1o_hf

You can read the machine translated English article here.