レビュー

「Raspberry Pi 5」に強い光を照射すると強制終了するデスフラッシュ現象を確認したので詳細を共有します


シングルボードコンピューター「Raspberry Pi 5」の検証機材がGIGAZINE編集部に届いたのでレビュー記事を作成するべくあれこれ試していたところ、Raspberry Pi 5の特定の部位に強い光を照射すると強制終了してしまう現象が確認されました。強制終了が発生する条件や強制終了時のログをできるかぎり収集したので詳細をまとめてみました。

Raspberry Pi 5 – Raspberry Pi
https://www.raspberrypi.com/products/raspberry-pi-5/

◆技適について
Raspberry Pi財団からGIGAZINE編集部に届いたRaspberry Pi 5は技術基準適合証明を受けていません。そこで、Raspberry Pi 5を使う前に「技適未取得機器を用いた実験等の特例制度」の届出を行っています。


◆強い光を照射すると強制終了してしまう現象を確認した経緯
Raspberry Pi財団からRaspberry Pi 5のサンプルが到着。


箱の中にはRaspberry Pi 5と説明書が入っていました。


説明書を確認すると、「ボードを高強度の光源(キセノンフラッシュやレーザーなど)にさらさないでください」と記されています。Raspberry Piの過去モデルでは強い光を照射した際にシステムが停止するデスフラッシュ現象が確認されていたのですが、Raspberry Pi 5でも同様の現象が発生するということなのか気になったので、実際に試してみることにしました。


検証方法は単純で、Raspberry Pi 5にカメラのフラッシュをあらゆる方向から照射するというもの。なお、検証に使ったフラッシュは「DMC-GH4」の内蔵フラッシュです。


実際にRaspberry Pi 5にフラッシュを照射してみた結果、Raspberry Pi 5の裏面にフラッシュを照射するとシステムが終了してしまうことが判明しました。以下のムービーを再生すると、Raspberry Pi 5の裏面にフラッシュを照射した瞬間にシステムが落ちて再起動する様子を確認できます。

Raspberry Pi 5の裏面に強い光を照射すると強制終了するデスフラッシュ現象発生 - YouTube


一方で、Raspberry Pi 5の表面はどんな角度からフラッシュを照射してもシステムが終了することはありませんでした。

Raspberry Pi 5の裏面に強い光を照射すると強制終了してしまうけど表面は大丈夫っぽい - YouTube


システムが終了する際にどんな処理が行われているのか気になったので、Raspberry Pi 5にUSBシリアル変換キット「USB-UART232RM」を接続してフラッシュ照射時のログを取得してみました。


まず、通常の手順で再起動した際のログが以下。シャットダウン処理が行われた後にシステムが起動しています。


フラッシュを照射した際のログが以下。シャットダウン処理が発生せずにシステムが起動しています。つまり、Raspberry Pi 5にフラッシュを照射すると通常のシャットダウン処理が実行されず強制終了してしまうようです。


◆強制終了する条件を探る
Raspberry Pi 5にフラッシュを照射すると強制終了してしまうことが分かったので、続いて強制終了する条件を調べることにしました。フラッシュによるシステムへの影響は電磁波や光電効果などによるものと推測されるので、まずは電磁波による影響なのか否かを確かめるべく「電磁波は通すが光は通さない素材」として段ボールを用意しました。


段ボールをRaspberry Pi 5の上にかぶせた状態でフラッシュを照射したところ、強制終了は発生しませんでした。このことから、電磁波は強制終了に影響していない可能性が高そうです。


続いて、「光を通さない素材」としてアルミホイルを用意し、表面にテープを貼って絶縁しました。


アルミホイルにテープを貼ったものをRaspberry Pi 5の上にかぶせ、少しずつずらしながらフラッシュを照射してフラッシュの影響を受ける部位を探ります。


フラッシュの影響を受ける部位を探した結果、裏面の電源用USB-CポートとHDMIポート付近にフラッシュを照射すると強制終了が発生することが判明しました。


フラッシュを照射した際に強制終了が発生する部位を赤枠で囲むとこんな感じ。


HDMIケーブルを抜いた状態でも強制終了は発生しました。


ここまではRaspberry Pi 5の純正電源アダプター「Raspberry Pi 27W USB-C Power Supply」を用いて検証していたので、電源アダプターを「APD-V140AC2-BK」にかえて検証してみましたが、同様に強制終了が発生しました。このことから電源アダプター固有の問題ではないことが分かります。


なお、今回の検証では1台のRaspberry Pi 5しか使っていないため、フラッシュを照射した際に強制終了してしまう現象はGIGAZINE編集部に送られてきたサンプル固有の問題である可能性も残っています。

◆フォーラム開設中
GIGAZINEの公式DiscordサーバーではRaspberry Pi 5関連のフォーラムを開設しています。以下のリンク先から誰でも書き込み可能なので「○○が気になるな~」といった内容をドシドシ書き込んでください。

• Discord | "「Raspberry Pi 5」がGIGAZINE編集部に届いたのでレビューするけど何が知りたい?" | GIGAZINE(ギガジン)
https://discord.com/channels/1037961069903216680/1166304963497041981

この記事のタイトルとURLをコピーする

・関連記事
フラッシュでの撮影時に生じるデスフラッシュ現象についてRaspberry Piの公式が詳細を公開 - GIGAZINE

カメラのフラッシュを当てると動作停止するデスフラッシュ現象が「Raspberry Pi 2」で発生 - GIGAZINE

「Raspberry Pi 5」登場、CPUとGPUがRaspberry Pi 4の2~3倍の性能で独自開発I/Oコントローラー「RP1」も搭載 - GIGAZINE

Raspberry Pi 5のベンチマーク結果をRaspberry Pi財団が公表、前世代の2倍以上のスコアをたたき出す - GIGAZINE

in レビュー,   ハードウェア,   動画, Posted by log1o_hf

You can read the machine translated English article here.