Googleが「Cloud AutoML Vision」を発表、独自のデータセットを使ったカスタム機械学習モデルが簡単に構築できるように
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人工知能(AI)の「民主化」を目指すGoogle Cloud AIチームが、あまり専門的な知識がない人でも画像認識用のカスタム機械学習モデルを簡単に作れる「Cloud AutoML Vision」を発表しました。
Cloud AutoML - Custom Machine Learning Models | Google Cloud Platform
https://cloud.google.com/automl/
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Cloud AutoML: Making AI accessible to every business
https://blog.google/topics/google-cloud/cloud-automl-making-ai-accessible-every-business/
Googleの画像認識APIを基に、好きな画像を学習させて認識機能を簡単にカスタマイズできる「Cloud AutoML Vision」発表 - Publickey
http://www.publickey1.jp/blog/18/googleapicloud_automl_vision.html
高度な機械学習モデルを作れる人は極めて限られており、また、独自のカスタム機械学習モデルを構築するのには時間がかかるため、「誰でも自由に使える」というわけにはいきません。この門戸をもっと広くすべきだと考えて活動しているGoogle Cloud AIチームでは、以前から「Google Cloud Machine Learning Engine」というサービスを提供してきましたが、それでもなお、機械学習に関して熟練しているエンジニアが必要でした。
しかし、機械学習や人工知能のブームが起きている昨今は熟練エンジニアの数が足りない状況にあります。そのため、Google Cloud AIチームは新たに、Googleの高度な技術を利用することで、熟練していないエンジニアでも独自の高品質なカスタム機械学習モデルを構築できるサービス「Cloud AutoML」の開始を発表しました。構築した機械学習モデルは、Google Cloud API経由で利用が可能です。
対応APIの第1弾として同時に発表されたのが、ユーザーが用意した画像データを学習させることでそれぞれの用途に応じた画像認識ができるようになる「Cloud AutoML Vision」です。どのように学習を行い、どんなことができるようになるのかは、Googleが公開したイントロダクション映像を見るとわかります。
Introducing Cloud AutoML - YouTube
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Googleでは「Google Cloud Machine Learning Engine」と組み合わせて使う画像認識向けの「Cloud Vision API」を提供してきました。
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しかし、気象学者が天気予報や飛行プラン作成のためにこのAPIを利用して「積雲」「積乱雲」「層雲」といった雲の違いを検出しようとしても……
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検出されるのは「空」「雲」「日中」といった情報ばかり。これは、Cloud Vision APIが、Googleの事前に学習させた情報に基づくラベリングを行った結果を出力するものであり、雲の種類までは事前の学習内容に含まれていないためです。
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もし、気象学者が持っている大量の雲の画像を学習させれば、雲の違いを認識できるようになるはず。そのためには、これまでは自力で機械学習モデルを構築する必要がありました。
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この問題を「シンプル」「安全」「柔軟」に解決するのが「Cloud AutoML Vision」。
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機械学習に精通したエンジニアがいなくても、独自に用意したデータセットをアップロードすることで、カスタム機械学習モデルを構築してくれます。
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Cloud AutoMLのUIはこんな感じ。先ほどの雲の例でいうと、まずは大量の雲の写真をアップロードします。ラベリングはアップロード前でもアップロード後でもよいようです。
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学習のために必要な条件は、ラベルが2種類~100種類、ラベルリングされた写真が20枚~10万枚、1つのラベルに対して最低10枚の写真。用意できたら「Train(学習)」ボタンをクリック。
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学習が終わると、分析・統計結果を見ることができるようになります。
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最後に雲の写真をアップロードすると、さきほどの学習の内容に従って「これは高い確率で巻雲」と予測してくれました。
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「Cloud AutoML」は現在アルファ版で、テスト運用参加を受け付けています。
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