ビルの屋上から落下したサーバーラックが大破する前にサーバの切替を成功させるムービー
仮想データセンターをラックごと高層ビルから落下させ、その間に別に用意した仮想データセンターにフェイルオーバーさせる様子を、シマンテックがプロモーション映像として公開しています。その準備の様子などが詳しく紹介されており、チェックしてみることにしました。
Data Center Down! Behind the Scenes (High Availability & Disaster Recovery) - YouTube
アメリカのサンノゼにあるビルの屋上からサーバーラックを落下させようとしているところ。
ものすごいスピードで落下していきます。
サーバーラックは木っ葉微塵。この落下して壊れるまでの間に別に用意した仮想データセンターにフェイルオーバーさせているというわけです。
では、まずはこの実験のためにどれほどの準備がされていたのか見ていくことに。まずは1日目の様子から。
サーバーラックを落下させる土台をビルの屋上に設置しているところ。
上から見るとこんな感じ。
サーバーラックを設置する場所から見た風景。かなりの高所であることがわかり、ここから落下するとすれば、サーバーラックも大破することも納得です。
フェイルオーバーの際に使用するソフトウェアを構成しているところ。
このソフトウェアを使って、落下させる「DATA CENTER1」から別に用意した「DATA CENTER2」にフェイルオーバーするというのが今回の実験。
今回は、Solaris上のOracleデータベースやRed Hat Enterprise Linux上で動作するアプリケーション、プレゼンテーションレイヤーなどが使用されていたようです。
クラスタ化されたアプリケーションはVeritas Cluster Serverを使用。さらにデータ複製ソフトとして、Symantec Volume Replicatorが使用されています。
さらに、土台などハードウェア面のセットも慎重に行われました。
担当したのは「32TEN STUDIOS」というスタジオ。
「スター・ウォーズ」「スタートレック」「ダイ・ハード」などを手がけたスタジオで、まるで映画撮影でもするかのような本格的なセッティングが行われました。
サーバーラックを乗せて調整しているところ。
サーバーラックを落とす際に稼働する部分は、ゆっくりと動くように調整されています。
実際にサーバーラックを乗せて、シミュレーション。
高さは250フィート(約76メートル)
速度は140fps(時速約153キロメートル)
落下点への衝撃が大きくコンクリートに傷をつける恐れがあるため、鉄板がしかれています。
そして、2日目。
この日はサーバーラックを実際に落下させます。
レールを使用してゆっくりとサーバーラックを落下させる地点まで移動。
そして、ついに落下の準備が整い……
あっと言う間に落下。ギャラリーも「おー」と驚きの表情。
落下点から広範囲にサーバーラックの部品が飛び散っており、相当な衝撃であったことがうかがえます。
スローモーションでみると、まるで映画のようです。
肝心のフェイルオーバーは大成功だった模様。
落下開始から5秒後というごく短い時間でフェイルオーバーは成功したようです。メンバーたちはハイタッチを交わし、喜びをわかちあいます。
これで、災害時にサーバがぶっ壊れるような事態になっても、壊れるまでのわずかな間に他の場所にあるサーバへとフェイルオーバーできるというわけです。
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