メモ

排他的経済水域(EEZ)の管理姿勢を明確するため無名の小島にも命名

by artdeco105

漁業資源や鉱物資源などの開発や管理などで沿岸国に主権的権利(主権ではない)が与えられているのが排他的経済水域(EEZ)です。このEEZ内は主権の及ぶ「領海」とは異なり、外国船の航行は自由ですが、中国の調査船が事前連絡とは異なる海域を航行するケースが続発しています。

日本政府はこれらに対して、EEZをしっかり管理していくという姿勢を明確にするため、これまで無名だったEEZの基点の小島に対して名称をつけることを決めました。

EEZ基点49島に命名…管理姿勢を明確化 : 政治 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)



「領海」と「排他的経済水域(EEZ)」、「公海」がどう違うのかについては海上保安庁がまとめてくれています。

よくあるご質問(FAQ):排他的経済水域(EEZ)と領海及び公海の違いを教えて下さい。

まずどこからどこまでが領海、EEZなのか、ということ。まず、基線から12海里(22.224km)までが「領海」。その領海以外で、基線から200海里(370.4km)までが「EEZ」、それを越えた部分が「公海」となります。ちなみに基線は海岸線とは微妙に異なっていて、これも海上保安庁は我が国の直線基線一覧図としてまとめています。

それぞれの定義は以下の通り。

「領海」は、領土、領空のように、我が国の主権が及ぶ海域です。
なお、領海においては、直線基線が採用される前の内水(瀬戸内海)を除き我が国の平和、秩序、安全を害さない範囲で外国船が通航することが認められる、という特徴があります。(これを「無害通航権」といいます。)

「排他的経済水域」は、天然資源(漁業資源、鉱物資源等)の探査、開発、保存及び管理等、特定の事項に限定して、我が国の法令を適用することができる海域です。よって、特定の事項以外の事項については、我が国の法令の適用はなく、例えば、外国船の航行は自由ですし、他国が海底電線を敷設することも認められます。

「公海」は、どこの国の領海、排他的経済水域等にも含まれない海域で、全ての船舶に対し航行の自由などが認められています。この海域では、各国とも自分の国の船舶に対してのみ自国の法令を適用することができます。


ここで問題になるのは、国同士が400海里以上離れていない場合はEEZが重なってしまうということ。日本の場合、韓国や中国がこれにあたりますが、こういった場合は「お互いの管轄海域を協議して決める必要があります」と定められています。

しかし、前述のように日本のEEZであるとされている尖閣諸島沖に中国調査船、が進入するケースは続発しています。許可自体は出しているので進入は問題ないのですが、事前に「ここに進入したい」と伝えてきた海域と、実際に船がいる海域が違っているというわけです。

日本と中国のEEZ境界線には海底ガス田が広がっており、お互い権益の範囲の主張に違いがあるため、長らく両国間の懸案事項となっています(東シナ海ガス田問題)。

by Goldenseasun

今回、政府が基点のうち無名の島に名前をつけることにしたのは、こういったEEZ関係についても日本はしっかり管理を行っていくという姿勢を打ち出すため。すでに昨年のうちに地元へのアンケート調査を行い、通称がある6都県の10島へは命名済みで、地図や海図への登録手続きも行っています。今後は残る39の島に対しても名称を決めるべく、自治体と協議していくとのこと。

国内に鉱物資源の少ない日本にとって、このガス田は重要なポイント。決して弱腰にならず、しっかり対処していく必要があります。

by dirk.jan

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in メモ, Posted by logc_nt

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