取材

2011年ノイタミナ新作ラインナップ発表会、「フラクタル」以外にも期待作が目白押し


山本寛監督が「フラクタル」について語った様子に続いて、「フラクタル」と同じく1月開始の「放浪息子」、そして4月開始の「C」「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。」、7月開始の「うさぎドロップ」「No.6」について、監督らによる解説や、情報の公開が行われました。

詳細は以下から。
空の境界(第一章)」や「喰霊-零-」のあおきえい監督の最新作は「放浪息子」。


OPテーマはダイスケさんの「いつだって。」。八王子でストリートライブをしていて、インディーズで大活躍しており、2月にメジャーデビュー予定。「いつだって。」はこの作品のために作った楽曲というわけではないのですが、歌詞を作品に合わせて変更した部分があるそうです。


このあとはEDテーマを担当するRie fuさんも登場し、エンディングテーマ曲「For You」を披露してくれました。


あおきえい監督は、本作について「志村さんの単行本の表紙は水彩画で淡い感じなんですが、線がキリッとしている。そのイメージでキャラクターの色味を作り、美術の方にもそのイメージを伝えてやってもらっています」と制作現場を語りました。


今回アニメ化されるのは中学生編。ストーリーを圧縮して伝えることもできるのですが、それをやってしまうと志村さんの世界観を伝えることが出来ないため、時期を限定して「ここからここまでをアニメにする」とまとめた方がいいかなと思ってのことだそうです。小学生編から始めてきりのいいところまでやるという形ではなかったのは、物語の後半に事情があるようです。このあたりは実際に作品を見ればわかるはず。小学生編は回想などで随時出てくるので、原作を知らない人でも楽しめるようになっているとのことでした。


4月から始まる作品が、ノイタミナの完全オリジナル作品「C」。これまでにノイタミナで「モノノ怪」「空中ブランコ」と注目作品を送り出してきた中村健治監督の作品です。今回は中村監督と、総作画監督の橋本敬史さんが登壇しました。

テーマになっているのはずばり「お金」。中村監督自身、お金に対して特別に知識があるわけではないものの、どうでもいいと切り捨てられず、答えは出せないし難しいし、考えてもちょっとわからないようなことなので、調べてみようかなという感じで決めたテーマだそうです。


吉田:
このテーマをスタッフの方に伝えるわけですが、橋本さんはどのように伝えられたのですか?

中村:
いや、橋本さんには何も言っていないですね。
橋本:
「こういう企画があるよ」という話をもらって、今もじわじわインプットしているところです。監督が今のような感じで1時間2時間と語ってくれるので、聞き役に徹しています。

吉田:
「モノノ怪」も「空中ブランコ」もすごくアグレッシブな作品でしたが、今こんなことをしてやろうと企んでいることはありますか?

橋本:
今回は自分と中村氏の演出だけではなく、mebaeさんという新しい風が入ってきています。「モノノ怪」は日本昔話風というか極端な絵でやっていますが、そこに新しく可愛らしい絵が入ってきて、私の絵とどのように同居できるのかというところがテーマでもありますね。監督にチェックしてもらったら、(橋本さんは)mebaeさん寄りの絵を描いてくれているなと言ってもらって安心しています。mebaeさんの描く可愛い女の子キャラクターを、自分のキャラが囲んで占めていくような世界観になるといいなと思います。総作画監督は私と高田(晃)くんと2人で担当していて、mebaeさんの絵のいいところの引き出し方がそれぞれで違うと思うので、3通りの違う絵が出てくる場合もあるし、それが楽しみになるんじゃないかと思います。

中村:
高木(登)さん、mebaeさん、見てますかー!これまではみんな引きこもるようにコツコツ作っていたんですが、ついにスタッフも発表となり、4月にみなさんの前にいいものを送り届けられるよう頑張りたいと思います。よろしくお願いします。


橋本:
私はもともとアクションやエフェクトに特化したアニメーターで、ノイタミナで最初にやった「化猫(「怪 ~ayakashi~」の1エピソード)」ではまだ派手なものがありましたが、「モノノ怪」「空中ブランコ」とだんだんと中村監督はドラマに寄っていたと思います。ところが、今回はお金を目ぐるバトルがあるらしいので、自分の得意分野に行けるのではないかなと思っています。アクションが多いと言うことで、副監督に天才的なアクションを描かれるアニメーターの松尾慎さんをお呼びしていて、mebaeワールドをみんなで同居してやれればいいかなと考えております。


サイト開設時、作品タイトル当てクイズで評判となった「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。(通称:あのはな)」からは、長井龍雪監督と田中将賀さんが登壇しました。


吉田:
長井監督の初監督作品は「ハチミツとクローバーII」ですよね。

長井:
カサヰケンイチさんのやり方を引き継いでやらせてもらいました。

吉田:
今回はオリジナル作品です。「超平和バスターズ」という集団で制作するということで。いかにもバスターズな田中さんが「とらドラ!」に引き続いてかわいいキャラクターを描いてくれています。

田中:
これはもともと岡田(麿里)さんが温めていた企画で、「とらドラ!」が終わった後にみんなでまた何かやりたいねといったときに、「一緒にやらないか」と話をもらって始まったものです。

長井:
内容は、その時点でペラ2枚ぐらいの企画書だったんですが、「小学校の時に仲の良かった友達は高校になると疎遠になったりするよね」というのが概要です。キャラクターは、みんなでディスカッションをしている最中に田中さんが描き始めて「こんな感じでしょ?」みたいな感じで作られましたね。


吉田:
作品に対して、ギャグなのか、それともシリアスなのかで待ち方も変わると思うのですが、これはどのようなタイプの作品ですか?

長井:
ちょっと変わった部分はありますけど、普通の高校生たちのお話だったりするので、フラットな気持ちで見ていただければと思います。

吉田:
近ごろは「聖地巡礼」ということでファンが作品の舞台へ行ったりしますが、この作品も舞台があるんですか?

長井:
舞台にした場所はまだ伏せておきますが、一応あります。

吉田:
科学と魔法が交差する場所とかでしょうか?

長井:
立川ではないですけれど、近辺のどこかです。

田中:
日帰りできます。

吉田:
日帰り可能ですか、いいヒントをもらいました。では、最後に一言ずつお願いします。

田中:
何を言えばいいかな……すごくいい話なんですよ。「ほっこり」という作品だと思います。


長井:
4月スタートで夏に向けて、皆さんの夏への気分を盛り上げれればと思います。物語は夏の終わりからスタートなんですけれど。精一杯丁寧に作らせていただきますので、みなさん楽しみにしてください。

7月開始アニメについてはタイトル情報が解禁となりました。

1つは宇仁田ゆみさん原作のハートウォーミングストーリー「うさぎドロップ」。


宇仁田さんからは以下のメッセージが寄せられました。

こどものころ、わたしはアニメをたくさん観て育ちました。
自分のまんがへの影響もかなり大きいと思います。
だから自分が描いた作品をアニメにしていただけるなんて夢のよう…というより、夢にも思わなかったこと。
とてもうれしいです。
「うさぎドロップ」を読んでくださっているみなさんと一緒に楽しみたいです。

もう1つはあさのあつこさん原作の近未来SF小説「No.6」。


あさのさんからは直筆コメントが届いていました。

今、どうしようもないぐらい胸が高鳴っています。
ネズミが、紫苑が、イヌカシがどんな姿で私の前に現れてくれるのだろうと。
その眼差しは?その微笑みは?その涙は?
そして、彼らが疾走するNo.6は?
今年ほど、夏が待ち遠しい年はありません。


このあとフォトセッションがあり、発表会は第2部、監督らを交えての座談会へと突入しました。


ノイタミナ2011年新作のスタッフ座談会、ノイタミナだからできたこと、ノイタミナじゃなければできたこと

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in 取材,   アニメ, Posted by logc_nt

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