道路から見た写真をネットで閲覧できる「Google マップ ストリートビュー」、今後は画像公開前に事前通知されることに

ついにというか、やっとというか、プライバシーなどさまざまな面で大問題となっていたGoogleマップの「ストリートビュー」ですが、本日行われた東京都の情報公開・個人情報保護審議会にGoogleの日本法人担当者（広報部長ら2名）が出席、「プライバシーについて詰めが甘かった」と釈明、今後は自治体に対して公開前に知らせる予定だそうです。

しかしこの審議会ではほかにもとんでもないことが次々と明らかになっています。

各報道の内容詳細は以下から。
まずは読売新聞の報道から。

グーグル「詰め甘かった」…ストリートビュー、事前通知へ : 社会 : YOMIURI ONLINE（読売新聞）

担当者は、海外では画像を公開する前に官庁や自治体に説明していながら、日本では事前説明をしていなかったと明かした。

なんと海外では公開する前に説明をしていたにもかかわらず、日本では事前説明は行わなかった、と。日本をなめているのかと思いきや、毎日新聞によるとこういう理由らしい。

グーグル：「ストリートビュー」今後は自治体へ事前説明 － 毎日ｊｐ(毎日新聞)

藤田氏は「事前に説明しておけばよかった。日本にはプライバシーを専門に扱う機関がないと判断した。詰めが甘かった」と答えた。

要するに、日本にはこういう街並み画像が見えることに対して一括して対応する部署が存在しないため、通知せずに行うことになったらしい。なんだかむちゃくちゃな理由のような気もしますが、Google マップ ストリートビューの類似サービスが問題になっていないことから考えても、やはりちょっとGoogleの行動は先走りすぎたような感じもあります。

また、産経新聞によると、経済産業省から複数回の改善依頼もあったとのこと。

グーグル担当者「ストリートビュー」事前通知を検討　都審議会 - MSN産経ニュース

現在、東京や関西など国内１２地域が対象で、住宅地などで撮影された写真には、ベランダに干してある洗濯物などまで鮮明に写っていることから、経済産業省も複数回にわたり同社に改善を求めている。

さらに、今後は事前に通知（個人ではなく自治体に対して）してくれるらしいのですが、自治体が反対するとどうなるのかというと……

asahi.com（朝日新聞社）：ストリートビュー掲載、自治体に事前説明へ　グーグル - 社会

しかし、自治体側から掲載を反対された場合の対応については、「許諾事業ではない」と明言を避けた。

技術が法律などの先を行くことはよくある話であって、逆に法律で技術が発展して普及するのを阻害するというのもまた大問題ですが、そこのところをうまく調節していく方法、要するにそれぞれの国や地域に対するある一定の配慮が必要なわけであって、そういうことに対してGoogleは少し、いや、かなり無頓着なところがあるようです。

どれとは言いませんが、ほかのGoogleのサービスなどにしても、担当しているチームなのか、責任者の違いなのかはわかりませんが、真摯な態度で改善に臨んでくれているところと、そうではなく「聞く耳持たず」で技術のみを信奉しているとんでもないところとに二極化しつつあるようです。Google自体が急成長を遂げた会社であるため、社内的にそういう歪なことになっており、特に日本法人はこれまで「透明であれ」というような方針でやってきていただけに、そのツケが完全にまわってきている状態となっています。しかし、今後の態度次第とも言えるので、是非ともGoogle マップ ストリートビューのいいところを伸ばして、そうでないデメリットは最小限に抑える仕組みを構築してもらいたいところです。

というか、単に「ここ載せないで！」と言ったところを削除できる仕組みが整えられるだけでも随分違うはずなのですが……あるいは、Googleが得意とする検索については「robots.txt」で「ここはボットの巡回対象から外してください」「検索結果にこのページは載せないでください」というような指示が可能なので、極端な話、リアル現実世界のGoogle マップ ストリートビューについても「ここは載せるなシール」みたいなものを定義すればよいのでは……と思うのですが、問題はやはりその拒絶手段の周知方法になってくるので、確かにちょっとすぐにどうこうできる問題ではないようです。

なお、公開に適さない画像の削除依頼方法についてのムービーが密かにGoogleによって公開されています。

YouTube - ストリートビュー 公開に適さない画像の報告について