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X(旧Twitter)からのトラフィックは「大半がボットによる偽の数字」であるとの調査データ、Instagramの1%未満に対してXは30%超から期間によっては70%超まで跳ね上がる


2024年2月11日に開催された第58回スーパーボウルは、アメリカ史上最も視聴されたテレビイベントとなりました。X(旧Twitter)は第58回スーパーボウルに関する投稿やインプレッション数が非常に好調であったことをアピールしていますが、そのほとんどがボットなどによる偽のトラフィックであると調査企業が指摘しています。

The majority of traffic from Elon Musk's X may have been fake during the Super Bowl, report suggests | Mashable
https://mashable.com/article/x-twitter-elon-musk-bots-fake-traffic


Xは第58回スーパーボウルに関する独自のプレスリリースを発表。X上での第58回スーパーボウル関連のインプレッション数が前年比で31%増の105億回、動画再生数が前年比で75%増の11億回、ポスト数が前年比で41%増の1920万件、ユニークユーザーポスト数が前年比で11%増の480万件であったことをアピールし、第58回スーパーボウルがXにとっても過去最大のイベントのひとつであったと発表しています。

The (video first) roar of the stadium reverberated on X

The Kansas City Chiefs snagged a historic overtime win over the San Francisco 49ers during the longest Super Bowl game in history. For fans on X, Super Bowl LVIII conversation did not disappoint. pic.twitter.com/alhspk1hNN

— Business (@XBusiness)


しかし、インターネット上で動作するボットや偽ユーザーを追跡するサイバーセキュリティ企業のCHEQによると、X上のトラフィックの大部分は偽物である可能性が高いそうです。CHEQはが第58回スーパーボウルが開催された2024年2月9日から11日までの3日間に記録された「Xから広告クライアントのウェブサイトへのトラフィック」(14万4000件)を分析したところ、このうち75.85%がボットなどによる偽のトラフィックだったことが明らかになりました。

CHEQの創設者でありCEOでもあるガイ・ティツノビッチ氏は、海外メディアのMashableに対して「76%はおろか、50%近い数値でさえ他のプラットフォームでは見たことがありません。これには非常に驚いています」と語り、Xのトラフィックの多くをボットが占めていることに驚きを示しています。データはCHEQのクライアントが運用する1万5000件のXアカウントに基づくものであるため、Mashableは「これはX上に存在するアカウントのごく一部であり、科学的にサンプリングされたものでもありません。しかし、それでも劇的な傾向を示す重要なデータです」と記しました。

CHEQはクライアントがオンライン広告詐欺の被害にあうことを防ぐために、インターネット上のボットや偽ユーザーを監視しています。CHEQはXなどの外部サイトからクライアントのウェブサイトへ訪問するユーザーの行動(ウェブページをどのように閲覧するかなど)を追跡することで、訪問者が本物の人間なのかボットなどの偽物なのかを判断しているそうです。また、偽物はウェブサイトの閲覧に使用しているOSの種類を偽装したり、本物の人間になりすましていたりすることもある模様。


Xでは近頃ボットが運用するスパムアカウントが急増しており、インフルエンサーのポストの返信欄にスパムアカウントが殺到しているところを見たことがあるという人も多いはず。今回CHEQが提供したデータも、X上でボットが運用するアカウントが急増していることを裏付けるデータであるとMashableは指摘しています。

ティツノビッチ氏はインターネットトラフィック全体の約半分がボットで構成されているという統計データについて、「我々はGoogle広告やYouTube、TikTokなどさまざまなサービスを利用する顧客のトラフィックを追跡していますが、『インターネットトラフィックの半数が偽物である』という統計については少し言い過ぎであると常々感じていました。しかし、Xのトラフィックはこれをはるかに超えるものであるため、あまりに非現実的で公開をやめようかとすら思いました」と言及しました。

なお、CHEQは同じ期間におけるFacebook、Instagram、TikTokにおける「広告クライアントのウェブサイトへのトラフィック」も分析しています。これによると、TikTokのトラフィック(4000万件以上)のうち偽物と判断されたのは2.56%、Facebookのトラフィック(810万件)のうち偽物と判断されたのは2.01%、Instagramのトラフィック(6万8700件)のうち偽物と判断されたのは0.73%です。


また、CHEQはX、Facebook、Instagram、TikTokの「2024年1月における偽トラフィックの割合」データも提供しています。これによると、Xのトラフィックは75万9000件で偽物の割合は31.82%であるのに対して、Facebookのトラフィックは9000万件で偽物の割合は2%、Instagramのトラフィックは74万9000件で偽物の割合は0.96%、TikTokのトラフィックは3億600万件で偽物の割合は2.8%だったそうです。

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in ネットサービス, Posted by logu_ii

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