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江戸時代の古地図を現代風にしたマップ「れきちず」であちこち探索してみた


近年はTV番組などの影響で「古地図」に興味を持つ人も増えていますが、現代の地図とはさまざまな点が異なるため、古地図を見ても何が何だかわからなかったという人もいるはず。そこで地図や路線図の愛好家であるグラフィックデザイナーの地図とかデザインとか(@chizutodesign)さんが、江戸時代の古地図を現代風にしたマップ「れきちず」を作成・公開していたので、どんなマップになっているのか実際に探索してみました。


マップ|れきちず
https://rekichizu.jp/map/

れきちずにアクセスするとこんな感じ。一見すると現代のGoogleマップなどと同じように見えますが、普通なら「東京」となっているはずの地名が「江戸」と表記されているほか、現代の都道府県名ではなく「武蔵国」「相模国」「下総国」「上総国」など当時の国名が用いられています。江戸時代の終盤である1800~1840年頃(文化・文政・天保年間)を想定したものであり、範囲は関東周辺とのこと。


西は甲府や興津まで、南は伊豆半島の真ん中付近まで、東は房総半島の先端にある銚子のあたりまでカバーしています。


北は日光白根山や上関河内(現代の福島県南部)あたりまでとなっています。


江戸湾の付近を見てみると、「江戸-浜野」「江戸-木更津」「神奈川-大津(現代の神奈川県横須賀市東部の地名)」など、当時の海運に利用されていた海路が表示されていました。


江戸湾をさらに拡大し、左端に品川や川崎、右側に浜野や八幡が入るようにしてみました。東京や千葉周辺の地理を知っている人なら、「なんとなく現代の東京よりも湾内がスッキリしているような……?」と感じるかもしれません。


上の地図とほぼ同じ範囲をGoogleマップで表示するとこんな感じ。現代では江東区や大田区を中心にかなり湾内の埋め立て地が増えて、江戸時代とは海岸線がまったく異なることがわかります。


現代の月島周辺にあたる範囲をれきちずで見てみると、陸地は石川島や佃島などほんの一部しかありません。


現代のGoogleマップで同じ範囲を見てみると、月島や豊洲あたりが埋め立てて新たに作られた陸地であることが実感できました。


れきちず上には当然ながら「江戸城」も存在しています。


当時の江戸城にあたる場所は、現代の皇居となっています。しかし、城を囲むように巡らされていた堀は現代まで引き継がれ、地形には当時の面影が残っているようです。


地図上を探索してみると、「代々木村」「上渋谷村」「原宿村」など、現代では東京の代表的な地名も当時は「村」だったことがわかりました。


記事作成時点の「れきちず」は開発途中のものであり、今後は「古地図と現代の地図を2画面で比較する機能」「地点をクリックすると情報を表示する機能」「経路検索機能」など、さまざまな新機能を追加する計画もあるとのこと。今後のロードマップや膨大な参考文献については、以下のページを読むとよくわかります。

れきちず|現代風デザインの地図サイト
https://rekichizu.jp/#about

なお、地図とかデザインとかさんは以前から古地図を現代のマップ風にしたものを作成しており、公開のたびに大きな反響を呼んでいました。

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in レビュー,   ネットサービス, Posted by log1h_ik

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