サイエンス

月と火星の次にNASAは2069年に地球から4.4光年離れた「ケンタウルス座アルファ星系」を目指す計画

By NASA's Marshall Space Flight Center

約40年ぶりにアメリカが人類を月へと送る計画を再開させることが2017年12月12日に報じられたばかりなのですが、NASAはさらに遠い宇宙の星、地球から約4.4光年離れた恒星系の中心にあるケンタウルス座アルファ星系を2069年に目指す方針であることを明らかにしました。

Do Aliens Live at Alpha Centauri? NASA Wants to Send a Mission in 2069 to Find Out
http://www.newsweek.com/alien-life-alpha-centauri-nasa-wants-find-out-super-fast-2069-mission-752528

Exclusive: NASA has begun plans for a 2069 interstellar mission | New Scientist
https://www.newscientist.com/article/mg23631576-000-exclusive-nasa-has-begun-plans-for-a-2069-interstellar-mission/

NASAが発表した新方針によると、アポロ計画によって人類が初めて月に降り立った1969年のちょうど100年後となる2069年に、ケンタウルス座アルファ星系を目指す宇宙船を打ち上げます。宇宙船とはいえ、実際には人間が乗り込むような船体を持たず、数メートル四方の大きさを持ち、厚さは原子数個分という極めて薄い膜と、その中心に大きさ数ミリというカメラやセンサーなどの観測機器を搭載する観測機器となっており、この機器をロケットで一度に数百基打ち上げ、宇宙空間で放出させることで遠い星を目指します。

ケンタウルス座アルファ星系は、太陽とほぼ同じ2つの恒星「ケンタウルス座α星A」「ケンタウルス座α星B」と、1つの赤色矮星「プロキシマ・ケンタウリ」からなる三重連星で、プロキシマ・ケンタウリにはそのハビタブルゾーン内を公転する惑星「プロキシマ・ケンタウリb」が発見されていたことから、地球と同様に生命が存在できる可能性が考えられています。そしてこの天体の詳細な調査を行うべくNASAが発表したのが、2069年に探査機を打ち上げるこの方針というわけです。

地球の近くに地球に似た環境を備えた生命が存在可能な惑星があると判明 - GIGAZINE


前述のように、探査機は非常に薄い膜を持った超軽量な機体となっており、自ら推進力を生みだす機構は備えていません。その代わりにNASAが用いようとしているのが、宇宙に打ち上げた機体めがけて強力なレーザービームを照射し、そのエネルギーを利用して機体を加速させるという技術です。この仕組みはすでに「ブレークスルー・スターショット構想として発表されていたものと同類のもので、地上から100ギガワットクラスの強力なレーザービームを正確に探査機に照射することで、推力を発生させるという仕組みです。


強力なレーザービームを受けた探査機は、最大で光速の10%程度にまで加速され、はるか遠い星を目指します。最終目的地となるプロキシマ・ケンタウリまでの距離が4.4光年であることを考えると、この方法で送り出される観測機は約44年後に目的地に到達するということになります。


人類がこれまでに打ち上げた探査機で、最も地球から遠い空間に到達したのは、1977年に打ち上げられたボイジャー1号で、2012年8月25日頃には太陽圏から脱出して星間空間へと到達したことがわかっています。その後もボイジャー1号は秒速1万7037メートル (時速6万1333km)で飛行を続けており、地球からの電波が届くまでには17時間以上かかるという非常に遠い所に位置しています。

そんなボイジャー1号ですが、その飛行速度は光速の1%のさらに1%、つまり光速の1万分の1程度にしか到達できていません。それほどまでに物体をものすごい速度に加速することは難しいのですが、NASAの新方針および「ブレークスルー・スターショット構想」では超軽量な機体にレーザービームの力を加えることで、光速の10%にまで到達することを目指しているというわけです。

ちなみに、2069年に打ち上げられた探査機がプロキシマ・ケンタウリに到達するのは、計算上で2113年で、そこからさらに観測データが地球に戻ってくるのは4.4年後の2117年ごろ。つまり、全てがうまく行けばこの記事が掲載されたちょうど100年後に遠く離れた天体の観測データが戻ってくることとなりそうです。

By European Southern Observatory

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in サイエンス, Posted by logx_tm