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Linuxの生みの親リーナス・トーバルズがLinuxへ攻撃するハッカーに「ダークサイドに堕ちる前に」来て欲しいとアピール


Linuxの生みの親で「優しい終身の独裁者」としてLinux開発に関わるリーナス・トーバルズ氏が、オープンソースに関する開発者会議で登壇し、Linuxシステムを攻撃するハッカーに予想外のラブコールを送っています。

Linus Torvalds Wants Hackers to Join Linux Before They Attack Linux
http://www.eweek.com/enterprise-apps/linus-torvalds-wants-attackers-to-join-linux-kernel-development

2017年9月11日に開催されたOpen Source Summitの会場で、Linux Foundationの上級ディレクターのジム・ゼムリン氏と対話形式でイベントに参加したLinux生みの親のリーナス・トーバルズ氏が、Linuxとセキュリティに関してコメントを出しました。


まず、セキュリティに関する一般論としてトーバルズ氏は、「完璧なセキュリティというものは存在しません。たとえ、完璧を目指そうとしても、正直に話すとバグはつきものなのです」と述べ、Linuxを含めたあらゆるソフトウェアは、セキュリティ面で常に課題を抱えているとしました。

その上で、Linuxに関して言えば、分析ツールだけでなくランダムな入力を行ってソフトにエラーを起こさせることで脆弱性などのバグをあぶりだす「fuzz teting」と呼ばれる機能が搭載されていることを挙げて、「完璧なセキュリティにはたどり着けないかもしれませんが、Linuxのデフォルトモデルを開発する人たちは、とてもうまくやっていると思います。明らかな改善が生み出され続けています」と述べ、Linux開発の現状について開発者たちの貢献ぶりに満足していることを明らかにしました。

しかし、Linuxを攻撃しようと企む技術者たちがいるとした上で、「世の中には悪い事をする賢い人がいます。私は、彼らが私たちの味方になり、私たちを助けて欲しいと願っています。私たちが目指しているのは、ダークサイドに堕ちる前にできるだけ多くの『賢い人』を味方にすることです。もしも、セキュリティに関心の高い彼らを、Linuxを攻撃する前に引き込めればセキュリティは改善するでしょう」と述べ、Linuxコードからセキュリティホールを探そうとしている人たちの能力に感銘を受けているという意外な事実を明らかにしています。


また、トーバルズ氏は営利企業の技術者とオープンソースの技術者は一緒に働くことができない、という意見に反対だとのこと。「仕事やユーザーをもたらす企業を嫌うべきではありません。ユーザーこそが本当に大切なものであり、あなたにアクセスしようとするたくさんの人はサポートや仕様書を必要としています」と述べ、大企業に対する反骨心をむき出しにするのではなく、コラボレーションの大切さを説いています。

なお、「どうしてLinuxに取り組むモチベーションを保ち続けられているのか?」という質問に対してトーバルズ氏は、「意義あることに取り組めることは本当に幸せなことです。私の働く環境は本当に魅力的です。自宅でバスローブを着て作業するのは、格好の良いものではないけれど」と答えています。

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in メモ,   ソフトウェア,   セキュリティ, Posted by darkhorse_log

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