宝くじの当選番号を操作するソフトで詐欺をした元職員が最大25年の懲役刑に
アメリカで宝くじの当選番号を不正に操作するソフトをインストールした罪で、元職員の男が有罪判決を受けました。アメリカでは不正ソフトを使った宝くじ詐欺が驚くほどの件数で起こっている可能性が指摘されています。
Eddie Tipton sentenced in Iowa Lottery rigging case
http://www.desmoinesregister.com/story/news/investigations/2017/08/22/iowa-lottery-cheat-sentenced-25-years/566642001/
Multi-State Lottery Association(全米宝くじ協会)のセキュリティディレクターをしていたコンピュータープログラマーのエディ・ティプトンは、宝くじの公正を保つという任務にあたっていました。しかし、その地位を悪用して、2005年にコロラド州のロトで当たりくじを不正に操作するソフトウェアをシステムにインストールして当たりくじを詐取しました。ちなみに賞金を受け取ったティプトンは、映画館とジムのある建物を建設しようとしたそうです。
ティプトンによる犯行は、以下の記事を見ればよく分かります。
当たりクジを操作して大金ゲットをもくろみ有罪判決を受けた男の弟も共犯に浮上 - GIGAZINE
6年間にわたって5つの州、6つの宝くじで不正を働いたティプトンは、逮捕起訴され陪審で有罪評決を受けた後、10年間の懲役刑という判決を受けましたが判決を不服として控訴していました。その終局判決が2017年8月22日に出され、「25年を超えない懲役刑」という有罪判決で裁判が終結しました。
判決を受けるティプトンの様子は、以下のムービーで確認できます。
全米が注目した裁判で、ティプトンは「何と言っていいのか難しいのですが、自分の過ちを後悔しています」と、反省の弁を述べました。なお、ティプトンには懲役刑とは別に、アイオワ州に対する220万ドル(約2億4000万円)の賠償命令も下されています。
ティプトンの弁護人を務めるディーン・ストワーズ氏は、「検察当局は被告人の具体的な詐欺行為を特定することなく何年にもわたって捜査をしている。当選番号を選ぶために実際に使用されたプログラムを調べることに関心がないのは驚くべきことだ」と検察の捜査手法を非難して、懲役刑の執行期間を数年に縮めるように求めているそうです。
全米を揺るがしたティプトン事件を契機に、2017年初頭に宝くじの賞金の当選者に関する調査が行われたところ、何度も当選しているチケット販売業者がいることが判明し、2012年以降で少なくとも600回もチケット販売業者が当選金を受け取ったことが分かったそうで、ソフトウェアを使った宝くじが詐欺の温床になっている可能性が指摘されています。
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