「パーソナライゼーション(個人最適化)」が失敗する3つの理由

By Glen Scott

Webサイトやサービスなどで均一的な内容を提供するのではなく、利用者に合わせた内容を提供する「パーソナライゼーション(個人最適化)」は利用者のエクスペリエンス(ユーザー満足度)を向上させるうえで重要な取り組みですが、理解の仕方を誤ると効果的な結果を得ることができません。どのような点を理解し、いかにデータを活用すべきかなどにについて、3つの注意すべきポイントがまとめられています。

Why Personalization Projects Fail – Erica Smith – Medium
https://medium.com/@ericathegreat/why-personalization-projects-fail-5af7d9623fb0

◆1.大きすぎるセグメントを追いかけてしまう
多くのウェブやモバイルのビジネスモデルでは、単一の、一般化されたエクスペリエンスがまず最初に取り扱われることが多いのですが、このような要素はパーソナライゼーションの必要がなく、それ単体自体で相当なバリュー(価値)を確立できるため、最初からすでに確立されたビジネスモデルになっているとのこと。

このようなビジネスモデルでシステムを開発する場合でもデータが重要となってくるわけですが、その際に多く用いられるのがGoogle Analyticsのような一般性の高いアクセス解析ツール。その場合は以下のように「エクスペリエンス」→「Google Analytics」→「プロダクトマネージャー」というサイクルになります。


この方法が必ずしも悪いというわけではありませんが、対象となるターゲットが一般化されてしまうために、その効果は限定的であるとのこと。たとえば、新しいサービスを提供した場合に80%のユーザーがそれを支持し、20%はそうではなかった場合、サービスの責任者であるプロダクトマネージャーは「これで行こう」と決断を下すことになるわけですが、その場合に20%のユーザーは切り捨てられてしまうこととなります。


しかしその場合にも、パーソナライゼーションを導入することで20%のユーザーには「古いバージョンのまま使う」という選択肢が与えられることになり、全体としてのユーザー満足度は向上します。このような対策をとるためのデータは、一般的なツールから得られるデータだけを使っていては入手できないとのこと。サービス利用に際してユーザーにアカウント登録を必須とさせることで、個人ごとの行動をフォロー(追跡)してデータ化することで、全体のUX(ユーザーエクスペリエンス、ユーザー体験価値)の向上を狙うことが可能になります。


◆2.エクスペリエンスをインサイトやデータを使わずに構築してしまう
優れたUI(ユーザーインターフェース)は、見た目のわかりやすさを持ち、使いやすいものなので、誰もが目指すべきもの。しかし、これもデータとインサイト(ユーザーの声、本音)に基づいたものでなければ良いものは作れないとのこと。パーソナライゼーションによって得られる最大の価値は見た目や動作によるのではなく、インサイトがユーザーにどれだけ楽しみを与えられるかであるといいます。


大事なことは、見た目のきらびやかさだけに陥らず、データから得られるインサイトをいかにうまくデザインに反映させ、しかもサイト全体に浸透させるかにあるとのこと。

◆3.インサイトの重要性を小さく捉えててしまう
ひとたびシステムが動きだしデータが集まり始めた段階にも罠は潜んでいます。その気持ちが強いばかりに、すぐにそろい始めるデータばかりを活用し、さらに多くのデータなどを必要とするインサイトを軽んじてしまうと、効果のある対策はとれないとのこと。


むしろ、インサイトは他の要素の土台ともいえる位置に認識すべき。まずデータがあり、そこからインサイトを見いだし、新しいエクスペリエンスに反映させる、という流れを重視すべきとしています。


そして新しいエクスペリエンスが生まれたらデータをとり、そこから得られるインサイトで次のエクスペリエンスを作り……というサイクルが正常に動き出すと、パーソナライゼーションがうまく機能し始めるようになるのです。

・関連記事
不倫に堕ちた社長と愛人がツボを押さえたウェブサイト構築をアピールするエロスなCM映像が話題 - GIGAZINE

コンバージョン率251%アップを達成したデザインの変遷に学ぶA/Bテストの妙とは? - GIGAZINE

有名IT系企業はなぜあんなにたくさんの技術スタッフを必要としているのか? - GIGAZINE

Googleがデザインするときに大切にしている10個の原則 - GIGAZINE

95

in デザイン, Posted by logx_tm